【漫画】なか憲人の「明日今日よりよく暮らしたい」第1話 失敗を前提として

リアリティ溢れる暮らしの様子を描いた作品が人気の漫画家兼ライター・なか憲人さん。
実家を出て約20年、生活の「崩壊」から「成立」までさまざまな経験をされてきたというなかさんに、「より快適に、自分らしく一人暮らしする方法」を教えてもらった。
なか憲人の「明日今日よりよく暮らしたい」第1話 失敗を前提として




というわけで改めまして、なか憲人と申します。

暮らしに関する自己紹介をしたいのですが、上記の漫画に使っているのは、私が24歳の時に初めて上京した部屋の写真です。それまでも大学で一人暮らしはしていたのですが、やはり完全に自分で部屋を選び、自分で管理して…となるとこの部屋が最初の一人暮らしです。本当にひどい写真ですね。

それから10年経ち、この時よりは幾分か部屋の管理に関することはましになったと思うので、過去の失敗点を振り返り、今だから考えられるその予防について書かせて頂きます。
最初の一人暮らしの失敗例
最初の導入でも一例を出しているのですが、賃貸は基本的に家賃が高い方が暮らしやすいです。例えば…
- そもそも部屋が広い方が物をたくさんしまえて片づけやすい
- キッチンが広い方が台所ごみが散らかりにくい
- 日光があたる方が洗濯物が乾きやすく、管理も楽
などなど…キリがありません。
こうやって羅列するということは、当時の私は全て逆を行って失敗したということです。当時の部屋の間取りはこんな感じです。

かなりよくある形式の部屋のつくりです。同様の形態の部屋に住まわれた経験のある方も多いのではないでしょうか。18㎡程度の広さでしたので、狭い方だと思います(※1)。
※1 編集部注:国土交通省が定める「住生活基本計画」によると、一人暮らしの健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積=最低居住面積水準は、25㎡
出典:住生活基本計画における水準について|国土交通省
部屋が狭いと…

こうなってました。これもひどい画像だ…。
ちょっと赤字を入れましょう。

物をしまいきれてなく、こういった事態が起きています(※2)。相当うまく部屋に合わせた収納を用いればなんとかなったとは思うのですが、やはり一人暮らし初心者、その辺の経験値はありません。
※2 編集部注:カーテンレールに衣類や洗濯物をかけると、重さでレールがゆがんだり壊れたりする恐れがあります
キッチンが狭いと…

これもひどい状態です。こういった玄関から続く廊下にキッチンがついているタイプは、とにかく狭い!!!赤字を入れましょう。

こうですね…。キッチンが狭いと調理を別の場所でするしかなく、そうなると管理能力はさらに必要になります。キッチン以外の部分に調理の小さなごみなんかが落ちることも多くなり、部屋が汚くなるリスクも上がります。
日光が当たらないと…

ベランダからすぐ隣の家の壁で、日光が当たりにくい部屋でした。日光が当たらないと洗濯物の乾きが遅い。洗濯物の乾きが遅いとそれだけで相当管理に求められる能力が増えます。洗濯物が渋滞し、家事が渋滞し、生乾きのタオルは生活のテンションを下げていきます。
以上です。ことごとく部屋の環境づくりに失敗し、惨憺たる有様でした。もちろん、このほかにもあらゆる点で生活環境は崩壊していました。
今考える、失敗しないための方法

ないです。根本的な解決方法はありません。家賃が高い物件の方が設備や環境が充実しているので暮らしやすい、と当たり前のことを言ってるのですが、当然そういう部屋にもデメリットがあります。家賃の高さです。
今回紹介した最初の一人暮らしの部屋は、家賃が47,000円でした。暮らしにくかったですが、その安さのメリットは十分享受しました。当時漫画家を目指している中でほとんど無収入の日々が続き、安くないと生活自体が続けられませんでした。ただし、暮らしにくい部屋では、努力や工夫でカバーするにも限界があります。
失敗を前提として、致命的な失敗をしないための方法
なので、最初の一人暮らしは失敗することを前提として、それが致命的な失敗にならない方法を紹介します。それがこれです。

なんでもそうですが、1番最初が1番肝心です。引越しの最初は、区や市からもらえるごみ出しのパンフレットです。ああいうパンフレットって、基本すごく見るのが面倒ですよね。私も一番最初の引越しでは適当に見て、すぐしまいました。
案の定細かいごみ出しの方法が曖昧で、特にちっちゃい金属のごみとか、割れた陶器とかを一旦放置してしまいました。そしてその一旦放置は、ずっと続くんです…。
ちゃんと最初に全部見て、必要になったら見返し、ごみの日を把握して、出し続ける。これが致命的な失敗を防ぐ全てだと思います。部屋の細かい掃除ができなかったり、家具の失敗なんかは軽度です。とにかく最初の面倒を乗り越え、ごみを出し続けること、多くの失敗の中で私が学んだのは、それでした。


編集部よりひと言
最初の一人暮らしは、誰しも失敗してしまうもの。でも、ルールを把握してごみ出しをこまめに行えば、生活環境の崩壊は防げる!
次回は、一人暮らしに慣れてきたなか憲人さんの「部屋を綺麗に保つコツ」をご紹介。更新をお楽しみに!
芸人・ごみ清掃員のマシンガンズ滝沢さんに「より良いごみの捨て方」を聞いた記事はこちら
マシンガンズ滝沢さんに聞く「より良いごみの捨て方」
部屋干しのコツを紹介する記事はこちら
狭いキッチンの収納力を増やしたい方へ。DIYでつくる壁面収納の作り方はこちら