二人暮らしの部屋探しのポイントは「ゆずれない条件」の共有にあり!先輩同棲カップルにうまくいくコツを聞いてきた

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「こだわり条件の共有」がミソ!若き夫婦が出合った理想の部屋

二人暮らしをする上で特にもめやすいステップである「部屋探し」。好みの違う二人が、最終的に納得のいく部屋にたどり着くのは至難の業だ。

今回は希望の条件を満たす物件がなかなか見つからなかったという新婚1年目の浦田夫婦のお部屋を訪問。しかし現在は随所に工夫を施しながら、互いに満足のいく部屋で暮らす。「秘訣はお互いの必須条件を早い段階ですり合わせておいたこと」だと語る浦田夫婦に、理想の部屋に出合うためのポイントを聞いてみた。

 二人暮らし中の浦田さん夫婦の部屋
二人のこだわりが詰まったヴィンテージなリビングでくつろぐ浦田さん夫婦。この理想の部屋を、彼らはどのようにして見つけたのだろうか?

プロフィール

名前:浦田健人さん
職業:美容師
年齢:27歳

名前:香穂さん
職業:美容師
年齢:25歳

ルームデータ

所在地:東京都目黒区
築年数:40年
家賃:84,000円
間取り:1DK

二人暮らし中の浦田さん夫婦が住む1DKの間取図
いつも一緒にいたい、ラブラブなカップルにおすすめの1DK

きっかけは半同棲 もっと広い部屋に住みたい!と引越しを決意

二人暮らし中の浦田さん夫婦の部屋の様子
二人の趣味である多肉植物とヴィンテージの服がオシャレに飾られた居室の一角。照明は健斗さんの手作りとのこと

勤めている美容室がどちらも東急東横線の代官山駅、しかも店舗が隣同士だったという偶然が、二人の出会いを生んだ。やがて健人さんから香穂さんを食事に誘うようになり、お付き合いに発展。次第に香穂さんは、当時健人さんが借りていた6畳に満たない小さな部屋でよく過ごすように。

「代官山から2駅の祐天寺だったので通勤が楽で、半ば同棲みたいに入り浸るようになりました」(香穂さん)

「二人で家賃を払えばもっと広い部屋に引っ越せると考えたんです」(健人さん)

こだわりたい条件・妥協できる条件を最初にすり合わせ

きちんと二人暮らしをするにあたり、お互いどんな部屋に住みたいか話し合って条件を決めることに。家賃はお互い月々5万円ずつ、上限10万円までとすること。部屋の広さは10畳以上であること。探すエリアは二人が通勤しやすい祐天寺駅周辺。この3点は「こだわり条件」とした。ただし自転車で通うことが多いので、駅からの距離は特に気にしないことにした。

「あとは二人とも料理をするので、作業しやすいようにキッチンが広いこと。少なくとも2口ガスコンロは必須でした。また比較的築年数が浅いことも条件の一つです」(香穂さん)

他にも香穂さんは「バス・トイレ別」「収納が豊富なこと」「洗濯機置き場は室内」といった希望もあったが、これらは「多少妥協しても構わない条件」とした。彼らがこだわった条件、あきらめた条件について一度整理してみよう。

二人がこだわった設備・条件

  • 家賃
  • 職場から通いやすいこと
  • 部屋が広いこと
  • キッチンが広く、2口コンロ付できあること

二人が妥協した設備・条件

  • バス・トイレ別
  • 築年数が古い
  • 収納が少ない
  • 洗濯機が室外

ようやく出合えた理想のお部屋

探し始めてから不動産会社には4件紹介してもらったが「狭かったり、日当たりが悪かったり」と、なかなか気に入るような部屋は見つからない。そもそも二人がこだわる条件を満たす部屋が少なく、しかも二人そろって内見に出かけられるタイミングがなかなか取れないため、結局4件見て回るのに2ヵ月もかかってしまった。

「途方に暮れていたところ不動産会社のほうから『家賃の予算を上げるか、築年数の古い部屋も考えてはどうか』と提案されました。家賃はこれ以上難しいので、古くても構わないと伝えると、今の部屋を紹介してもらえたんです」(香穂さん)

勤務先と同じ沿線で、祐天寺よりも勤務先に近い中目黒駅にある築40年のアパート。確かに建物自体は年季が入っているが、部屋はフローリングにリフォーム済み。バス・トイレ別で11畳+キッチン5畳、2口ガスコンロも置ける。「日当たりも風通しも良いので、すぐ気に入りました」と香穂さんはご満悦だ。

足りない設備はDIYで解決!

部屋を探す際、「妥協してもよい」としていた収納については、実際暮らしてみると不便な面もあった。しかしそれついては二人のセンスで見事にカバーする。近所のお店でもらった廃材を使って、収納付きのリビングテーブルを作ったり、古道具屋で見つけたレトロなコカコーラ瓶の木箱などを利用して壁側に本棚を備えた。

また、キッチンカウンターをリサイクルショップで買ってきて、キッチンの収納・調理作業台とし、近所のお店からもらった小さな木の箱や板を組み合わせて、キッチンに調味料などを置くスペースも作った。

二人暮らし中の浦田さん夫婦の部屋のキッチンの様子。DIYでおしゃれに仕上がっている
キッチンカウンターを購入、正面と左側に写る調味料が入った棚はDIYした。料理好きの二人ならではの工夫であふれたキッチンだ

壁に無造作についていた洗面シンクにも自作の棚と鏡を備えることで“独立洗面台風”に改装。

二人暮らし中の浦田さん夫婦の部屋の洗面台。ちょうどよい高さに鏡を設置してある
洗面台にもともとなかった鏡を設置し、オリジナルの独立洗面台を作り上げた

そんな風にして、今は二人で「築40年の古い部屋」を「ヴィンテージ感のある部屋」に仕上げて楽しんでいる。

ここに住んで今年で3年目。昨年はついに結婚も果たした。「次は古民家とか、古くてDIYがOKの部屋に住みたいな」と語る二人。
その時は新しい小さな家族のための条件も加わるかもしれない。

浦田さん夫婦に学ぶ、理想の部屋に出合うためのコツ

浦田さん夫婦の部屋探しストーリーに学ぶ、満足度の高い部屋の探し方のコツをまとめてみよう。

・お互いがこだわりたい条件を共有し、それを軸に部屋を決める
・こだわりたい条件は数個程度に絞る
・収納面など不便な箇所は、DIYでカバーすることもできる!

希望条件を丁寧にすり合わせ、必須条件を可能な限りシンプルに。そして、暮らしてみてから不便に感じる面は自分たちの工夫で解決する。浦田さん夫婦の部屋探しノウハウを参考に、理想のお部屋を探してみよう。

文=籠島康弘(ぴえいる工場)
写真=古本麻由未

※雑誌「CHINTAI」2018年6月号の記事をWEB用に再編集し掲載しています

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