【賃貸マンション・アパート】あなたの部屋はどうしてる? 表札を出すメリット、デメリット
一人暮らしの住まいに表札を出すメリット、デメリットとは?

進学や就職などで、新生活が始まるシーズン。初めて親元を離れて一人暮らしをするという方も多いのではないだろうか。
実家では当たり前のように出していた表札が、トラブルに繋がることも……。
実家では「表札を出すのは当然」という人が多いかと思うが、一人暮らしでは出さないケースが一般的になっている。そこにはどんなメリットとデメリットがあるのだろうか? 備え・防災アドバイザーの高荷智也さんに話を聞いてみた。
そもそも表札が普及した時期はいつごろ?
「表札が一般に利用されだしたのは、明治時代の郵便制度が開始したころ。本格的に普及し始めたのは、1923年の関東大震災がきっかけです。東京を中心に発生した大火災で、一面焼け野原となりました。復興の際に、住居や家族構成の変更を知らせる目的で表札を掲げる住居が増え、その後全国に広まったと言われています」(高荷さん)
現在の表札掲示率はどのくらい?
■表札の掲示割合調査
戸建て(持ち家) 掲示83% 非掲示17%
マンション(持ち家) 掲示74% 非掲示26%
マンション(賃貸) 掲示40% 非掲示60%
(株式会社アイシェア 2009年12月調査)
■マンションにおける表札の掲示割合調査
半数以上の住戸が掲示72% 掲示している住戸が半数以下28%
(マンションコミュニティ研究会 2012年7月調査)
表札の掲示・非掲示については、戸建てか集合住宅かではなく、持ち家か賃貸かがポイントのようだ。では、表札を出すメリット、デメリットについても整理しておこう。
【メリット】
・郵便や宅配便の誤配達が防げる
・知人、ご近所さんが訪ねてくる際の目印となる
・外観のこだわりポイントとして楽しめる
【デメリット】
・悪意を持つ第三者にも氏名が知られてしまう
・家族全員の名前を載せた表札の場合、性別やライフスタイルまで知られてしまう
・著名人の場合は家(部屋)が特定され、トラブルが生じる場合がある
表札を出すと、知人や宅配業者を装った犯罪が容易になる可能性がある。ストーカー被害に遭っている方は、特に注意が必要だろう。では、どのような対策をとればいいのだろうか?
「手書きのネームプレートは、筆跡から性別を知られる可能性があるので、パソコンなどで作成するのがオススメです。また、ひらがなやアルファベット表記にすると、より安全度が高まります。ご家族と同居されている世帯では、家族全員の名前を出すのはNG。提示するのであれば、名字のみがよいでしょう。ただし、郵便物のチェックなどで氏名を知られてしまうことを完全に防ぐことは難しいです」(高荷さん)
表札を出すメリット・デメリットを理解してから判断しよう!
氏名を調べる手間を生み出すことで、トラブルを抑止する一つの要素にはなるが、表札を出さないからといって、防犯対策が万全になるわけではない。メリット、デメリットを十分理解したうえで、表札を出すかどうかを検討しよう。
(中道薫/ノオト)