賃貸でカビが発生したときの費用は誰が負担する?カビ対策で退去費用を抑えよう

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カビや湿気が気になったら大家さんや管理会社に相談しよう

カビ 対策
早めにカビ対策をしよう

カビの発生しやすい環境は、20~35℃の温度と80%程度の湿度といわれている。そのため、日本の夏はカビが生えやすい環境が整っていることとなり、いつの間にかカビが大量発生していたなんて事態にもなりかねない。

賃貸物件の場合、カビの発生は退去時の原状回復の対象となるケースも多い。普段から換気や掃除をしていてもカビや湿気が気になったならば、早い段階で大家さんや管理会社に相談しよう。状況によって異なるが、退去費用を抑えられる可能性があるからだ。

賃貸のカビの損害は誰が負担する?

賃貸物件のカビについて、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、「結露を放置したことにより拡大したカビは通常の使用による損耗を超えると判断されることが多い」とされている。

つまり、一般的なカビ対策を行わなければ、入居者側の負担になる。ただし、カビの損害すべてにおいて入居者が負担しなければいけないというものでなく、カビ発生の原因によってそれぞれ異なる。どのようなケースで入居者の負担になるのか、それぞれ具体的に見ていこう。

大家さん側が負担する場合

建物の 構造上の問題が原因でカビが発生した場合は、大家さん側が負担することになる。たとえば断熱性の低い窓を採用している物件は、内外の気温差で結露が生じやすく、カビが発生しやすいといわれている。

また、コンクリート打ちっぱなしの物件も吸収性に欠けているため、カビが生えてしまうことが多い。このように、構造上の問題がある場合は、貸主側が修繕費用を負担することになる。

入居者側が負担する場合

入居者の行動がカビの発生を助長させている場合は、入居者側の負担になる。たとえば、結露の放置、換気や清掃が不十分といった場合などが挙げられる。このような場合は退去時の原状回復の対象となり、修繕費用を負担することになってしまう可能性が高い。

カビの発生を防ぐためには、入居者側の日ごろの管理が必要不可欠だ。退去時まで大量のカビを放置しているとその分必要な費用も多くなってしまうため、常日頃から定期的に窓を開けるなどして換気に気をつけよう。また清掃をこまめに行うなど、カビが発生しづらい環境を作ることが大切だ。

アパートやマンションでカビが発生しやすい場所

ここからは、アパートやマンションなどの賃貸物件でカビが発生しやすい場所を紹介していく。

お風呂場・洗面所

お風呂場や洗面所は湿度が高くなる場所なので、ほかの場所よりもカビが発生しやすい。また、お風呂場の天井は特にカビが繁殖しやすく、さらに繁殖したカビの胞子も拡散されてしまう。天井や排水溝、鏡や蛇口、ゴムパッキンなど定期的に掃除をするようにしよう。

また、場所によっては経年による頑固な水垢などが残っている場合も少なくはない。ひどい場合は入居時に写真を撮っておき、大家さんや不動産会社に相談しておいたほうがよいだろう。

シューズボックスやクローゼットなどの扉付き収納

シューズボックスやクローゼットなども湿気が溜まりやすく、そのためカビの発生しやすい場所だといわれている。除湿剤を置く、定期的に扉を開けて換気するなどの対策をしなければ、短期間でカビが繁殖してしまう。

また、雨で濡れた靴や服などもそのまま入れず、しっかり乾いてから中に入れるようにしたほうがよいだろう。

キッチン・冷蔵庫

普段から使用しているキッチンもカビが生えやすい場所だ。排水溝やシンクなど、カビが発生しやすい場所はしっかりと掃除をするようにしよう。

また、冷蔵庫の裏側は湿気の逃し口があるため、そこに面した壁はどうしてもカビが生えやすくなる。なかなか動かす機会もないため、カビの発生が気づきにくい場所でもある。冷蔵庫を置くときは壁に近づけすぎず、少し離して空気の通り道を作っておくとよいだろう。

窓枠

窓枠は、結露が増える冬や湿度の高い梅雨の時期にカビが発生しやすい場所である。窓枠に触れたカーテンなどにもカビが移って被害が拡大することも多いため、気づいたらすぐに取るようにしよう。

家具と密着した壁

久しぶりに家具を動かしてみたら、家具の背面と壁に黒カビが発生してびっくりしたという経験がある人も多いのではないだろうか。家具と密着した壁も、カビが発生しやすい場所のひとつだといわれている。

結露や換気不足によって発生するため、壁と家具は密着させないことが大切だ。積極的に換気を行って、こまめに湿気を取り除くようにしよう。

エアコン

エアコン内部も黒カビが発生しやすい。エアコンにカビが繁殖してしまうと、カビの胞子が送風口から出されて部屋中に広がってしまい、アレルギー性鼻炎や呼吸器系疾患などの病気にかかってしまうこともある。

慣れていない方であればエアコン内部をきちんと掃除することは難しいため、定期的に専門業者に依頼したほうがよいだろう。

賃貸でもできるカビ対策

カビ 対策
カビが発生しにくい環境にすることが大切

賃貸物件でもさまざまなカビ対策が可能だ。カビは基本的に20~35℃の温度(25~28℃が最も生育に適している)と80%程度の湿度(60%以上で活動開始・80%以上で繁殖)、そして栄養分(ホコリや汚れ、ダニなど)がある環境で繁殖するといわれている。

これらの条件を満たすと一気に繁殖してしまうので、カビを発生させないためにはこれら3つの条件をできる限り取り除いていく必要がある。ここからは、具体的な方法を詳しく紹介していく。

定期的な換気

カビ対策の中で、比較的簡単に行えるのが換気である。カビは湿度が60%未満になるとほとんど活動できない。湿度を下げるために効果的なものが、窓を開けて換気を行うことだ。

天気のよい日は積極的に窓を開け、こまめに換気をするとよいだろう。また窓がない場所や風の通りが悪い場所などは、窓を開けての換気が難しい。換気扇やサーキュレーター、扇風機などを上手に使って換気を行うようにしよう。

消毒用エタノールを使い拭き掃除

カビにとっての栄養源であるホコリやゴミ、汚れなどをなくすためには、こまめな掃除をすることが大切だ。ホコリを落としたり掃除機をかけたりすることはもちろん大事だが、それだけではこびりついた汚れをしっかりと落とすことは難しい。

掃除機をかけた後は、消毒用エタノールを使用した拭き掃除を行おう。アルコールが触れるとカビの胞子は死滅するため、カビ抑制に効果的だ。

まずは表面のカビをふき取り、次に消毒用エタノールを吹きかける。その後、エタノールが乾いてからカビの黒い汚れを取るために漂白剤をかける。カビが発生しやすい場所には、最後の仕上げにひと吹きするとよいだろう。

ただし、消毒用エタノールは使用できない場所もあるので注意が必要だ。また皮膚の水分を奪ってしまうため、肌が弱い人や頻繁に使用する人は手袋をつけるなどの対策が必要になる。

除湿剤や防カビ剤の設置

クローゼットやシューズボックスなど狭い空間のカビ対策には、除湿剤や防カビ剤が有効だ。吊り下げタイプや置き型タイプ、シートタイプなどさまざまな商品が売っているので、使用する場所に合わせて選ぶようにしよう。

また、除湿剤や防カビ剤の効果を十分に発揮できるよう、すのこを置く、ゆとりのある空間を作るなどの工夫もするとよいだろう。

カビ対策をして退去費用を抑えよう

カビが発生してしまうと、退去時に修繕費用を負担しなければならない可能性が高い。退去時の費用を抑えるためにも、日ごろからカビ対策を行う必要がある。

また、湿気やカビがひどい場合は早めに大家さんや不動産会社に相談することも大切だ。こまめな換気や掃除、除湿剤や防カビ剤などの対策を行い、カビの繁殖を抑えるようにしよう。

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