引越し祝いのお返しは必要? 相場やマナー、注意点を解説!

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引越し祝いをいただいた! さらにお返しは必要?

転居したときにいただくことの多い「引越し祝い」。この引越し祝いは贈る人の善意が込められているものだが、これにはお返しは必要なのだろうか?

今回は引越し祝いへのお返しが必要かどうか、また渡す場合の金額の相場やマナー、お返しにおすすめのプレゼントなどについて解説する。

引越し祝いにお返しは必要?
引越し祝いにお返しは必要?

新築祝いを兼ねている場合は「お披露目会」を行う

引越しにも、いくつかの種類がある。進学や就職のタイミングで実家を出て一人暮らしをするというケース、また転勤など会社都合の場合もあるだろう。

このなかでも、引越し祝いに関して少し特別なのが「新築の物件を建てて引越した」という場合だ。このケースのときに渡される「引越し祝い」は、「新築祝い」としての性格を持つ。そのため、お返しとしては、「新しい家のお披露目会」を行うのが望ましいとされている。新しく建てた家にみんなを招いて、家のなかなどを見てもらうわけだ。

お披露目会として食事でおもてなしをした場合、特にお返しは必要ない。ただ、いただいた気持ちを返すために、お披露目会をしたうえでさらに品物を渡すこともある。

一般的な引越し祝いの場合は品物でお返しをする

では、自宅を新築した場合の引越しではない場合はどうだろうか。基本的に「お披露目会」をすることはないと思われるので、その場合は、品物でお返しするのが一般的だ。

ただ、たとえば就職などを機に実家を出た場合に、家族や祖父母などからお金を渡された場合。これは「今後の生活に役立てなさい」という性質が強いものであるため、お返しに対して神経質になる必要はない。また、相手から、「お返しはいらない」と言われた場合も同じだ。

このような「お返し不要の引越し祝い」をいただいた場合は、御礼状などを返すとよい。丁寧にお礼を述べ、新生活での近況などに触れ、「近くに来たらぜひ寄ってほしい」などの言葉で結ぶのが一般的だ。感謝の気持ちをこめ、手書きで書くとよいだろう。

引越し祝いへのお礼として一筆で返すのも丁寧で良い
引越し祝いへのお礼として一筆で返すのも丁寧で良い

次のページでは引越し祝いのお返しの相場やマナーについてご紹介!

引越しのお返しの基本的なマナー

値段よりもその心遣いが大事
値段よりもその心遣いが大事

引越し祝いをお返しする際に、マナーがあるのはご存知だろうか? お返しのタイミングやどのような品を、どれくらいの金額でお返しすれば失礼にあたらないか、不安な人も多いだろう。ここでは、引越し祝いをお返しする際の基本的なマナーについて詳しく解説していく。

お返しのタイミング

引越し直後は手続きや荷解きなどで忙しいもの。このため、引越し祝いのお返しは、引越しがある程度落ち着いてから行うかたちで構わない。とはいえ、あまり遅くなりすぎると失礼にあたるので、引越し後3週間~1ヵ月の間に手配をすると良いだろう。

引越し祝いのお返しの相場は?

引越し祝いのお返しの相場は、いただいた金額の3分の1~2分の1といわれる。日本では、お祝いのお返しには「半返し」をするという文化が古くからあり、それが引越し祝いにもあてはまるというわけだ。

ただ、親戚などの近しい間柄の人から高額な引越し祝いをいただいた場合には、上でも説明したとおり、新生活への援助の意味が込められている場合も多い。このため、半返しをするとその好意を無下にしてしまうことになり、逆に失礼にあたることもある。場合に応じた金額を設定しよう。

熨斗の書き方や水引の結び方

水引は、紅白のちょうちょ結びを選ぶ。これは「繰り返してもよい慶事」に使われる水引だ。紅白の結び切り(結婚式などに使われる。繰り返してはいけない慶事に用いられる)との使い分けに注意しよう。

また、熨斗(のし)もつけるとなおよい。熨斗は、もともと干して伸ばしたアワビの肉を意味する「熨斗アワビ」が転じたもの。日持ちする熨斗アワビは長生きに繋がるとされ、慶事の金品に添えられていたという。現在はアワビの肉をそのまま使うことはないが、ご祝儀袋や贈り物に添えられている。

お返しに贈る品物に熨斗を付ける場合は、表書きは「内祝」、(新築の場合は)「新築内祝」とする。名前は贈り主の苗字を書こう。

引越し祝いのお返しの品の選び方

贈る品物は相手の好みそうなものを選びたいが、何がよいのか悩んでしまうこともあるだろう。一般的には、何枚あっても困らないタオルや、傷みにくく万人に好まれるクッキーなどのお菓子がよく選ばれている。

また現在はカタログギフトも人気だ。3000円なら3000円、5000円なら5000円など、決まった金額で食品やインテリア、子供用品などさまざまなジャンルから、相手が好きな品物を選ぶことができる。好みがわからない場合などはこれを選んでもよいだろう。

引越しのお返しにおすすめのプレゼント4選

繰り返しになるが、引越し祝いのお返しには、日常生活で使用するものが好まれることが多い。日用品や消耗品など万人受けするものは、受け取る側に必要以上に気を使わせずに喜んでもらえるため、おすすめのプレゼントである。

引越し祝いのお返しをする際は、相手の年代や生活スタイルに合わせて、喜んでもらえるもの、困らせないものを吟味して選ぶとよい。あまりに高額で、相手の好みに合わないものを贈ってしまうと、気を遣わせてしまうので注意が必要だ。

ここでは、引越しのお返しに好まれるおすすめのプレゼントを詳しく解説していく。

日常生活で必ず使用するタオル

肌触りの良さそうな3色のタオル
必ず使うものだから喜ばれる

日常生活で必ず使用し大量に消費しやすいタオルは、たくさんあっても困らないため、おすすめのプレゼントのひとつである。また、タオルは消耗品なので、受け取るタイミングでは必要なくても、破れた場合などで使用するときが高確率でやってくる。

特に、小さな子どもや家族が多い相手の場合、普段からタオルを頻繁に洗濯しなければならないことが多く、ストックができる意味でも喜ばれること間違いなしだろう。

なお、タオルをプレゼントする際は、どのような世代でも使用しやすいシンプルなデザインのタイプがよいだろう。自分ではなかなか購入しないような、日本製の上質なタオルであれば幅広い年代の人に喜んでもらえる。今治製などの、吸水性が高いバスタオルやフェイスタオルをプレゼントしよう。

食器が含まれるカタログギフト

引越しの際にいただいた品の金額に合わせて、同程度の金額のお返しの品を相手に選んでもらえるカタログギフトは、相手の好みがわからないときや気を使わせたくない場合におすすめだ。

従来、引越しのお返し方法は、「家を焼かない」という意味で「やかん」、容れ物ともいえる「家」の完成を祝って「器」のプレゼントをすることが当たり前であった。しかし、よく考えてみてほしい。やかんは一家にひとつあれば十分で、器はデザインの好みや家族の状況によって好まれるかが判断しにくいのだ。

お返しする相手が、やかんや器を求めていることがわかっているならプレゼントしてもよいが、そうではない場合は、比較的リスクが高い贈り物になってしまう。相手の好みなどがわからない場合は、食器が含まれるカタログギフトを贈れば、負担にならずにきっと喜んでもらえるはずだ。

形に残らないお菓子や飲み物

お洒落なプレゼントボックス
好みが分からない場合はお菓子や飲み物がおすすめ

引越しのお返しで、相手に気を使わせなくてすむものとして、お菓子や飲み物など形に残らないプレゼントもおすすめだ。食器などをお返しした場合、相手の好みのデザインのものを選ばないと扱い方で困らせることになってしまう。その点、形に残らないお菓子や飲み物であれば、老若男女問わず喜んでもらえるうえ、気を遣わせる心配も少ない。

お菓子は相手の年代に合わせると喜んでもらいやすく、若者であればクッキーなどの洋菓子系、高齢者であれば和菓子系がよいだろう。また、日持ちする焼き菓子、匂いに癖がないおかき、おすそ分けしやすいように個別包装されたものがおすすめである。

なお、引越しのお返しをする相手が遠くに住んでいる場合、新居に招くのが難しいこともあるだろう。その場合は、引越し先の銘菓や名産品を贈ることで、間接的に住んでいる場所を知らせることもできるため、引越し祝いのお返しとしては最適である。

利用用途がさまざまな金券

金券は利用用途がさまざまで、もっとも実用的な人気が高いプレゼントだろう。一部では、値段が見えてしまうことから、相手に失礼にあたるのではないかともいわれているが、相手に嫌がられにくく、ほとんどの人に喜んでもらえることを考えればおすすめのプレゼントである。

ただし、金券と一口にいっても種類がさまざまで、クオカードやスターバックスカード、JCBギフトカードなど、誰もが喜ぶような金券を選ぶことはなかなか難しいだろう。そのため、最低限、相手の生活スタイルを知っていることが必要となるが、最近であれば、Amazonカードであれば、利用者が多く、どの年代にも喜んでもらえる可能性が高い。

なお、金券を贈る際は、有効期限の有無や長さにも気をつけよう。金券にはその種類ごとに有効期限が記されていることが多く、期限がある場合はできるかぎり余裕があるタイプの金券を選ぶとよい。

引越し祝いのお返しは感謝をこめて!

引越しは、人生の転機ともなるもの。 そんな転機にあるあなたに寄せられた心がこもった贈り物、それが「引越し祝い」だ。その気持ちをしっかりくみ取り、丁寧にお返しをしたいものだ。

なにはなくとも気持ちが大事
なにはなくとも気持ちが大事
文=鍋谷萌子

引越し回数18回のフリーライター。食事関係の資格を5つもち、その土地のおいしい名物を食べるのが趣味

※2021年2月加筆=CHINTAI情報局編集部

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CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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