コンテナハウスで一人暮らしできる?基礎知識やデメリット、探し方を紹介
変わった家に住みたい!コンテナハウスで一人暮らし
一般的なアパートは、建築費用を抑えるためにデザインや間取り、使用する建築材料などはすべて規格に沿って作られるので、どうしても画一的で個性も何もない。
しかし、コンテナハウスの賃貸物件は大家の意向や借主のニーズを手軽に反映できることからおしゃれな物件が多い。また、ぱっと見は無骨な鋼材ながら、その無機質さがシンプルかつクールな印象を与えるのもひとつの魅力だ。
最近は外装にもスタイリッシュなカラーを取り入れている物件も多く、他にはない唯一無二の個性を感じさせてくれるところがコンテナハウスの人気の理由となっている。
そこで今回は、コンテナハウスについて、そしてメリットやデメリットを紹介していこう。
この記事でわかること
日本のコンテナハウスはオリジナルで作った建築用コンテナや、輸送コンテナを改造して建築基準法に適合したもの
コンテナハウスのメリットは、「デザイン性が高い」「剛性が高くて快適」「自然災害に強い」など
デメリットは「天井が低い」「物件数が少ない」こと!専門に扱う業者や店舗に聞いてみよう
このページの目次
そもそもコンテナハウスとは?
そもそも、コンテナハウスはハウス仕様にしたコンテナだが、日本では海洋輸送コンテナを使っているわけではない。
海外では輸送コンテナを利用することもあるが、海洋輸送コンテナの構造材は日本の建築基準となるJIS鋼材ではなく、またJIS認定工場での溶接がされていないため利用できないのだ。
また、ドアや窓などの開口部を設けると、輸送コンテナでは強度が低下してしまうため、日本のコンテナハウスはオリジナルで作った建築用コンテナや、輸送コンテナを改造して建築基準法に適合したものが使われている。
コンテナハウスには2種類ある
コンテナハウスには種類があり、20フィートサイズと40フィートサイズに分かれている。
これらの種類の違いを以下の表でチェックしてみよう。
【コンテナハウスの種類】
長さ | 幅 | 高さ | 面積 | 坪 | 畳 | |
---|---|---|---|---|---|---|
20フィートコンテナ | 6.058m | 2.348m | 2.591m | 14.2㎡ | 4.29坪 | 7.7畳 |
40フィートコンテナ | 12.192m | 2.348m | 2.591m | 29.7㎡ | 8.9坪 | 16.2畳 |
長さ | 幅 | 高さ | 面積 | 坪 | 畳 | |
---|---|---|---|---|---|---|
20フィートコンテナ | 6.058m | 2.348m | 2.591m | 14.2㎡ | 4.29坪 | 7.7畳 |
40フィートコンテナ | 12.192m | 2.348m | 2.591m | 29.7㎡ | 8.9坪 | 16.2畳 |
幅と高さには違いがないが、40フィートコンテナは長さが2倍になるため、面積や坪数、畳数も約2倍の広さがある。
また、面積を見るとわかるように、国が公表している移住面積水準よりやや狭くなるものの、20フィートであれば狭小物件程度のサイズを満たしており、40フィートであれば余裕のある一人暮らしができるサイズとなっている。
コンテナハウス内の広さ
コンテナハウスの基本サイズは2つあり、20フィート(7.7畳)、40フィート(16.2畳)だ。実際に住むとなれば、それらのサイズ感が気になるところだろう。
20フィートは、一般的なアパートのワンルームと同等の大きさだ。ワンボックスカーを入れても、まだゆとりがある。コンパクトだが、水回りが整っていれば一人暮らしの住居として使えるサイズだろう。
40フィートは16.2畳で、ワンルームの3倍ほどの大きさだ。縦に6畳ほどの部屋が3つ並んでいるようなイメージである。ゆったりとした広さなので、一人暮らしには十分なスペースといえるだろう。大きな家具も余裕をもって置ける。
コンテナハウスの家賃って高いの? 安いの?
コンテナハウスの物件情報はなかなか見かけないため、家賃が高いのか安いのか分からないという方も多いようだ。
一般的なアパートとは構造が異なるため、相場も当てはまらないことから、家賃の目安も分かりにくいかもしれない。
ここでは、そんなコンテナハウスの家賃事情について説明していこう。
コンテナハウスを建てる初期コストが安い
一般的な鉄骨アパートは、坪単価が100万円の場合、80坪の土地であれば建築費用は8,000万円となる。
しかし、コンテナハウスは本体料金と輸送費、設置費用で算出するため、20フィートを例にすると本体料金が300万円×10部屋、郵送費用と設置費用、その他雑費で3,000万円と仮定した場合で6,000万円となる。
つまり、普通にアパートを建てるよりも2,000万円も安くなることから、家賃もその分安くなると考えられるのだ。
また、内装工事をしたとしても工期も大幅に短縮できるため、早く賃貸が始められるということも安くなる理由といえるだろう。
コンテナハウスの物件数は少ないが家賃は比較的安め
実際の家賃に関してだが、コンテナハウスの物件数はかなり少ないため、いくらという金額を出すのは難しい。
しかし、前述したように初期コストが安く、賃貸業も早く始められると考えれば、築浅であっても一般のアパートの家賃よりは比較的安めになるだろう。
もうひとつ、安くなるといえる理由に、立地ということも挙げられる。コンテナハウスを設置するには大きな重機が必要となるため、重機が入れる道路幅が必要なのだ。
つまり、重機が稼働できるのは家賃が低めな地方や郊外であることを考慮すると、コンテナハウスは家賃が高くないといえるのだ。
コンテナハウスの賃貸物件のメリット
ここでは、どういったメリットがあるのかを紹介していくので、検討材料にしてもらいたい。
デザイン性の高さ
コンテナハウスはアパートとは外見がまったく違い、デザイン性がとても高い。ハードな外観と温かみのある居住空間のギャップは非日常性を感じさせてくれるので、メリットにもなり得るだろう。
剛性が高く快適な生活が可能に
見た目的に夏は暑く冬は寒そうなイメージがあるかもしれないが、断熱工事がきちんとされていれば普通の住宅と同じように生活できる。
また、密閉度や剛性が高いため周辺の音も聞こえづらく、防音性にも優れているため、快適な生活ができるのもメリットとなるだろう。
自然災害に強い
コンテナは10トンもの強度を誇るため、地震や土砂災害など自然災害の影響がほとんどなく、倒壊する心配もない。
住宅強度の耐久性は50年以上ともいわれるコンテナハウスは、災害大国の日本において安心して住めるというメリットも提供してくれるのだ。
隣接した物件がない
アパートは部屋が隣接しているが、コンテナハウスはコンパクトな一軒家のようなものだ。
一人暮らし用の賃貸物件は、その多くが密集しているが、コンテナハウスは隣接していないので、本当に個人的な空間が確保できるのもメリットになる。
コンテナハウスのデメリット
コンテナハウスにはメリットが多いものの、デメリットもある。では、どういったデメリットがあるのか見ていこう。
通常の物件とくらべ天井が低い
コンテナの高さを見ればわかるが、通常のアパート物件とくらべるとかなり天井が低い。天井の低さに対する感覚は人によって違うが、一般的に天井が低いと空間も狭く感じられるし、圧迫感もあるためデメリットといえるだろう。
物件数が少ない
残念ながら、コンテナハウスは物件数がまだまだ少ないのがデメリットで、探してもなかなか見つからない。しかし、従来のアパートにはない物件のフットワークの軽さは大家にとってメリットとなるため、今後は増えていく可能性もある。
他の手段として、コンテナハウスを専門に扱う業者や店舗に聞いてみるという方法もある。資料を請求するだけでも、理想の生活のイメージが湧きやすくなるはず。まずは気になる物件を探してみよう。
コンテナハウスの見つけ方
アレンジ次第でおしゃれな暮らし方が実現できるコンテナハウス。オリジナリティの高い物件だが、日本ではまだまだ数が少ない。コンテナハウスを探すには、ネットで検索したり、不動産会社に問い合わせたりしてみよう。
おすすめコンテナハウス3選
実際にあるコンテナハウスを見ていこう。一般的なアパートの部屋とは違い、開放感があって、自然の温かみを感じられるコンテナハウスがそろっている。簡易的なイメージをもっている方は、高いデザイン性と、実用性にきっと驚くはずだ。コンテナハウスの可能性を感じられるだろう。
外観や素材もさまざまなので、どんなコンテナハウスなら、理想の生活が叶えられるのか想像してみよう。自分の希望の暮らしに近づくために、ぜひ参考にしてもらいたい。今回は、厳選したおすすめのコンテナハウスを3つご紹介する。
無印良品
「無印良品の小屋」はスタイリッシュでおしゃれなコンテナハウスだ。水周りの設備は付いていないので、住むというよりも、一休みできる空間というイメージ。ひとりの時間を楽しむための場所としても最適だ。
2拠点生活の住居として活用したり、自分だけのお気に入りの部屋を作ったり、使い方は自由自在。普段は都会で生活し、週末は田舎のコンテナハウスでのんびり過ごして、自然の中で癒やされる。そんな豊かな暮らしも、コンテナハウスなら手軽に実現できるのだ。自宅以外にもうひとつ、自分だけのスペースが欲しいという方にはぴったりだろう。無印良品らしい、シンプルなのに温もりのあるコンテナハウスなら心も落ち着くはず。
YADOKARI INSPIRATION 20
トイレ・キッチン・シャワーブースまで付いた、「YADOKARI INSPIRATION 20」のコンテナハウスは、デザイン性と機能性のどちらも兼ね備えている。プランは3種類で、すべて床面積は同じだが、コンテナハウスの設備や素材が少しずつ異なる。
1番スタンダードな「20(ミニマル)」は、すっきりとしたデザインだ。床・壁・天井にラーチ合板が使われている。2つ目の「20+(ミニマルスタンダード)」には、収納棚が備わっているため、荷物の多い方でも安心だ。床にはフローリング貼とタイル貼、壁と天井には木板貼が使われている。最後の「20++(ミニマルプロ)」にはウッドデッキが付いており、椅子やテーブルを置いてのんびりとくつろげる。
天城カントリー工房 KIBAKO
天城カントリー工房 KIBAKOの「タイニーハウス」は、天然無垢材が使用された、こだわりのつまったコンテナハウスだ。無塗装なのに耐久性のある木材で作られているため、使い込むほどに木の風合いが増していく。完全オーダーメイドで設計してもらえることも可能であり、好みや用途に合わせた空間が手に入る。
基本の形は4種類ある。こぢんまりとした6畳の「チビタ」は、庭先に設置したり、ゲストハウスとして使えたりと手頃なサイズだ。ロフトが付いた2階建ての「ノッポ」は一人暮らしにも最適な広さ。「グランピングキャビン」は上質なデザインが特徴的である。タイヤ付きで移動可能なタイニーハウスの「トレーラーハウス」もあり、ライフスタイルに合わせて選べる。トイレやキッチン、シャワーも付けられるため、住宅として利用が可能だ。
デメリットの少なさもコンテナハウスの魅力!
結論からいうと、一人暮らしに十分な広さを備えているのに家賃が安く、しかもデメリットがメリットよりも少ないコンテナハウスは、個性的な賃貸物件を探している一人暮らしの人にはとてもおすすめできる物件である。
ただし、デメリットのひとつである「物件数が少ない」というのが大きなウィークポイントであるのも事実だ。いざ住もうと思っても、タイミングが合わないとなかなか物件は見つからないだろう。
このデメリットを回避するには、事前に不動産会社に物件探しを依頼しておくしかない。そうすれば、タイミングを逃さずコンテナハウスに住めるので、魅力を感じたり住んでみたいと思ったりした段階で、不動産会社に相談することをおすすめする。
2021年4月加筆=CHINTAI情報局編集部