配信で観られるアカデミー賞2022ノミネート作は?『ドライブ・マイ・カー』など名作映画を一挙解説
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第94回(2022)アカデミー賞ノミネート作:Amazonプライムビデオ配信の映画
Amazonプライムビデオからのアカデミー賞ノミネート作は2作。まだまだNetflixに比べるとオリジナル作品の数は少ないが、近年では大作アクション映画『トゥモロー・ウォー』(2021)や『ウィズアウト・リモース』(2021)などの大作アクション映画も配信されるようになってきているので見逃せない。
配信で観られるアカデミー賞ノミネート作⑯:『愛すべき夫妻の秘密』
ノミネート:主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞
1950年代にアメリカで実際に放送されていた大人気ドラマ『アイ・ラブ・ルーシー』の舞台裏を描いた作品だ。実生活でも夫婦だった彼らの馴れ初め、結婚生活とキャリアの板挟み、はたまたドラマの関係者との軋轢などが描かれていく。『ソーシャル・ネットワーク』(2010)の脚本で知られるアーロン・ソーキン監督・脚本作品らしく全編がほぼほぼ会話劇であり、楽しく観られるシットコムに対しても妥協を許さない。ピリピリした雰囲気でのニコール・キッドマン、ハビエル・バルデム、J・K・シモンズそれぞれのやり取りのひとつひとつがスリリングだ。女性への偏見や差別が今に増して強かった時代に、「テレビで妊娠というテーマを扱うことのタブー」へどう立ち向かったのかにも、注目してほしい。
『愛すべき夫妻の秘密』(2021)の情報
監督・脚本: アーロン・ソーキン
出演:ニコール・キッドマン、 ハビエル・バルデム、J・K・シモンズ ほか
2時間12分
配信で観られるアカデミー賞ノミネート作⑰:『星の王子 ニューヨークへ行く2』
ノミネート:メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『星の王子 ニューヨークへ行く』(1988)の、なんと33年ぶりとなる続編だ。基本的な内容は、国王が存在すら知らなかった息子と再会を果たしてからのドタバタ劇。煌びやかな王国とうだつの上がらない青年の暮らしのカルチャーギャップや、下ネタも込みの良い意味でくだらないギャグも満載、気軽に観られる大人向けのコメディとなっている。一方で、女性への差別的な風習がまかり通る、王国の悪しき伝統への真面目な批判が込められているのも現代的だ。物語は前作からつながっており、そちらを観ていないとわからない小ネタもあるので、同じくAmazonプライムで現在見放題の前作を先に観ておくことをおすすめする。
『星の王子 ニューヨークへ行く2』(2021)の情報
監督: クレイグ・ブリュワー
出演: エディ・マーフィ、 アーセニオ・ホール、ジャーメイン・ファウラー ほか
1時間49分
Amazonプライムビデオで『星の王子 ニューヨークへ行く2』を観る
第94回(2022)アカデミー賞ノミネート作:AppleTV+配信の映画
オリジナル作品を打ち出しているAppleTV+。前年第93回アカデミー賞において長編アニメ映画賞にノミネートされた『ウルフウォーカー』(2020)など、強力な作品が続々と配信されている。。今回のノミネートは1作だけだが、他のラインアップもぜひチェックしてほしい。
配信で観られるアカデミー賞ノミネート作⑱:『マクベス』
ノミネート:主演男優賞、撮影賞、美術賞
シェイクスピアの劇『マクベス』を、美しいモノクロームの映像で綴った作品だ。次々と罪を重ねてしまう将軍役のデンゼル・ワシントンと、彼に間違った提案をし続けてしまうその妻フランシス・マクドーマンド。それぞれがいかにも演劇チックかつ詩的なセリフで応酬しているはずなのに、そこにリアルな人間の姿があるように錯覚させられるほどの熱演をしている。坂道を転がり落ちるように「もう後戻りができない」犯罪を繰り返す様は、ジョエル・コーエン監督が(弟のイーサン・コーエンと)手がけた『ファーゴ』(1996)も連想させた。「ここまで血の川に浸り切ったら、先に進みたくなくとも渡りきるしかないのだ」など印象的なセリフも多く、大塚明夫や塩田朋子による吹き替え版も迫力があるのでおすすめだ。
『マクベス』(2021)の情報
監督: ジョエル・コーエン
出演:デンゼル・ワシントン、キャサリン・ハンター、フランシス・マクドーマンド、ハリー・メリング ほか
1時間45分
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