DIY好きなパパに聞く、賃貸物件でもできる畳を活かしたアウトドア&ヴィンテージな和室インテリア
賃貸物件の和室を大胆に素敵にアレンジ!
和室のインテリアをおしゃれに飾りたい! 賃貸生活にも、そんなネオジャポニズムのムーブメントが起きている。
素敵な和室で暮らしている方に部屋作りのポイントを聞くこの企画。今回は埼玉県新座市の賃貸物件で暮らす宮田さんご一家を訪ねた。

和本来のテイストを活かしつつ、独特のモダンな雰囲気に仕上げられた宮田家の和室
プロフィール
名前:宮田真澄さん
職業:エンジニア
インスタグラムアカウント:@gattsu_mm
居住形態:4人
ルームデータ
所在地:埼玉県新座市
家賃:9.5万円
間取り:4LDK(106㎡)
築年数:30年
建物:木造戸建
使い道がなくなってしまった和室。さてどうする?
お子様の誕生を機にこちらの住まいへと引越してきた宮田さんご一家。現在は家族4人で暮らしているが、当時はペットを飼っているご両親、お兄様も一次的に同居する必要があったそう。
6~7人が一緒に暮らせる広さがあり、かつペット可の賃貸物件を探した結果、この戸建てに行き着いたとのこと。1988年築とのことで広さの割りに家賃がリーズナブル、新耐震基準を満たしつつ、周辺環境ものんびり、という希望どおりの条件だった。
ところが、ご両親とお兄様が地元の横須賀へと戻られたことで、部屋が空いてしまった。和室はご両親たっての希望であり、アメリカンヴィンテージな世界観を好む宮田さんは、正直、あまり興味がなかったそう。
最初は使いあぐねていたが、玄関や駐車スペースへのアクセスしやすさから、活用しないのはもったいない!とインテリアカスタマイズに着手。大胆な模様替えを決断したのだ。
DIYで、和室にアウトドア&ヴィンテージテイストをミックス
障子から柔らかな光が入る和空間を飾るのは、サマーベッド風のリクライニングチェアにグリーンのカウチソファ、オーバル型のローテーブル。
キャンプ道具をしまうための棚やハンガーラックは宮田さんが自作したものだ。
棚は2×4材を組み合わせたワイルドな趣き。床の間にあるハンガーラックは海外のサイトにあったものを参考にデザイン、スチールパイプを自身でエイジングし、古びた風合いを演出している。かなりのDIY上級者だ!
「子どもの頃から兄の木工仕事を手伝ったりするうち、DIYはごく自然にできるようになっていました。家具などは私がなんとなくイメージを書くと、美術部出身の妻が図面におこしてくれるんです」とのこと。ご夫婦の仲睦まじさがよくわかる。

ビニールコートされたスチールパイプをアクリル絵の具でエイジング・ペイントして仕上げた自作ののハンガーラック。上に棚があるデザインもユニークだ

2×4木材の棚は“シンプソン金具”を用いたこだわりの一品。DIYをよくする人にはお馴染みのアメリカ発のL字金具だ
ちなみに、宮田さんのDIY記録はこちらでチェックできる。紹介した家具の詳しい作り方を知りたい人は、ぜひのぞいてみよう。
機能性を備えた和室カスタマイズのポイント
特徴的なのは押入れの襖を撤去していること。オープンな棚として収納兼ミシンなどの立ち仕事ができる作業台としているのだ。襖を外すことで空間が開放的になり、インテリアに彩りを与える飾り棚にもなる。一石二鳥の素晴らしいアイデアだ!
ほかにも収納ボックス前面にクロスが貼られていたり、障子紙を布に張り替えていたりと、細かなDIYテクニックが満載。また畳の上に畳シートを敷き、ソファなどの家具を直接置いても畳に跡が残りにくいようにするなど、賃貸住まいならではの工夫も。
和室カスタマイズのポイントを宮田さんに尋ねると……
「現代の家具は多くが洋室に置くことを前提としているため、和室のサイズには合っていません。でもDIYで作ってしまえば空間にぴったり収まります。そのうえ、部屋の雰囲気に合わせた古びた風合いなども自由に演出できる。和室とDIYは相性がとても良いんです」とのこと。
和室のモダン化は数多くの事例があれど、洋風ヴィンテージな風味と、バックヤード的な機能を採り入れているのが、この部屋のユニークなところだろう。

押入れをオープンな棚に変更。押入れ上部はミシン仕事などができる作業スペースに

昔、DIYで作ったという木製ボックスには、クリスマスなど季節の飾り物を収納。フタを閉めるとベンチになる
宮田さん流・和室づくり4つのポイント
かくして好みどおりの雰囲気になった和室。宮田さんならではの和室づくりの工夫をまとめてみたい。
・空間に適したサイズの家具をDIY。シンプルな造形が和室には合う
・ペイントなどでヴィンテージな風合いを巧みに演出
・畳シートを敷くことで木製洋風家具を置いても跡が気にならない
・収納は隠すのではなく、キレイに物を並べて見せる

宮田さんと奥様、2歳と4歳のお嬢様、とっても仲良しの一家。和室はお嬢様たちの遊び場としても活躍

ちなみにこちらがリビング。和室とは趣が180度異なるアメリカンヴィンテージな雰囲気
今では家族みんながリラックスでき、ワークスペースにもなる絶妙な空間に仕上がった宮田家の和室。「フローリングでは得られない安心感があり、プライベート感もある和室。しかも縁側を作ったので屋外とのつながりも感じられます」とご満悦だ。
和室のインテリアは難しい、と考えがちだが、工夫次第で大胆なイメージチェンジが可能であることを教えてくれた今回のお部屋。和室がもつポテンシャルの高さを改めて感じた。
文・写真=田端邦彦
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