配信で観られるアカデミー賞2022ノミネート作は？『ドライブ・マイ・カー』など名作映画を一挙解説｜CHINTAI情報局

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第94回（2022）アカデミー賞ノミネート作：各配信サービスでレンタルor購入が可能な映画

ここからは見放題ではないが、各配信サービスでのレンタルができる作品2本を紹介。毎月付与されるポイントで観られるので、U-NEXTの利用をおすすめする。

配信で観られるアカデミー賞ノミネート作⑲：『ドライブ・マイ・カー』

ノミネート：作品賞、監督賞、国際長編映画賞、脚色賞

目の病気を患った演出家の男が、寡黙な女性ドライバーと出会うことから始まる物語だ。約3時間と上映時間は長いが、過去を引きずる主人公のドラマ、予想外の方向からのサスペンス、ちょっとしたユーモアなど、それぞれの要素が見事に絡み合っており、一定のエンターテインメント性もあるので、あっという間に感じるほど面白く観られるだろう。村上春樹の原作小説から大きな肉付けがされており、多言語でやり取りをする演劇祭の進行には「知らない世界」へと導かれたような興奮もある。岡田将生演じる青年の、緊張感に満ちた「語り」も鮮烈な印象を残すだろう。なお、アカデミー賞4部門ノミネートだけでなく、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でも、日本映画で初となる脚本賞のほか3部門にも輝いている。

『ドライブ・マイ・カー』（2021）の情報

監督：濱口竜介
出演：西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生、パク・ユリム　ほか
2時間59分

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配信で観られるアカデミー賞ノミネート作⑳：『DUNE/デューン砂の惑星』

ノミネート：作品賞、撮影賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、音響賞、視覚効果賞、編集賞、脚色賞、作曲賞

10部門にノミネートされている、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の対抗馬と言える作品だ。原作小説は『風の谷のナウシカ』や『スター・ウォーズ』にも影響を与えた古典であり、今回の映画でも謀略が渦巻く中で王子が命からがら逃亡しヒーローへと成長する王道の「貴種流離譚」が綴られている。ハンス・ジマーの胸にズンズンと響く荘厳な音楽、自分の存在価値に悩む主人公に見事にハマるティモシー・シャラメの美しさ、ゆったりしたテンポで描かれることに意味がある圧倒的な世界への没入感などが重要な作品なので、なるべく大きなスクリーン、迫力の音響で観られる環境でこそ堪能してほしい。なお、映画の冒頭で示されるように物語はまだ「第一章」。本作がヒットしたことによって、続編の制作も決定している。

『DUNE/デューン砂の惑星』（2020）の情報

監督：ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演：ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ゼンデイヤ　ほか
2時間35分

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配信で観られるアカデミー賞ノミネート作㉑：『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

ノミネート：歌曲賞、作曲賞、音響賞、視覚効果賞、メイクアップ＆ヘアスタイリング賞

言わずと知れたスパイ映画の最新作にして、ダニエル・クレイグ主演の最終作となる作品だ。謎めいたオープニングシークエンス、続くカーアクションの大見せ場、ビリー・アイリッシュの主題歌が流れるオープニングなどなど、序盤からスタイリッシュかつ迫力の映像に目が釘付けになるような興奮があった。ジェームズ・ボンドという主人公の「お約束」を裏切るようなところもあるためシリーズファンからは賛否両論もあるが、大作アクション映画としては万人が楽しめる内容だろう。初代ボンドを演じたショーン・コネリーの出演作『ザ・ロック』（1996）のオマージュのようなシーンもあるので、合わせて観てみるのもおすすめだ。

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』（2020）の情報

監督：キャリー・ジョージ・フクナガ
出演：ダニエル・クレイグ、レア・セドゥ、ラシャーナ・リンチ、ラミ・マレック　ほか
2時間43分

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配信で観られるアカデミー賞ノミネート作㉑：『ブータン山の教室』

ノミネート：国際長編映画賞

タイトルからお堅い映画と思うことなかれ、とても親しみやすい内容だ。主人公の教師は、ヒマラヤ山脈の標高4800メートルにある学校へと赴任を命じられ、そこにたどり着くまでも大きな苦労を強いられる。初めこそやる気のないダメダメな教師だった彼は、勉強をしたいと心から期待する子どもたちに感化され、人生の意義や居場所を見出していく。山村でのカルチャーギャップ込みでの暮らしの描写、とても演技をしているようには見えない自然体の子どもたちの可愛らしさ、美しい風景などは癒し効果が抜群だ。そして、ついつい「ここではないどこか」に別の人生の可能性を考えてしまう方にとっては、物語の結末から「本当に大切なことは何か」を再考するきっかけにもなるだろう。