築年数の基準とは?古い賃貸物件に入居するメリット・デメリットを解説
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築年数が古い賃貸物件の3つのメリット
一見、人気のない築年数の古い物件。だが、古いからこそのメリットもたくさんあるのをご存じだろうか? 以下に挙げるメリットを知れば、古い物件は住みにくいというような先入観もなくなるだろう。
築年数が古い物件のメリット①:家賃が安く、物件数が多い

築年数が古い賃貸物件のメリットは、家賃が安くなり選べる物件数が圧倒的に増えるところ。東京都で人気の吉祥寺駅にて特に希望が多かった「築年数10年以内の物件」と「築年数にこだわらない物件」の最低家賃と物件数を比較してみた。※1
▼築年数10年以内の物件
最低家賃:7.3万円
物件数:838件
▼築年数にこだわらない物件
最低家賃:6万円
物件数:3,963件
築年数にこだわらないと、最低家賃は1万円以上安くなり、物件数も3,000件以上増えることになる。
今まで築年数にこだわっていた人も、築年数にこだわらずに物件を探してみると選択肢が増えたり、コストを抑えられたりというメリットがあるようだ。
※家賃相場・物件数はCHINTAIネット2022年3月13日現在のもの
築年数が古い物件のメリット②:広めの居室&収納の物件が多い

築年数が古い賃貸物件には、和室が採用されていることが多い。実は畳のサイズは地域や建設時期によって異なる。昔の和室には一畳のサイズが大きい畳を使っている場合もある。そのため、同じ6畳でも、少し平米数が広い隠れ物件もあるのだ。
また、押入れや天袋付きの部屋もあるので、所持品が多い一人暮らしの人にもおすすめできる。
築年数が古い物件のメリット③:和のテイストがおしゃれ
畳張りやしっかりした柱があるなど、味のある内装になっているのも築年数が古い賃貸物件の魅力。和のインテリアはもちろん、北欧テイストの家具やアジアンリゾート風のインテリアともマッチし、味のあるインテリアをつくることができる。洋室がいい! という方も、ぜひ一度検討してみてほしい。
築年数が古い賃貸物件の4つのデメリット

築年数の古さによって生まれるメリットもあるが、設備や耐震性、防音や断熱性などの面で当然デメリットが生じるケースも多い。ここからは、築年数が古い物件のデメリットと対策方法について解説していく。
築年数が古い物件のデメリット①:設備の充実度やグレードが劣る
古い賃貸物件は、新築に比べて設備数が少なく、汚れも目立ってしまう。しかし、「築年数が古い=設備がない、部屋が汚い」というわけではない。設備が気になる場合、築年数のことを一度抜きにして、「この設備は自分にとって必要か」を考えたうえで希望の部屋かどうか見極めてほしい。
また、内装は実際に内見して確認するのがおすすめ。その際には、不動産会社に今後クリーニングやリフォームを行う予定はあるのかを確認してみると良い。
築年数が古い物件のデメリット②:耐震性が低めの可能性がある

先述のとおり、1981年以前に完成した建物は改正前の耐震基準で建てられているため、耐震性能が低い可能性がある。
一方、「耐震性」は築年数だけでなく、地盤の強さや建物の構造など、さまざまな要因と関連があるため、一概に築年数が古い=強度がもろいとはいえないことも覚えておこう。
築年数が古い物件のデメリット➂:防音・断熱性能が低めの可能性がある
部屋の防音や温度など、居住環境は無視できない点だ。築年数が古い物件は、最近の物件と比較すると防音と断熱性能が低い可能性が考えられる。
防音機能のついたカーテンを取り付けたり、床に足音を響かせないためにカーペットを敷いたりするなど、部屋の中に防音グッズを取り入れてみることをおすすめする。特に、隣の部屋から聞こえる音を軽減できる防音シートは簡単に剥がせるので、賃貸物件でも気軽に使用できる。さまざまな模様のシートがあるため、部屋の雰囲気に合わせて選んでみよう。
部屋が寒い場合には、窓にアルミシートや断熱シートを貼ると、冷気から部屋を守ることができる。足元の冷えがつらいときには、コルクマットやホットカーペットを敷いて、防寒対策を強化してみると良いだろう。
また、遮熱や保温効果のあるカーテンを設置すれば、暑さと寒さのどちらにも対応できる。1年を通して快適に過ごすためにも、これらのアイテムの購入を検討してみてはいかがだろうか。
築年数が古い物件デメリット④:虫が出やすい
建物の経年劣化などが原因で、虫が出やすいというデメリットがある。なるべく遭遇しないよう、以下の防虫対策を実施してほしい。
【防虫対策の例】
- 防虫スプレーを使う
- 窓を開けるときには網戸を閉める
- 生ゴミを溜めない
また不動産会社によっては、入居時に居室をプロの技術で清掃してもらうことができるメニューを追加できる場合も。気になる人は店舗のスタッフに聞いてみよう!
築年数が古い賃貸物件を選ぶなら!3つの確認ポイント
同じ築年数でも、メンテナンスやリノベーションが行われている物件であれば快適に過ごせる。
ここでは築年数が経過した古い物件を選ぶ際、確認すべきポイントを紹介する。
築年数が古い物件の確認ポイント①:メンテナンスが行き届いているか
築年数が古くても、設備の修理やクリーニングが行き届いている物件であれば快適に過ごせる。
反対に、築年数が浅くてもメンテナンスの行き届いていない物件もある。内見では室内はもちろん、エントランスや集合ポストなどの共用部がきれいに清掃されているか、照明が切れていないかもあわせてチェックしよう。
築年数が古い物件の確認ポイント②:リフォームやリノベーションが行われているか
最近では築年数が経過していても、リフォームやリノベーションによって室内が新築同様にキレイになっている賃貸物件も多数ある。
壁紙や床材などの内装だけでなく、独立洗面台やシステムキッチンなど人気の設備が新設されている賃貸物件も少なくはない。
リフォーム・リノベーション物件は、新築と比べ家賃が安いところも多い。このため築年数が古く、リフォームされた物件は狙い目なのである。
築年数が古い物件の確認ポイント③:耐震工事が行われているか
先述の通り、1981年6月以降に建築確認申請が行われた建物であれば「新耐震基準」で建てられている。また2000年6月以降の建築であれば、さらに厳しい基準をクリアしていることになる。
ただ、たとえ1981年以前に建てられた物件でも、指定した機関の検査を受け、そのうえで適切な耐震補強工事をした物件であれば安心して過ごせるのではないだろうか。耐震工事の実施有無は不動産会社に聴けば教えてもらえる。基礎・壁・土台・屋根の補強や強化が行われているかを事前に確認しておこう。
築年数が古い賃貸物件がおすすめなのはこんな人!
古い物件に興味はあるけれど、自分に合うのかが分からず、迷っている人もいるはずだ。築年数が古い物件のメリットと、デメリットを踏まえて、住むのに向いているのはどんな人なのかを確認していこう。
基本的に新築の物件は賃貸料が比較的高くなるが、築年数が古いと家賃が安くなるケースが多い。そのため、周辺の家賃相場に比べて低予算で物件を借りられる。家賃の値段を重視するなら古い物件に絞って探すと良いだろう。
また、築年数を気にせずに物件を探すと物件数が増えるので、選択肢の幅が広がる。物件に新しさを求めず、より多くの部屋から選びたい人には古い物件はおすすめなので、ぜひ掘り出し物件を探してみよう。
築年数が古い賃貸物件の基準は明確ではない!目的に合わせて選ぼう
築年数の古さは明確な基準がない。さらに、「築年数=古い・汚い」ということはなく、大切なのは「メンテナンスがきちんとされているか」である。
なかにはリノベーションされて新築同様の設備が整っているのにもかかわらず、家賃が低めに設定されている物件もあるため、先入観にとらわれずに根気強く探してみてほしい。
2022年4月加筆=CHINTAI情報局編集部