【赤ちゃんにも】子育てには和室がおすすめ?畳が育児に向いている4つの理由を解説
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子育てには和室がおすすめってほんと?
最近は和室が少なくなり洋室中心の間取りが増えているが、畳敷きの部屋は子育ての強い味方なのをご存じだろうか?
ベッドから落ちる心配もなく、赤ちゃんの寝かしつけも楽々、そして吸音・遮音もしてくれる和室。
実際のところ本当に子育てしやすいのか? ママのための子育て学校【ママガク】の学長・新井美里さんと、和室子育てを実践しているママたちに和室のメリットを聞いてきた。
子育てに和室が向いている4つの理由
まずは、子育てには和室がよく向いていると言える理由を4つ紹介していく。また、実際に和室の部屋で子育てをしている先輩ママからもお話を伺った。
赤ちゃんにもうれしい和室のポイント①:クッション性が高く安全
赤ちゃん~幼児期の子育てに最適なのが畳敷きの和室。ベッドで添い寝をすると赤ちゃんは寝ている間に動き回り、ベッドから落ちてしまうこともしばしば。でも和室に布団敷なら、落ちて怪我をする心配はない。
またお座りしたてや歩き始めの頃に、ひっくり返ったり転んだりしても、畳のクッション性が衝撃を受け止めてくれるので安全。オムツ替えも楽にでき、ミルクをあげながら寝てしまっても、赤ちゃんを起こすことなくスルリと布団に移動させられる。横になって寝かしつけをしたり、一緒にゴロゴロと遊んだりすれば子どもたちもご機嫌に!同時に子どもの様子もよく観察できるので一挙両得。
【体験談】1歳女児を子育て中の楠原祐子さん(仮名・32歳)の場合
以前はベッドで一緒に赤ちゃんと寝ていましたが、ある日の夜中に子どもが落下した泣き声で飛び起きました。それから洋室ではなく寝室を和室へ移動。和室×布団に変えたところ、赤ちゃんが布団からはみ出ても気にならず、私自身がぐっすり眠れるように。こんなに楽に子育てができるなら、もっと早く和室で生活するようにすればよかったです。
こんな風に、実際に和室の安全性の高さを体感されているお母さんも多いようだ。
子育てに和室が向いている理由②:吸音性・防音性があるのでのびのび遊べる
畳の部屋は赤ちゃんだけに優しいわけではない。和室にいるときに感じる静けさは、じつは畳自体が作り出しているもの。畳に使われるイグサはスポンジのような構造になっており、フカフカ感が衝撃はもちろん音を吸音する効果もある。
特にマンションなどの集合住宅で神経質になりがちな音の問題。それでも心配な人は、畳の下に防音マットを敷けば完璧になる。
【体験談】2歳と5歳の男児を子育て中の須磨祥子さん(仮名・36歳)の場合
大声を出したり、飛び跳ねたり、フローリングのリビングで遊んでいた我が家のやんちゃブラザーズ。下の階に住んでいる老夫婦からは苦情を言われたことはありませんが、エレベーターなどで「元気ですね」と言われると、「音がうるさいのかな」と心配に思っていました。
そこで、「遊ぶのはリビングの隣の和室、リビングでは静かに過ごす」というルールを決めて、畳敷きの和室を子どもたちの遊び部屋に。すると音がやわらかくなり、地響きも心なしか静かになったような気がしました。畳のクッション性が音を吸収してくれるのだと思います。
音の問題に関しては、子どもが活発に動くようになってから実感される方も多いのだ。
子育てに和室が向いている理由③:吸湿性があるので快適
畳が優秀なのは防音だけではない。吸放湿性もあるので、湿度が高いときは水分を吸い、逆に乾燥しているときは湿気を放出してくれる、天然の加湿器・乾燥器な畳。そしてイグサは二酸化窒素やホルムアルデヒドといった人体に悪い影響がある物質を吸着する働きもあるのだとか。
子育てに和室が向いている理由④:断熱性があり夏は涼しく冬は暖かい
空気には熱を伝えにくくする性質が備わっている。畳には空気が豊富に含まれているため、夏は空気の暑さを遮断し、冬は冷たい空気をシャットアウトする断熱効果に期待できるのだ。また、断熱性・保湿性の両方を持つ畳のある和室は、冷暖房が効きやすいというメリットもある。
【体験談】2歳女児と4歳女児子育て中の新浪千草さん(仮名・32歳)の場合
下の子が生まれたタイミングでベッドルームを畳の部屋へ移しました。洋室のときは、夏場、夫が暑がってエアコンの温度を低く設定するなど快適な環境ではありませんでした。でも、和室に移動したことでクーラーの効きがよくなり、温度設定を28度にすれば朝までぐっすり眠れるようになりました。
畳はすべすべしていて寝心地もいいようで、朝には子どもが畳の上で寝ていることも多いです。
畳の温度調節機能に満足できているようだ。
和室で子育てをする際の3つの注意点
たくさんのメリットを持つ和室だが、いくつかの注意点を抱えていることも知っておかなければならない。この項目では、和室で子育てをするうえで覚えておくべき注意点を3つご紹介する。大事な子どもの健康に関わる問題もあるので、細かく確認しておこう。
和室で子育てをする際の注意点①:アレルギーに注意!
最初に注意するのはアレルギーの問題である。真っ先に思い浮かぶのはダニだが、そのほかにもカビやハウスダストなど、畳の周りには多くのアレルゲンが存在している。
殺虫剤や防虫剤はダニ対策として有効だが、最近のダニはそれらのアイテムへの耐性を持つといわれており、その効果が十分に発揮されないことも多い。ダニは湿度50%以下になると死滅しやすいとされるため、部屋の中をジメジメさせないような工夫も必要になる。畳自体にも調湿性はあるが、和室が北側にある、風通しが悪い等の場合は特に除湿器を活用して、定期的に部屋の湿度を調整するようにしよう。
和室で子育てをする際の注意点②:汚れ対策をする
フローリングの素材とは違い、畳の汚れは簡単には落とすことができない。液体は畳に染み込みやすいし、粉などは畳の間に入り込んで吸い取りにくくなるのだ。そのため、できる限り畳を汚さないように準備を整えて、対策することも重要である。
たとえば、オムツ交換をするときは別の部屋に移動したり、畳の上で飲食をさせないように対処したりするだけでも、畳を汚す機会を大幅に減らすことが可能だ。また、いたずらされた場合に汚してしまうようなものが和室にある場合は、あらかじめ別の部屋に移動させておこう。
和室で子育てをする際の注意点③:汚れた場合はすぐに掃除
対策を講じていたとしても、イレギュラーな出来事により畳を汚してしまうことがある。よくあるトラブルとしては、子どもが畳の上で吐いてしまい、汚れが染み込んでしまうというものだ。
免疫力も低く体調を崩しやすいので、子どもの嘔吐を完全に防ぐことはなかなか難しい。時間が経ってしまうとますます汚れが染みついてしまうので、できる限り素早く汚れを拭き取るようにしよう。
掃除のテクニックとしては、汚れた部分に少量の塩を撒き、歯ブラシを使って水気を含んだ塩をかき出すという方法が有効だ。出てきた塩を掃除機で吸い取った後、絞った雑巾を使って畳の汚れた部分を拭き取れば、畳に染みが残りにくいように掃除できる。
畳の部屋での子育てはメリットがいっぱい!和室のある物件を検討してみよう
安全性、吸音性、リラックス効果と、和室には多くの利点がある。子どもには、畳のよさを幼い頃から感じてほしいと感じた人は多かったのではないだろうか。
成長すれば勉強机やクローゼットなど、自然と洋室化が進んでしまい、畳でゴロゴロすることも少なくなるだろう。せめて長い人生の最初の数年間は、和室からスタートさせてもよいかもしれない。
文=元井朋子
2021年7月加筆=CHINTAI情報局編集部