実はおすすめな「北向き」の部屋!南向きの物件にはない意外なメリットとは?

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「北向き」の部屋のメリットを知ろう!

北向きの賃貸物件
人気がない北向き物件のメリットとは?

賃貸物件の需要としては、一般的に南向きの部屋が最も人気が高く、次いで東向き、西向き、そして北向きの順番となっている。北向きの物件は、日当たりが悪い、暗いイメージがある、寒そうという理由から、部屋探しの段階で敬遠する人も多い。

しかし、すべての面において南向きの物件が優れているというわけではない。そこで今回は、北向きの物件ならではのメリットを紹介していく。

「北向き」の部屋のメリット4つ

北向きの部屋のメリット①:室内の気温が上がりすぎない

北向きの賃貸物件の温度計
エアコンいらずで快適な夏を

南向き物件の最大のメリットは、日差しが入りやすく、日照時間が長いことである。そのため、冬でも室内に直射日光が差し込んで気温が上がり、暖房を使わずとも快適に過ごせる。冬はメリットになるが、夏には逆にデメリットとなってしまう。

大量の日光が室内に降り注げば、室内の気温が上昇しやすくなり、エアコンを使わないと快適な生活が送れなくなる。電気代がかかってしまううえに、近年の気温上昇の傾向を考えると、冬場のメリットを夏場のデメリットが上回る可能性もある。

対して北向きの物件であれば、夏場でも南向きの部屋ほど日差しが降り注ぐことはない。室内の気温がそれほど上がらず、日中だけではなく、夜間も快適な気温の中で就寝することができるのだ。

冬場の寒さは厳しいものだが、厚いカーテンや隙間テープなど、外気が伝わりにくくなる対策を行えば、室温維持はそれほど難しいものではない。冬に快適に過ごせるということは、夏には不便になることもある。逆に、冬に不便さを感じることは、夏には快適になるという表裏一体の居住性があるのだ。

北向きの部屋のメリット②:壁紙などが日焼けしにくい

日焼けした壁
壁紙や家具が日焼けしにくい

北向きの部屋で直射日光が降り注ぐ時間は、南向きの部屋に比べると1ヶ月で約10時間以上少ないといわれている。日差しは部屋の中を明るく照らしてくれるが、日差しによって劣化してしまうものも多い。

白い壁紙やポスターなどは、日差しに当たると日焼けを起こし、元々白かったものが黄色く変色してしまうことも多いのだ。日差しが降り注ぐ場所にタンスなどを設置していると、日差しが直接当たる場所と、タンスによって隠れた場所とで壁紙の色がまったく違うというのもよくある話だ。

賃貸物件の場合、壁紙の変色に関しては、原状回復義務に含まれないので入居者が修繕費用を負担することはない。それでも自分が住んでいる間に、きれいだった壁紙がどんどん黄色く変色してしまうのはあまり気持ちの良いものではないだろう。また賃貸物件の場合、無断で壁紙の交換ができないことも多い。

そのため、壁紙やクロスなどが日焼けで変色することを避けたいのであれば、南向き物件よりも北向き物件の方が良いといえる。

北向きの部屋のメリット③:家賃が安く価格交渉しやすい

南向き物件は人気が高く、北向き物件は人気が低い。需要の有無は、市場原理の影響を受けて家賃にも反映されてくる。つまり、南向き物件ほど家賃が高く、入居者が決まりやすい。対して北向き物件は人気がないので家賃が安くなり、入居者が決まりにくいのである。

これを逆手にとれば、あえて北向き物件を探すことで、相場よりも安い部屋が見つけやすくなる。空室に悩んでいる大家さんであれば、部屋の値下げ交渉も可能だ。

北向きの賃貸物件での値下げ交渉
人気がないことを逆手にとって上手に値下げ交渉を

小さな子供などがいて、洗濯物をよく干す人にとっては日照時間の長さ、日差しの強さは重要だ。しかし、一人暮らしの人間であれば、洗濯物はコインランドリーで済ませることも多いだろう。そのような人にとっては、南向き物件ならではのメリットを享受できる機会は、実はそう多くはないのだ。

自分のライフスタイルを考えて、南向き物件のメリットがあまり関係ないのであれば、家賃の安い北向き物件を探すことで、現在の部屋よりワンランク上の部屋に住むことができるようになるかもしれない。

北向きの部屋のメリット④:間取りにこだわれば、北向き物件の弱点をカバーできる

また、間取りにこだわることである程度、方角の弱点はカバーできる。部屋の間取りを探していると物件全体が縦に長く、複数の部屋が縦に並んでリビングのみベランダや窓がついている部屋もある。また対照的に、横にそれぞれ部屋が並んでおり、各部屋に窓がついている物件も見つけられる。

南向き物件といっても、前者の間取りで南からの日差しが望めるのは、窓がある部屋だけである。北向き物件でも各部屋に窓がついていれば、十分な日差しを望めるうえに、ベランダで洗濯物も乾かしやすい。1つの部屋にしか窓がついていない物件よりも、複数の部屋すべてに窓がついている方が、開放感が感じられて過ごしやすい。

このような間取りを考慮しながら部屋を選べば、北向き物件でも不便さを感じることは少なくなるだろう。

「北向き」の部屋のデメリット

デメリットを知っておけば対策できる

北向きの部屋にはたくさんのメリットがある一方、デメリットも併せて把握しておく必要がある。良い面だけを考えて決めてしまい、「実際に住んでみたら想定外だった」と後悔する方も多い。北向きの部屋を選ぶ場合、これから紹介するデメリットも十分に考慮したうえで判断しよう。

北向きの部屋のデメリット①:洗濯物が乾きにくい

北向きの部屋は日光が当たる時間が少なく、洗濯物が乾きにくい。北向きの部屋にあるベランダで洗濯物を干す場合と南向きの部屋にあるベランダで洗濯物を干す場合とでは、太陽の光が当たっている時間が大きく違う。たくさんの洗濯物を乾かそうとすると、自然乾燥では追いつかずコインランドリーを使う場面も出てくる。

北向きの部屋のデメリット②:湿気対策がいる

先ほど述べたように、北向きの部屋は南向きの部屋と比べて太陽の光が届きづらい。そのため湿気がこもりやすく、カビが発生しやすくなるのだ。

また湿気がこもった部屋は、カビだけではなく雑菌も繁殖しやすい。除湿器を活用する、除湿剤を使用するなど、普段から湿気対策をしておかないと気づかないうちに不快な環境になってしまうので注意しよう。

北向きで住みやすい部屋の特徴

メリットもある北向き賃貸物件
北向きでもお宝物件が見つかるかも!?

北向きの部屋には上記のようなデメリットがあるものの、すべての物件がこれらに当てはまるわけでない。特に以下の2点の特徴がある北向きの部屋は、比較的住みやすい傾向にある。

  • 換気システムが完備されていて風通しが良い
  • 暖房機能が充実している

北向きの部屋における大きな問題は、日光があまり入ってこないことによる「湿気」だろう。湿気がこもらない設備が完備されている物件は、北向きであっても住みやすい物件であることが多いのだ。

北向きの部屋に向いている人の特徴

読書や勉強をする男性
趣味によっては北向きの部屋が向いていることも

南向きの部屋を希望する人が多い中、北向きの部屋を探している方も多い。仕事や趣味など、人によって北向きの部屋の方が都合が良い場合もあるからだ。ここからは、北向きの部屋に向いている人の特徴を紹介していく。

北向きの部屋に向いている人①:勉強や読書などの落ち着いた作業をする人

風水では、勉強や読書など集中力を高めて作業をしたい場合は北の方角に机などをおくと効率が上がるといわれている。また、日光の量もそれほど多くはないので、適度な室温で集中できるというのも北向きの部屋の特徴だ。

北向きの部屋に向いている人②:家賃を少しでも安く抑えたい人

メリットの項目でも少し述べたが、北向きの部屋は日当たりが悪い物件が多いため、比較的家賃が低く設定されていることが多い。日中の日当たりなどはあまり気にならないという人は、北向きの部屋を選んで家賃を抑えてみてはいかがだろうか。

北向きの部屋に向いている人③:家具を大事にしたい人

「日当たりが悪い」と聞くと悪いイメージばかり先行してしまいがちだが、家具や本にとっては日当たりの悪さがメリットになる。家具や本は、直射日光を長時間浴び続けてしまうと日焼けをしてしまい、劣化が早まってしまう。できるだけ家にある家具や本を長く使いたいという人は、直射日光に長時間当たるリスクが少ない北向きの部屋に住んでみると良いだろう。

北向きの部屋がおすすめの人もいるので自分に合っているか確認しよう!

今回は北向きの部屋に住むことのメリットとデメリットを中心に解説した。北向きの部屋だからといって一概に悪い物件というわけではなく、人によってメリットとなる部分を北向きの部屋はたくさん持っている。

確かに洗濯物などは、日当たりの良い南向きの部屋の方が効率よく乾かすことができる。しかし、家賃を少しでも抑えたかったり家具などを長持ちさせたかったりするのであれば、北向きの部屋がおすすめとなる。住む人のニーズや重視するポイントによって北向きの部屋の印象も変わってくるので、メリットとデメリット両方の面を考慮したうえで検討してみよう。


文=正三
不動産投資を始め1年で脱サラに成功した元サラリーマン。ライター業と兼業で実業の進出を狙っている。今投資したいのはリースバック物件。

2021年8月加筆=CHINTAI情報局編集部

CHINTAI編集部
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1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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