大河ドラマ『麒麟がくる』第十二回あらすじ&イラストレポート【麒麟がきても、こなくても】

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ファン目線で大河ドラマを楽しむイラスト連載!

毎週日曜放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』を楽しむ、大河ドラマ追っかけレポート!
毎週金曜日、前の週のおさらいを兼ねてあらすじと感想をお送りする(以下、ネタバレを含みます)。

『麒麟がくる』第十二回「十兵衛の妻」のあらすじ

将軍の言葉について考えて続けていた十兵衛(長谷川博己)は、黙り込むことが増えた。心配した母の牧(石川さゆり)と叔父の光安(西村まさ彦)は、嫁を取らせようと思案する。鷹狩りに誘いに来た左馬助(間宮祥太朗)に頼み、妻木へ鷹狩りに行かせることに。
鷹狩りで仲間とはぐれた十兵衛は二人の思惑どおりに煕子(木村文乃)と再会し、昔の約束を果たしたいと「妻になってほしい」と伝える。二人の祝言が無事執り行われた。
将軍のとりなしで和議がなされ戦は落ち着いたが、織田信秀(高橋)の病は悪化していた。
信秀は、自身の居城である末森城を信勝(木村了)に譲ると告げ、跡継ぎである信長(染谷将太)は自分を厭わしく思う母の企みだと憤る。
信長の立場を案じる帰蝶(川口春奈)は信秀の元を訪れ、東庵(堺正章)を京から呼ぶかわりに本心を明かしてほしいと告げる。信秀は苦しい息の中で何ごとかをささやく。
城に戻った帰蝶は「自分によく似た信長を愛し、信頼していると言っていた」と伝え、信長を励ます。
土岐頼芸(尾美としのり)から道三に送られた鷹は爪に毒が塗られていた。宣戦布告ととらえた道三は国衆を集めて頼芸を敵だと語る。
高政(伊藤英明)は、父を裏切り頼芸につくことを決め、十兵衛を誘う。
金に困った東庵は、帰蝶から呼ばれ尾張を訪れることにする。伊呂波太夫(尾野真千子)はそれを聞き、尾張の後は駿河の商人を訪れてほしいと頼む。尾張を訪れた東庵だったが、信秀は双六の盤を前に座ったまま、息を引き取っていた。

大河ドラマ追っかけレポート12(4/5放送回)

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』第十二回追っかけレポート

どこか空回る、ブラック上司の演説

土岐頼芸から道三へ贈られた鷹の爪には、ひそかに毒が塗られていた。鷹に襲われる寸前にかばった近習が身代わりとして死に、道三は家臣たちを集めて、頼芸の悪事を訴える。
普通なら「頼芸ひどい」「こうなったら徹底的に頼芸を叩くべき」「戦じゃー!」となりそうな流れなのに、集まった家臣たちも、テレビを見ている私たちも、ひんやりとした空気につつまれている。

この雰囲気、見覚えがある。会社の上司が「俺って部下思い!」「俺ってかわいそうだよな、こんなにがんばってるのに!」と長々と演説するのを聞かされている時の、居心地の悪さ。「あいつはひどいよな!」と誰かを悪く言うのを聞きながら「いや、その前に自分の方がひどいことしてるじゃないですか……」とつっこみたいのにつっこめない感じ。みんなあの毒茶での暗殺を忘れてないし。
死んだ若い近習は、わざわざ演説の場に横たえられ、いい部下のお手本として展示されているかのよう。「お前たちもこんな風にわしに自らの命を差し出すんだろう?」という恫喝の道具でもあり「土岐につくならお前たちはこうなるよ?」という脅しの道具にもなっている。
ひとつの言葉に何重にも「裏」の意味があるようで、聞いているこちらの息がつまりそうな緊張感。本当のことを言っているのは誰か、誰が土岐の方へ寝返るのか。その判断をあやまると大変なことになりそう。
さて、前回高政に「なんでも言うことを聞く」と安請け合いしてしまった十兵衛。この物語でいちばん「裏」と縁遠い気がする主人公、どうする。

帰蝶の覚悟が信長をささえる

斎藤家親子がたいへんな時に、織田家親子もいよいよ不穏。もうじき永遠の別れとなりそうなのに、それでもわかりあえない信秀と信長。
ここで動くのが、帰蝶。死の床についている義父の信秀に「信長についてどう思っているか教えてくれたら、東庵先生を連れて来ましょう」と交換条件を出して迫る。さすが道三の娘、覚悟が違う。
ごく普通の優しい女性なら「まずは義父が会いたがっている相手を連れてきて、うまくいっていない親子の間を取り持ちましょう」と考えそうな気がする。でも彼女は、先に自分の欲しいものを受け取ってから動く人。私はあなたの息子に命を預けたも同然なのだから、ちゃんと言ってくれ、と掛け合う強さ。
信秀は信長への愛情を語ったと、帰蝶に告げられて晴れ晴れとする信長……だけど、本当に信秀がそう言ったのかは、実際のところわからない。何か違うことを言ったとしても、それは信秀と帰蝶のあいだだけの秘密で、すでに信秀はこの世にはいないのだから。ここにも隠された「裏」がある。
どちらにしても、何をしでかすかわからない信長を上手にコントロールできる帰蝶、おそろしい女性である。

十兵衛プロポーズ大作戦は大成功?

そしていちばん「裏」を感じた、十兵衛と煕子の婚姻。叔父と母と、巻き込まれたいとこも含めての「十兵衛プロポーズ大作戦」。
都合よく鷹狩り、都合よく十兵衛だけ迷子、そして都合よく煕子登場。十兵衛の位置情報をスマホで教えられて向かったのではと思うくらいの、ピンポイント出現。
そこからは、現代に彼女がいたら、周りの女子がいっせいに心の黄信号を点灯させるくらいのやり口が続く。
相手と一対一になる機会を狙う。自分の懐から石を取り出して(ほぼ体温!)両手をぎゅっと包みながら渡す。背の高い相手を上目遣いで見上げる。ちょっと不思議ちゃんな言動。ひとことで言うと、あざとい。
しかし「裏」のわからない男十兵衛、まんまと乗せられて超スピードプロポーズ、超スピード婚。それでいいのか。
来週はとうとう秀吉が出てくるし、十兵衛については全方面心配のタネしかないけれど、いろいろとがんばってほしい。

イラスト・文=渡辺 裕子

テレビ大好きイラストレーター+ライター。ローチケHMV/きょうの健康/リアルサウンドなどで、イラストコラムや挿絵を担当中。
ツイッター:@satohi11
note:https://note.com/satohi11

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