レンジフード・換気扇の掃除方法を解説!汚れに合わせた重曹の使い方も紹介

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レンジフード・換気扇掃除方法

換気扇やレンジフードは、ついつい掃除を忘れてしまいがちな箇所だ。「部品が多く取り外し方がわからない」「油汚れは落ちにくく掃除がめんどくさい」と後回しにしている方も多いのではないだろうか。

しかし、汚れを放っておくと換気機能が低下したり故障の原因になったりしてしまう。

そこで今回は東京ガスのハウスクリーニング・高原美樹さん監修のもと、換気扇・レンジフードの掃除方法を詳しく紹介する。ぜひこの記事を参考にして、換気扇やレンジフードを綺麗にしてほしい。

東京ガスのハウスクリーニング担当・高原美樹さん

入社以来、一貫して暮らしや住まいに関わる業務に携わる。2児の母。日々仕事に子育てにと忙しい方に寄り添うサービスを届けたいと、共働き家庭目線・母親目線を活かし東京ガスのハウスクリーニングの立ち上げに携わる。プロのノウハウを踏まえたご家庭でできるお掃除方法の発信も行っている。

そもそも換気扇やレンジフードの汚れの原因は?

キッチンの換気扇やレンジフードが汚れる原因は主に、油とホコリである。

料理をする際に飛び散った油は、換気扇やレンジフードに蓄積していく。放っておくとそこにホコリが混ざり、さらに熱、光、酸素が加わることで水飴状の油汚れに変化してしまう。水飴状になった油汚れは落ちにくく、掃除には強力な洗剤が必要になる。さらには、ヘラなどで削ぎ落とさなければいけないことも。

こうした換気扇やレンジフードの汚れを放置すると、換気能力が落ち、最悪故障してしまう可能性も。また悪臭の原因にもなる。
さらに、換気扇やレンジフードから油汚れが垂れてきてしまうと、コンロの火が燃え移る可能性があり大変危険だ。

安全のためにも、油とホコリを意識して定期的に掃除をし、換気扇・レンジフードを綺麗に保とう。

換気扇・レンジフード掃除の準備

換気扇・レンジフードの掃除を始める前に、必要なものを揃えよう。

〈準備するもの〉

  • ゴム手袋
  • マスク
  • 大きめのゴミ袋
  • スポンジ
  • アルカリ性洗剤、重曹
  • 歯ブラシ
  • 雑巾

〈あると便利なもの〉

  • 空のスプレーボトル(重曹水を作る用)
  • ラップ
  • 養生テープ

換気扇やレンジフードの汚れは主に油とホコリであるため、中和して落としやすくしてくれる「アルカリ性洗剤」や「重曹」を用意しよう。

また細かい部品や網目の掃除には、歯ブラシを使う。雑巾は水拭きにも乾拭きにも使うため、何枚か用意しておくと良い。洗剤については後ほどおすすめを詳しく紹介しているので、参考にしてほしい。

レンジフード・換気扇の掃除方法

準備物が揃ったら、実際に換気扇やレンジフードの掃除をしていこう。ここでは、レンジフードと換気扇の掃除方法を解説する。

※ここで紹介するのは一般的な機種の掃除方法です。分解方法などが異なる場合があるため、掃除の前には各ご家庭で使用している機種の説明書をご確認ください。

⒈ 電源を切り、フィルターを外す

まず、掃除を始める前に電源を切りプラグを抜いておく。掃除中に作動すると事故に繋がる危険性がある。

心配であれば、ブレーカーを落としておくとより安心して掃除できるだろう。特に大掃除の際には一旦ブレーカーを落とし、キッチン周りの掃除を一気に済ませてしまうのもおすすめだ。

ブレーカーを落とす
安全に作業するためにブレーカーを落とそう

続いて周辺の養生をする。
フィルターを外す前に換気扇の下に新聞紙を敷いておく。掃除中に、汚れが垂れたり部品を落としてコンロを傷つけたりしてしまう可能性があるためだ。

換気扇の下に新聞紙を敷く
換気扇の下に新聞紙を敷こう

汚れが飛んでしまうこともあるので、床や壁もビニールや新聞紙で守っておこう。養生テープを使って固定しておくと、ビニールや新聞紙がずれず快適に掃除ができる。

養生ができたら、フィルターを外していく。
掃除中は汚れやホコリが舞うため、マスクとゴム手袋を着用してからフィルターを外そう。取扱説明書で、正しい取り外し手順を確認すると良い。

レンジフードのフィルターを外す

レンジフードのタイプによっては、フィルターがネジで止まっている場合もある。ドライバーで外す際に、ネジを落としたり無くしたりしやすいため気をつけよう。小皿や小物入れなどにまとめておくと無くしにくくて良い。

カバーやフィルター付近にオイルパックがあるレンジフードは、先に取り外すと良い。オイルパックとは、フィルターやファンから流れ漏れた油が溜まっている場所だ。取り外す際は、中に溜まっている油がこぼれないように慎重に外そう。

⒉ ファンを外す

次に、換気扇やレンジフードのファン部分を外していく。

ファンには、「シロッコファン」と「プロペラファン」の2種類がある。

この2種類は取り外し方がそれぞれ異なるため、注意が必要だ。取り外し方の違いは、次の「【種類別】換気扇・レンジフードの外し方」の段落で説明する。取り外し方に迷った際は、次の項目を読んでほしい。

シロッコファンとプロペラファン
左がシロッコファン、右がプロペラファンタイプだ

ファンは油汚れですべりやすくなっているため、外す際は落とさないように気をつけよう。

また、ファンには小さな部品やネジが多いため紛失には注意が必要だ。お皿や小物入れなど、場所を決めて集めておくと良い。排水口ネットを使えば、紛失防止もできる上にそのまま洗えるので効率的だ。

ネジが油汚れで外れない時は、ドライヤーで温めるのもひとつの手だ。熱で固まっていた油が溶け、ネジがゆるむことがある。それでも外れない場合は、無理に外そうとせずに取扱説明書を確認しよう。

無理に外そうとして、ネジ穴が潰れてしまわないよう注意してほしい。

⒊ 外した部品をつけ置き洗い

次に、部品をつけ置き洗いしていく。

お湯を入れる前に、シンクが傷つかないように保護する。シンクにタオルを敷き、その上から二重にしたゴミ袋をシンクを覆うように被せよう。動かないように、養生テープを使って留めておくと良い。

シンクにタオルを敷き、ゴミ袋を被せたらテープで留める

準備ができたら、シンクに40〜50℃のお湯を溜め、取り外した部品をすべて入れる。

その後、シンクの水にアルカリ性洗剤を混ぜよう。油汚れは酸性のため、アルカリ性洗剤を使うと中和され落ちやすくなる。

スプレータイプであれば30回程度スプレーする。泡立つタイプだとより効果的だ。

ちなみに、洗剤は家にある「重曹」でも代用できる。重曹を使う場合は、40~50℃程度のぬるま湯100mlに対し小さじ1を目安にしよう。

重曹は食品などにも使われる自然素材で、水に溶かすと弱アルカリ性の性質を持つ。酸性の油汚れなどと中和し、分解するためスッキリと汚れが落とせるのだ。

このまま、1~2時間程度つけ置きする。

⒋ 油汚れを拭き取る

部品をつけ置き中に、換気扇やレンジフードの取り外せない部分の油汚れを拭き取っていこう。

取り外せない部分の掃除には、重曹水を使う。空のスプレーボトルに、水と重曹を入れてよく振り溶かす。重曹は、水100mlに対して小さじ1杯分を入れよう。

スポンジに重曹水をスプレーし、汚れている箇所をこすっていく。

こすっても取れない頑固な汚れは、スポンジにスプレーした重曹水をレンジフードに塗るように付け、上からラップをかけてつけ置き状態にしよう。

なかなか汚れが取れないからといって、スポンジで強くこすったり毛が硬いブラシなどで掃除したりすると、塗装が剥がれてしまう可能性がある。また、メラミンスポンジなどレンジフードを傷つけてしまうタイプのスポンジもあるので、注意しよう。

汚れが浮いてきたら、お湯で絞った温かい雑巾で拭く。水気が残っていると故障の原因になるため、必ず仕上げに乾拭きをしよう。

⒌ 部品の汚れを落とし、しっかり乾かす

つけ置きしていた部品の汚れを、スポンジで落とす。油汚れが中和され浮いた状態になっているため、軽くこすれば簡単に落とせるはずだ。

部品をスポンジでこする
傷つけないように軽くこすろう

細かい部品やフィルターの網目は、歯ブラシを使って掃除する。フィルターの網目は細かく、強くこすると壊れてしまう可能性があるため、必ず優しくこすろう。

汚れがとれたら洗剤を水でよく流し、水気を切って乾かす。生乾きだと故障の原因になるため、完全に乾くまで放置しよう。

レンジフードの部品を乾かしている
風通しの良い場所でよく乾かそう

部品が乾いたら、元の通りにセットする。これでレンジフードの掃除は完了だ。

【種類別】換気扇・レンジフードの外し方

前述の通り、ファンには「シロッコファン」と「プロペラファン」の2種類がある。どちらも役割としては同じだが、取り外し方が異なる。

シロッコファン

「シロッコファン」とは、レンジフードのフィルターの奥にある筒状の換気扇。吸い込んだ空気を、ダクトを通して屋外に排出する仕組みとなっている。外壁に面していなくても自由な場所に取り付けできるため、マンションなどの集合住宅に多い。

プロペラファン

「プロペラファン」とはその名の通り、プロペラ状の換気扇。吸い込んだ空気は、直接屋外へと排出されている。そのため、外壁に面した部分にしか取り付けられない。

一般的なプロペラファンにはレンジフードがついておらず、簡単に見分けられる。(※稀に、レンジフードがついているものも有り)

ここでは、それぞれの外し方を解説していこう。

※ここで紹介するのは一般的な機種の掃除方法です。分解方法などが異なる場合があるため、掃除の前には各ご家庭で使用している機種の説明書をご確認ください。

シロッコファンの外し方

シロッコファンはネジ式とワンタッチ式で取り外し方が異なる。シロッコファンのタイプを確認してから取り外すようにしよう。

STEP① 電源を切る

安全のため、シロッコファンを取り外す前に電源を切ろう。電源プラグがなければ、ブレーカーを落とすと良い。

STEP② カバーとフィルターを外す

レンジフードカバーやフィルターを外す。こちらは掃除方法の際に詳しく説明しているので、そちらを参考にしてほしい。

STEP③ ネジを外す(ワンタッチ式の場合は不要)

ファンの手前に付いている円盤のような部品からネジを外す。この蝶ネジは、大抵の場合反時計回りに回すと外れる。

この時、ネジを落として無くさないように慎重に外そう。外したネジは、お皿や小物入れなど決めた場所にまとめておくと良い。排水口ネットを使えば、無くしにくいうえにネットごと洗えておすすめだ。

STEP④ ファンを取り外す

最後に、中央の大きなネジを外す。大抵は、時計回りに回すと外れる。矢印が書いてある場合はその方向に回そう。
ワンタッチ式のシロッコファンは取り外しボタンを押しながら外そう。

落ちないように手で押さえながら、ゆっくりファンを外す。

プロペラファンの外し方

STEP① 電源を切る

安全のため、換気扇の電源を切り、コンセントがある場合は抜いておく。

STEP② 中心のキャップを回して外す

プロペラファンのキャップ部分

フィルターがある場合は外し、羽を押さえながら中央のキャップを回して緩ませ、手前に引いて取り外す。

外したファンやフィルターは油やホコリで汚れているため、新聞紙などをひいた場所に置いておくと床や壁が汚れなくて良い。

STEP③ パネルを外す

パネルを手前に引いて外し、パネル下の油だまりも外す。

換気扇・レンジフードの掃除のポイント

換気扇やレンジフードを掃除する際、掃除が楽になるポイントが2つある。それぞれ解説しよう。

掃除ポイント① つけ置き洗いをする

換気扇やレンジフードの部品を掃除する際は、つけ置き洗いがおすすめだ。

換気扇やレンジフードに付着した油汚れは、固まって取りにくくなっているものも多い。ヘラで削ぎ落とす方法もあるが、無理に取ろうとすると塗装が剥がれたり部品が壊れたりする可能性も。

洗剤を入れたお湯につけ置きしておくと汚れが緩くなり、スポンジなどで軽くこするだけで、簡単に落とせるようになる。

掃除ポイント② アルカリ性洗剤を使う

油汚れは酸性の汚れのため、アルカリ性洗剤を使って掃除すると中和して落ちやすくなる。具体的には、「重曹・セスキ炭酸ソーダ」などを使うと良い。

しかし、換気扇やレンジフードの材質によっては使えない洗剤もある。アルカリ性洗剤には、アルミを溶かしてしまう性質があるため注意が必要だ。使用する際は、必ず換気扇やレンジフードの取扱説明書をよく確かめよう。

おすすめの洗剤については、次で解説していこう。

おすすめの洗剤

ここからは、おすすめの洗剤を紹介する。それぞれの特徴も踏まえて、使用する洗剤を選ぼう。

・キッチンマジックリン

マジックリンはアルカリ性の洗剤。大抵の油汚れは綺麗に落とせるので、迷ったらこれを使えば間違いない。

・重曹

重曹は弱アルカリ性で、油汚れを中和させ落としてくれる。

水に溶かしたり粉末状のまま使ったり、ペーストにして張り付けたりと汚れ具合によって使い分けもできる。

・ウタマロクリーナー

ウタマロクリーナーは中性洗剤のため、換気扇・レンジフードだけでなく、家中の掃除で使える。主洗浄成分がアミノ酸系洗浄成分のため、手肌や環境にもやさしい。

・セスキ炭酸ソーダ

セスキ炭酸ソーダはアルカリ性の洗剤で、重曹よりも水に溶けやすくアルカリ度が高い。重曹のように、汚れの度合いに合わせて粉のまま使ったり、水に溶かしたりペースト状にしたりもできる。アルカリ度が強いため油汚れはよく落ちるが、アルミやゴム、大理石などの素材は変色するため使用を控えよう。

換気扇やレンジフードの材質によっては、使えない洗剤もある。洗剤を選ぶ前に、必ず換気扇やレンジフードの取扱説明書を読んで確認しよう。

掃除頻度について

換気扇やレンジフードの汚れを放置していると、性能の低下や故障に繋がってしまう。では、どのくらいの頻度で掃除すれば良いのか。

多くの大手メーカーが推奨する掃除頻度は、3ヶ月に1回。あまり料理をしない場合でも、少なくとも半年に1回は掃除しよう。拭き掃除などをこまめに行なうと汚れが頑固なものにならず、3ヶ月〜半年に1回の掃除が楽になる。

ちなみに、賃貸物件でも換気扇やレンジフードの管理は借主が行う。汚れを放置して故障してしまったら、修理費や取り替え費を負担しなければならない。故障を防ぐためにも、こまめな掃除が重要だ。

また、換気扇・レンジフードの掃除は「夏」がおすすめだ。なぜなら、固まった油汚れは熱で溶けるからだ。

年末の大掃除の際に掃除する人も多いかもしれない。しかし、寒い時期に掃除をしようとすると、油がより固まっておりなかなか落ちないこともある。気温の高い時期なら寒い時期と比べるとあまり力をかけずに油汚れを落とせるため、換気扇・レンジフードは夏の掃除がおすすめなのだ。

プロに頼むのも一つの手段

換気扇やレンジフードは自分で掃除することも可能だが、高所での作業や頑固な油汚れなど、危険性や難易度が高い。

長い間掃除をしておらず汚れを放置していた場合や自分で掃除するのが不安な場合は、ハウスクリーニングなど専門業者に依頼することも考えてみよう。プロの技なら、自分では取り切れない汚れも、素速く綺麗に落としてくれる。忙しくて掃除を放置しがちであれば、プロに頼むのも一つの手だ。

東京ガスのハウスクリーニングとは

専用の道具や洗剤を使い、プロの技術でおうちをまるごと徹底的にクリーニング。独自の技術研修とマナー研修を行い、合格したスタッフのみが訪問する。注文時に料金が確定するので、汚れに応じた追加料金などは発生しないので安心。申込みはwebにて。最短3日後から訪問が可能だ。レンジフード(お掃除機能なし)の場合、所要時間は1時間半程度で金額は17,600円。

https://youtu.be/HD_zpKZN6CU

換気扇・レンジフードはこまめな掃除を!

本記事では、換気扇やレンジフードの掃除方法やおすすめの洗剤などを解説した。

換気扇やレンジフードの掃除は忘れがちだが、汚れを放置しておくと換気能力が低下したり、故障したり、悪臭が発生したりしてしまう。

換気扇・レンジフードの汚れは主に油汚れのため、アルカリ性洗剤を使って掃除しよう。しかし、高所から部品を取り外す作業や強力な洗剤を使う可能性もあり、難易度が高い。久しく掃除をしていない場合は、専門業者に依頼することも視野に入れてはいかがだろうか。

また、日頃からこまめな拭き掃除も大切だ。定期的な掃除で油汚れがこびりつく前に落とし、換気扇やレンジフードを綺麗に保とう。


監修=東京ガスのハウスクリーニング
文・写真:kyonkoizumi

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