初期費用がなくても一人暮らしは始められる?引越しの出費を抑える方法
今すぐ引越したいけどお金がない!初期費用の貯金ナシでも一人暮らしを始める方法

一人暮らしを始めるには多額の初期費用がかかるため、必要なお金を事前に準備してから引越しをするのが一般的だ。しかし、事情によっては貯金がないが一人暮らしをすぐに始めたいという場合もあるだろう。
今回は、引越しでできるだけお金をかけず、さらに支払いのタイミングを調整することで、貯金がなくても一人暮らしを始められる方法を探っていく。
この記事でわかること
賃貸物件に引越す場合、高く見積もって6か月分の初期費用が必要
初期費用を抑える8つのコツ
1人暮らしの生活費を最低限に抑える5つのコツ
このページの目次
一人暮らしを始める際にかかる初期費用の目安

引越しの初期費用は家賃のおよそ半年分が目安だといわれているが、そのほとんどが賃貸物件の契約にかかる費用だ。まずは、契約に必要な費用の目安を見てみよう。
- 敷金(家賃の1~2ヶ月分)
- 礼金(家賃の1~2ヶ月分)
- 仲介手数料(家賃の0.5~1ヶ月分)
- 前家賃(翌月の1ヶ月分)
もし家賃6万円の賃貸物件への引越しを検討している場合、高く見積もって下記の費用が必要となる。
敷金(2ヶ月分の場合) | 120,000円 |
---|---|
礼金(2ヶ月分の場合) | 120,000円 |
仲介手数料(1ヶ月分の場合) | 60,000円 |
前家賃(満1ヶ月分の場合) | 60,000円 |
合計 | 約360,000円 |
上記のほかに、賃貸保証会社への支払いや損害保険、鍵の交換代などの費用がかかる場合もある。
貯金なしで引越しをするなら初期費用を最低額に抑えよう

家賃半年分の費用が最初に必要となると、貯金がなければ引越しは無理だと感じるだろう。初期費用をできるだけ抑えるためには、物件選びが重要となる。
貯金がそれほどなくても一人暮らしを始めたい人は、以下の3つのポイントを参考にして物件を選ぶのがおすすめだ。
初期費用を抑えるコツ①:不動産業界の閑散期に物件を探す
不動産業界の閑散期は4〜8月上旬で、特に7月と8月は比較的予約が取りやすい。閑散期に物件を探すのは2つのメリットがある。
閑散期には家賃や敷金の額が下がりやすいというメリットがある。閑散期は入居希望者が減るため、大家さんはさまざまな対策をして入居者を募らなければならない。敷金・礼金などの初期費用が下がるほか、なかには入居後数か月分の家賃を無料にする「フリーレント」の条件で募集をかけることも珍しくない。
また、閑散期は不動産会社や大家さんに条件交渉しやすい時期でもある。繁忙期に比べ、入居希望者一人ひとりに多くの時間をかけられるため、部屋の条件に合わせて交渉に応じてくれる可能性が高い。気に入った物件があった場合、担当の方に無理のない範囲で交渉してみてほしい。
初期費用を抑えるコツ②:仲介手数料が安い不動産会社を選ぶ
仲介手数料とは、賃貸の仲介を不動産会社に依頼して契約が結ばれたとき不動産会社に払うもの。希望する条件の物件を契約できたことに対する成功報酬のようなものだ。
仲介手数料は不動産会社にとって大切な収入源であるため、下げるのが難しい。値引き交渉も可能であるが、交渉に自信がない場合は、あらかじめ仲介手数料が安い不動産会社を選ぶのがおすすめだ。
不動産会社の中でも自社物件や自社で管理する物件の取り扱いがある場合、仲介手数料が無料、または家賃の0.5ヶ月分+消費税に抑えられていることがある。
初期費用を抑えるコツ③:家賃が安い物件を選ぶ
初期費用は「家賃の1ヶ月分」など、家賃を基準に計算されるものが多い。そこで、家賃を1万円下げると、引越し時にかかる費用を4~5万円節約することができる。
貯金がない場合は、月々に支払う金額だけでなく初期費用でいくら使うことができるのかも計算したうえで、家賃価格を設定しよう。「家賃3万円以下」のような条件を付けて検索するなど、家賃の安い物件を調べてみよう。
初期費用を抑えるコツ④:敷金礼金なし物件を選ぶ
敷金とは、家賃滞納や退去時の修繕などのために預けておく費用で、礼金は大家さんに支払われる謝礼金である。敷金礼金なし物件にすることで、引越し初期にかかる費用のうち家賃の2〜4ヶ月分を節約することができる。
ただし、敷金は退去時の修繕など原状回復のために使用されるお金なので、敷金がかからない物件の場合は、退去時の費用負担がどうなるのかを契約前に確認しておこう。
初期費用を抑えるコツ⑤:フリーレント物件を選ぶ
フリーレント物件とは入居後の家賃が一定期間無料になる物件で、貯金がない場合は非常に魅力的だ。ただし、一定期間の契約が条件で違約金が設定されているケースもあるので、条件を確認してから検討しよう。
初期費用を抑えるコツ⑥:鍵交換費用が不要な物件を選ぶ
賃貸で部屋を借りるとき、入居前に新しい鍵に交換するのが一般的だ。物件によって大家さんや不動産会社の考え方は異なるが、鍵の交換は契約者である入居者が費用を負担するケースがほとんどだ。多くの場合、賃貸契約を締結するときに敷金や礼金、前家賃などと同じタイミングで鍵交換費用を支払うことになる。
一方、鍵交換自体が「任意」という物件も少なくはない。鍵交換にかかる費用は、通常のドアタイプなら15,000円ほど、オートロックの機能が搭載されているものであれば20,000〜40,000円ほどが相場で、もし鍵交換をしない場合には大きな節約に繋がる。
しかし安易に飛びつくのは危険だ。退去時に鍵はすべて返却しなければならないが、前の入居者が鍵を複製している可能性がある。初期費用を抑えることは重要だが、防犯対策上、新しい鍵に付け替えることをおすすめする。
初期費用を抑えるコツ⑦:クレジットカード払いが可能な物件を選ぶ
不動産会社によっては、初期費用の分割払いに応じているところもある。まとまったお金を用意できないときは、物件探しのタイミングで事前に確認を取っておこう。
また、分割払いには応じているものの、細かい条件を設定しているところもあるため要注意だ。たとえば、敷金や礼金は分割できても、家賃や仲介手数料は一括払いに設定しているケースだ。支払い方法だけでなく、どの範囲まで分割払いができるかについても確かめておくようにしよう。
なお、クレジットカード払いはポイントが貯まるのも魅力である。初期費用は高額となるため、換算されるポイント数も大きくなるのだ。
初期費用を抑えるコツ⑧:入居日を月初めにする
初期費用には前払い家賃という項目が設定されているため、初期費用の節約を考える場合、可能な限り月初めの入居を検討しよう。たとえば、家賃10万円の部屋に4月1日の入居予定だとすると、一般的な前払い金額は1日〜月末までの1ヶ月となるため、10万円のみの支払いになる。しかし、中旬の16日ごろに入居したとすると、16日〜月末までの日割り家賃に加え、翌月分の1ヶ月分の家賃も払わなければならない。
ただし、前払い家賃のルールは物件によってそれぞれ異なる。初期費用を低く抑えたい場合は、家賃発生日のことも不動産会社の担当者に聞いておくようにしよう。
一人暮らしの1ヶ月にかかる生活費の目安
初期費用や家賃のほかに、ランニングコストとしてかかる毎月の生活費はどのくらいなのだろうか。総務省が2021年に実施した「家計調査表」によると、一人暮らしにかかる平均支出額は以下のとおりである。
用途分類 | 単身世帯 |
---|---|
食料 | 38,410円 |
光熱・水道 | 11,358円 |
通信費 | 7,125円 |
教養娯楽 | 17,082円 |
交際費 | 12,948円 |
諸雑費 | 14,228円 |
※娯楽費は「教養娯楽」を参照
上記の項目のほかにもさまざまな出費が考えられる。男性なら車、女性なら美容院やコスメなど、お金の使い道は多岐にわたる。貯金や投資に回すお金を増やしたいと考えている方は、家計簿をつけて日々の出費を見直してみると良いだろう。
次のページからは、一人暮らしの1ヶ月にかかる生活費を最低額に抑えるコツをご紹介する。