部屋の蜘蛛は駆除してもいいの?発生する理由や、駆除の方法について解説 ※画像なし

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蜘蛛が部屋にいる!駆除してもいいの?

部屋 蜘蛛
いつの間にか部屋に蜘蛛が発生……。そんなときは、どう対処するべき?

部屋でくつろいでいたり、キッチンで調理をしていたりするときに、突然蜘蛛が出るとびっくりしてしまう。蜘蛛の多くは、人間に直接害を与えるものではないが、いざ見つけてしまったら駆除したくなるかもしれない。とはいえ、小さくても生き物であり、大半の場合は毒を持っているわけでもないため、できる限り駆除せず逃がしてあげたいという人も多いだろう。

ここでは、部屋に蜘蛛が発生する理由や蜘蛛の種類、またどうしても駆除したいときの対処法を紹介・解説していこう。

※本記事では一般的に部屋に入り込む可能性の高い種類の蜘蛛を前提に記述しています。タランチュラなど特殊な蜘蛛が逃げ出した場合は想定していません

部屋に蜘蛛が出る原因とは

蜘蛛は、もともとは屋外の糸が張りやすい木や草のなかで生活をしていて、人間の家を狙って侵入してくるわけではない。その蜘蛛がなぜ部屋に入ってくるのだろうか。原因を知っていれば、事前に侵入を防げる。

蜘蛛を完全にシャットアウトすることはできないとしても、原因を知ることで対策が取れるのでしっかり学んでおこう。

蜘蛛が部屋に出る原因①:窓やドアの隙間から入り込む

蜘蛛に限らず、虫の侵入経路は基本的に窓やドアの隙間だ。窓やドアには小さい隙間があるため、蜘蛛などの虫であれば簡単に入ってきてしまう。窓を少しの間開けておいた場合や、玄関を出入りする際にも入ってきてしまう。

できる限り窓やドアの隙間を塞ぐ、玄関は開けっぱなしにしないなどの対策を行うことが重要だ。

蜘蛛が部屋に出る原因②:蜘蛛の餌である害虫が部屋にいる

蜘蛛は、常に糸を張って獲物を捕らえるイメージがあるかもしれないが、実は徘徊型といって動き回りながら餌を探すものもいる。徘徊型の蜘蛛は、餌となる虫を見つけると、捕らえるまでずっと追いかける。そのため、蜘蛛自身も気づかないうちに部屋に入り込んでしまうことがある。

特に家の周囲が畑だったり、鉢植えや植栽などをたくさん置いていたりすると、いろいろな種類の虫が生息し、部屋に侵入する確率も高くなる。

蜘蛛の餌となるのは、主にアリやハエ、ゴキブリなどの虫だ。こういった虫が侵入しないように家を清潔に保つことを心がけよう。

蜘蛛が部屋に出る原因③:段ボールに付着している

段ボールや発泡スチロールなどに蜘蛛の餌となる虫が付着し、そこに蜘蛛も付着して侵入してくることがある。頻繁にネットショッピングをする、食材宅配業者を頼んでいるという人などは要注意だ。

特に冬など寒い季節は段ボールに虫がつきやすいので、玄関先で虫がついていないかしっかり確認し、早めに資源ごみなどの回収に出してしまおう。

部屋に出る主な蜘蛛の種類

蜘蛛にはたくさんの種類があるが、特殊な例を除き、部屋に出る蜘蛛は限られている。ここでは日常生活で見かける可能性の高い蜘蛛を紹介する。中には危険な種の蜘蛛もいるので、注意してほしい。

部屋に出る主な蜘蛛の種類①:アダンソンハエトリ

もっともポピュラーな家蜘蛛のアダンソンハエトリ。名前のとおりハエが餌となるが、ゴキブリの子どもやダニも食べてくれる益虫である。もし気にならなければ駆除しないほうがいいだろう。

部屋に出る主な蜘蛛の種類②:アシダカグモ

全長が100mmから130mmもあるアシダカグモは、その大きさに驚くかもしれないが、臆病な性格で害もない。活動時期は1年中で、ゴキブリを主食にしているため、アシダカグモが2匹いれば家中のゴキブリが全滅するともいわれている。

部屋に出る主な蜘蛛の種類③:イエユウレイグモ

ひょろひょろと長細い体が特徴のイエユウレイグモは、特に害はないものの、虫を捕獲するために蜘蛛の巣を張るので逃がしたほうがよいかもしれない。餌は小バエやダニ。

部屋に出る主な蜘蛛の種類④:チャスジハエトリ

アダンソンハエトリよりも少し大きいチャスジハエトリは、糸を出しながら徘徊するのが特徴。糸は出すが移動用なので巣を張ることはほぼなく、主食となる小バエやダニなどを食べてくれる益虫だ。

部屋に出る主な蜘蛛の種類⑤ヒラタグモ

薄く平べったい体が特徴のヒラタグモは、壁に白い膜状の巣を作る性質があり、1度巣を作ればそこから動くことはほとんどない。ハエなどの昆虫が主食である。壁にくっついたままなので、ヒラタグモを発見することはあまりなく、蜘蛛の巣を見つけたときに存在に気がつくのが一般的だ。

部屋に出る主な蜘蛛の種類⑥:危険なセアカゴケグモ

家に出る蜘蛛の多くは無害だが、セアカゴケグモの場合、注意が必要だ。非常に危険な毒をもっているので、万が一見かけても決して素手で触らないようにしよう。全体が黒色で、腹部(背面、腹面)に赤い斑紋があるのが特徴。そもそもセアカゴケグモは特定外来生物に指定されている。見つけた場合は自分の安全を確保した上で、自治体の衛生課などに対応を相談しよう。

小バエやダニなど家に出やすい虫を主食にしているので、特に活動が活発になる6月から10月は侵入しないように注意してほしい。ペットも噛まれることがあるため、この時期は家を清潔にしてダニや小バエを発生させないことも重要だ。

部屋にいる蜘蛛を外に逃がす方法

部屋 蜘蛛
部屋に蜘蛛が発生してしまったときの逃がし方と、駆除方法を確認しよう!

蜘蛛の主食は、ハエやダニ、ゴキブリなど人間にとって害となる虫だ。本来であれば蜘蛛がいたほうが部屋の害虫が減るといえる。とはいえ、見つけてしまったら気分のいいものではない。

まずは部屋で蜘蛛を見つけた場合、駆除せずに逃がす方法を紹介しよう。

蜘蛛を逃がす際の注意点

部屋から蜘蛛を逃がす場合、前提として蜘蛛を素手で触る・捕まえようとするのは避けよう。餌を捕まえるためとはいえ毒を持っている種類もあるし、危険な蜘蛛を誤って触ってしまっては大変だ。軍手などの着用が必要な場合もある。

部屋にいる蜘蛛の逃がし方

害のない蜘蛛を逃がしたいのであれば、卓上用の小さいホウキとちりとりを用意しておくといいだろう。蜘蛛を見つけたら、ホウキを使ってちりとりに追い込み、そのまま外に逃がしてあげるのがベストだ。

逃がし方といっても難しいことはなく、蜘蛛の近くにちりとりを置いたら、ホウキで進行方向を静かに調節しながらちりとりに追い込むだけだ。ホウキとちりとりがない場合は、新聞紙や薄い冊子などを使ってもいい。

このとき、慌てて乱暴に追い込もうとすると、蜘蛛も焦って早足で動き回ってしまうことがある。できるだけ落ち着いて逃がしてあげるのがポイントだ。

部屋にいる蜘蛛の駆除方法

どうしてもうまく捕まえられず逃がせないので駆除したい、という場合は、掃除機で吸うか殺虫剤を使うという2つの方法がある。では、それぞれの駆除方法を詳しく説明していこう。

部屋にいる蜘蛛の駆除方法①:掃除機を使った蜘蛛の駆除方法

掃除機で吸えば、小さい蜘蛛であれば吸引の衝撃や掃除機の熱によって死んでしまうため、とても簡単に駆除できる。大きい蜘蛛の場合は、掃除機のヘッドを外して管で直接吸引しよう。

大きい蜘蛛は吸引するだけで死ぬことはないため、放っておくと掃除機の内部で生きたままになる。吸い込んだらすぐに紙パックを外して、吸引口をテープで塞ぎ捨てよう。

部屋にいる蜘蛛の駆除方法②:殺虫剤を使った蜘蛛の駆除方法

殺虫剤は、ホームセンターなどに行けば蜘蛛専用のものを売っているので購入しておこう。駆除するときは、蜘蛛の可動範囲をできるだけ限定できるように、隅っこに追いやったり周りを段ボールなどで囲んだりするといい。

殺虫剤であっても、吹きかけてすぐに死ぬというわけではなく、逃げ回ってしまうことがある。ある程度の時間は吹きかけ続ける必要があるので、集中して吹きつけられるようにしておこう。

もし蜘蛛に噛まれてしまったら

もし蜘蛛に噛まれてしまったら、安全性を自分で判断せず、なるべく早く医療機関の判断を仰ごう。
毒のあるものと毒の少ないものを即座に判断するのは容易ではない。もし噛まれたときに退治した場合、捨てずに持参するとより正確に診断してもらえるだろう。

都道府県・市区町村によっては、「#7119」という相談ダイヤルを設置している。救急車を呼ぶべきか、医療機関を受診すべきか迷ったときは相談してみよう。

総務省消防庁:「#7119」実施自治体について

蜘蛛が入り込まない部屋作りを目指そう

蜘蛛は、好きで部屋のなかに入ってくるのではなく、あくまでも生きるために餌を求めて入り込んでしまうだけだ。つまり、蜘蛛が入り込まないようにこまめに掃除をしたり、窓や扉の隙間を埋めたりすることで、蜘蛛の侵入を防ぐことが可能になる。

蜘蛛が入り込まなければ駆除する必要もなくなり、見つけてパニックになることもなくなるので、ぜひ部屋を綺麗に掃除する習慣をつけて快適に過ごしてほしい。

※蜘蛛に関する情報参照元:千葉市ホームページ「クモの生態と防除方法」

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