「坪数」とは何なの?計算方法や平米、畳との違いを解説

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多くの人が聞いたことがある「坪数」、正確な意味を知ってる?

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部屋の広さを表す「坪数」の計算方法とは?

賃貸物件探しをしていると、広さの単位「坪数」を見かけることがあるだろう。この「坪数」が単位だということはわかっていても、詳しいことは不動産や建築関係者でないと知らない場合が多い。

「坪数」とはいったい何なのか、賃貸物件検索サイトや間取り図などで見かける単位「平米」や「畳」との違いはどんなものなのだろう。今回は単位ごとの計算方法と合わせて詳しく解説していく。

そもそも「坪数」とは?

賃貸物件を探す際に、部屋の広さは重要な条件になる。その部屋の広さを表す単位の中に、「坪」というもの目にしたことがという人は多いだろう。

賃貸物件では使用される場面は少ないが、不動産売買において広さの面積を表記する際「坪」という単位を慣習的に使うことが多い。

「坪」の意味は?

「坪」という単位は、土地の面積を表す単位の1つである。

この「坪」という単位は、田んぼの広さから由来しており、「1坪」は人間1人が1日で食べる量の米を収穫することができる広さのこと意味している。

「坪」という単位が使い始められたのは、奈良時代といわれている。当時の法律である養老令の中には、土地区画や年貢などが定められていた。その土地区画に関する条里制で、「長さ30歩、幅12歩の広さを1段とする」という記載がある。この「1段」は360歩を意味し、1歩×1歩は約1.8m×約1.8 mとなる。

つまり「1歩」は現在の「1坪」とほぼ同じ面積であり、時代が流れるにつれ「歩」という単位が「坪」に変化してきたことが推測できる。

日本由来の単位である「坪」

「坪」をはじめ、建築業界や不動産業界では、日常では使用しない単位で大きさや長さを表現していることが多い。「一寸」や「一尺」といった単位は「尺貫法(しゃっかんほう)」と呼ばれており、日本古来の度量衡のものである。古くから家づくりにおいて、単位の基礎として用いられている。

古くから伝わっている「尺貫法」とは、メートル法が導入される以前に使用されていたルールである。長さや距離を表すものでは「里」「町」「間」「丈」「尺」「寸」、面積や地積を表すものでは「反」「畝」「坪」などがある。また、体積を表すものでは「石」「斗」「升」「合」「勺」、重さを表すものでは「貫」「斤」「両」「匁」などがあり、すべて覚えているという人はかなり少ないだろう。

「坪」は不動産の土地や建物の面積を表記するときに使われることが多く、建築面積のことを「建坪」ともいう。また、長さの単位である「間」や「尺」が用いられる場合もある。
不動産以外でも、未だに尺貫法が使用されている場面は多く見かける。たとえば、日本酒の「升」や「合」、釘の長さなどの「寸」、油などの液体が入った「一斗缶」などは、尺貫法の単位である。

尺貫法の表示が商取引で使用禁止になった際、「一町」はメートル法では「1ha(ヘクタール)」「一反」は「1a(アール)」と呼ばれるようになった。面積がほぼ同じサイズだったので、スムーズに移行することができたのだが、「坪」はメートル法で変換すると中途半端な数字になってしまう。代替えになる単位もないので、「坪」という単位が残ったまま現在まで使用され続けている。

現在では不動産の広告や登記では使えない

一般の商取引において、坪をはじめとする日本古来の単位である尺貫法による表示は、昭和34年から使用が禁止されており、土地建物については昭和41年に廃止されている。

現在では、尺貫法の表示を「取引または証明」に使用すると罰金が科せられる。しかし、一部の業界などでは未だに尺貫法が慣例的に使われている。

「坪数」と「平米」「畳」の違いは?

ここからは、「坪数」と「平米」「畳」の違いを解説していく。

「坪」は古くから伝わる面積を表す際に使う単位である。「平米」は正式な書類で使用される広さの単位、「畳」は広さを体感できる単位だ。ここからは、これらのサイズなどの違いを詳しく見ていこう。

「坪数」と「平米」「畳」の広さの違い

賃貸物件では物件の面積を表示する際「平米」がという単位が使用されるが、不動産業界においては「坪」や「畳」という単位を用いる場合がある。

賃貸の場合、土地の面積を表す「坪」は、使用されることはさほど多くはない。一方、間取り図において「畳」は、居室の広さを表す場合に用いられているため、目にすることも多いのではないだろうか。この3つはすべて広さの単位となるが、それぞれサイズが細かく違ってくる。

1平米に対し、坪と畳の広さの違いを表で確認してみよう。

平米畳(江戸間)
10.30.64
51.513.22
103.026.44
154.539.66
206.0412.84
257.5516.1
309.0619.32
3510.5722.54
4012.0825.76
4513.5928.98
5015.1532.35

「平米」は正式に使用される単位

「㎡」と表される平米。正式には平方メートルのことであり、一辺の長さが1mの正方形の面積を指す。正式な書類に使用される単位であり、賃貸物件検索サイトなどでもよく見かける表記なので、身近に感じる人も多いだろう。

国際的に使われている面積の単位だが、日本では昔よりメートルを「米」と表記していたので「平米」と表されている。

「畳」は地域によってサイズが変わる

最近は洋室の賃貸物件が増えて、実際に畳が敷き詰められている部屋は少なくなってきているが、部屋の広さを表す単位として「畳」が使われている。ただし一概に「畳」といっても地域によりサイズが微妙に異なる。

以下の通り、わずかにサイズが違っている。

京間主に関西地方191cm×95.5cm
中京間中京地方や東北、北陸地方182cm×91cm
江戸間主に関東地方176cm×88cm
団地間マンションやアパートなどの集合住宅170cm×85cm

ただし面積表記で使用する場合、一畳は「約1.65平米」で計算するように不動産公正取引協議会で決められている。

また、賃貸物件の間取り図でよく見かける「畳」という単位のほかに、「帖」という単位の表記がある。和室では敷き詰められた畳の数をそのままの「畳」を単位として使用し、洋室では同じサイズでも「帖」という漢字が用いられる場合が多い。

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「畳」は地域によって広さが変わるので注意が必要だ

「坪数」の計算方法とは?

坪数はわかっているが、はっきりとした広さを把握することができないときには、どうすればよいだろうか。その場合には不動産業界などでよく使用している「他の面積単位に換算」という計算をすることで、簡単に表すことができる。

坪数を平米に換算する

坪数を平米に換算するには、坪数を0.3025で割る。1坪の大きさは「1坪÷0.3025=3.31㎡」と算出される。ちなみに1平米は、「1㎡×0.3025=0.3坪」となるのだ。

1坪は約2畳

前述の通り、畳には江戸間をはじめ京間や団地間などたくさんの種類とサイズがある。しかし面積表記に使う場合には、中京間のサイズである「1畳=約1.65平米」で計算する。
この「約1.65平米」という値を2倍にすると「2畳=約1.65平米×2=約3.3平米=1坪」となる。つまり「1坪」は約「2畳」という計算になるのだ。

「坪数」や「平米」「畳」の違いを理解して部屋探しに役立てよう

「坪」をはじめ、日本古来の単位には、昔の生活の様子が垣間見えるので、広さや長さのイメージをつかみやすいだろう。「坪」が意味する広さは、部屋選びのうえで重要な条件だ。部屋探しの際「坪数」を詳しく知っておけば、「畳」や「平米」の単位へ計算も簡単で、部屋の広さをイメージすることが可能だ。

文=CHINTAI編集部

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