一人暮らしの手続き、転出届や国民健康保険…引越し時に必要な手続きを徹底解説

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初めての一人暮らし。 転出届などの、引越し時に必要な手続きを解説!

一人暮らしの準備に必要なのは、家具の調達や引越し業者の手配だけではない。転出届や転入届の提出や国民年金・国民健康保険の手続きなど、役所にて行うべき手続きがいくつかある。

そこで本記事では、一人暮らしを始めるにあたって必要な役所での手続きについて「引越し前に行うもの」と「引越し後に行うもの」に分けて説明する。初めての一人暮らしを行う人はぜひ参考にしてほしい。

役所で行う引越し手続きをリストアップ
役所で行う引越し手続きをリストアップ

この記事でわかること
引越し前には「転出届」「国民健康保険の資格喪失の手続き」「印鑑登録の廃止手続き」の提出が必要
引越し後は「転入届」「国民健康保険の手続き」「国民年金の住所変更手続き」「印鑑登録手続き」の提出が必要
学生は住所変更の手続きを行うか検討できる。住民票を移さない場合は、国民年金納付や選挙の際に不便も

引越し前にするべき手続きは?

まずは引越し前にするべき手続きについて確認しよう。

転出届の提出

現住所とは別の市区町村へ引越しをする場合は「転出届」を提出する必要がある。まずは住んでいる市区町村の役所へ行き、窓口で用紙をもらう。

転出届には本籍や引越し予定日、引越し先の住所などを書くのが一般的だが、市区町村によって内容が少し異なるので注意しよう。提出する際には、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)や印鑑が必要だ。原則、引越しの14日前から当日までの間に手続きをしよう。

届出場所旧居住地の市区町村役場
必要なもの(1)転出届(住民移動届)
 ※各自治体の役所窓口に置いてある
(2)本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
(3)ハンコ
※代理申請の場合上記に加え、
(4)代理人選任届(本人が記入したもの)
(5)代理人の認印
(6)代理人の本人確認書類
届出期限原則、引越しの14日前から当日までに

転出届が受理されると、「転出証明書」が渡される。これは新住所で「転入届」を提出する際に必要なので、なくさないように保管しよう。

なお、同一市区町村内で引越しをする場合は、転出届ではなく「転居届」を提出する。これは転居後に受理されるものなので、引越し後に手続きを行おう。

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引越しにはさまざまな手続きが必要だ
引越しにはさまざまな手続きが必要だ

国民健康保険の資格喪失の手続き

国民健康保険に加入している人は、市区町村外に引越しをする場合には資格喪失の手続きをする必要がある。引越しをして14日以内に役所に保険証を返却しよう。この手続きには返却する保険証と印鑑が必要なので、転出届の提出と一緒に行うと楽。

なお、会社勤めの人は、勤務先で加入している健康保険の手続きをするので、会社に引越しをしたことを申告しよう。

届出場所旧居住地の市区町村役場
必要なもの(1)本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
(2)国民健康保険証
(3)ハンコ
届出期限引越しをして14日以内

印鑑登録の廃止手続き

「印鑑登録」とは、自分が住んでいる自治体にある役所・役場に印鑑を登録することによって、その印鑑が本人のものであるということを証明することができる制度のこと。印鑑登録を行ったハンコのことを「実印」と呼ぶ。

大切な契約の締結など、重要な場面ではこの「実印」と「印鑑登録証明書」が必要になることがある。市区町村外に引越しをする場合は、印鑑登録の廃止の手続きを行おう。

届出場所旧居住地の市区町村役場
必要なもの(1)印鑑登録廃止申請書
(2)登録しているハンコ
(3)印鑑登録証(カード)
(4)本人確認書類(運転免許証やパスポート、住民基本台帳カードなど写真付きのもの)
※代理申請の場合上記に加え、
(5)代理人選任届(本人が記入したもの)
(6)代理人の認印
(7)代理人の本人確認書類
届出期限特に期限はない

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引越し後の手続きも忘れずにやろう

無事に引越し作業が終わってもそこで安心するのは要注意。引越し先でも手続きが必要なので忘れずに行おう。

引越し後も手続きは続く
引越し後も手続きは続く

転入届(転居届)の提出

市区町村外に引越しをした場合は、引越し先の役所で「転入届」と転出届を出したときに受け取った「転出証明書」を提出する。併せて、本人確認書類やマイナンバーカード、印鑑も持参する。

これらは引越しをしてから14日以内に行うとされており、万が一支払いが遅れると過料が科されることもあるので注意しよう。また、郵送ではできないので余裕を持って手続きに行くことが大切だ。

届出場所新居住地の市区町村役場
必要なもの(1)転入届(住民移動届)
 ※各自治体の役所窓口に置いてある
(2)本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
(3)転出証明書
(4)ハンコ
※代理申請の場合上記に加え、
(5)代理人選任届(本人が記入したもの)
(6)代理人の認印
(7)代理人の本人確認書類
届出期限引越しから14日以内

国民健康保険の手続き

市町村外への転居の場合は「加入手続き」

国民健康保険は、勤務先の健康保険に加入している人、その扶養家族など、別の健康保険に加入している人を除いて必ず加入しなければならないものだ。転入届の提出と共に、国民健康保険の加入手続きも行おう。

引越しをして14日以内に手続きしなければ医療費が全額自己負担になる可能性もある。忘れないうちに、早めに済ませておこう。加入の手続きが完了すると、後日新しい保険証が送られてくる。

届出場所新居住地の市区町村役場
必要なもの(1)本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
(2)転出証明書
(3)ハンコ
届出期限引越しから14日以内

同一市町村内での転居の場合は「住所変更手続き」

同じ市区町村内に引越しをした場合にも住所変更の手続きを行う必要がある。

届出場所居住地の市区町村役場
必要なもの(1)本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
(2)国民健康保険証
(3)ハンコ
届出期限引越しから14日以内

国民年金の住所変更手続き

国民年金に加入している方は、住所変更の手続きを行う必要がある。市区町村外への引越しの場合、旧住所の役所では特に手続きの必要はなく、新住所にて手続きを行う。

同一市区町村内で引越しをした場合にも同様に、役所での住所変更手続きが必要だ。転入届や国民健康保険の手続きと同じく、引越しから14日以内に行うことになっている。

届出場所新居住地の市区町村役場
必要なもの(1)国民年金手帳
(2)ハンコ
届出期限引越しから14日以内

印鑑登録手続き

引越し先の市区町村役所に、新たな印鑑登録の手続きを行おう。「転入届」の手続きとともに行うと無駄がない。

印鑑登録については特に届出の期限などは設けられていない。しかし、ローンなどの契約や自動車登録など実印を使用する機会がある人は特に早めの手続きを心がけよう。

届出場所新居住地の市区町村役場
必要なもの(1)印鑑登録申請書
(2)登録したいハンコ
(3)本人確認書類(運転免許証やパスポート、住民基本台帳カードなど写真付きのもの)
※代理申請の場合上記に加え、
(4)代理人選任届(本人が記入したもの)
(5)代理人の認印
(6)代理人の本人確認書類
届出期限特に期限はない

一人暮らしを始める学生も住所変更が必要?

このように、引越しをして住所が変わった場合は住所変更の手続きや国民健康保険・国民年金における手続きが必要となる。では、実家を離れて一人暮らしをする大学生や専門学校生でも住所変更をしないといけないのだろうか?

法律上、住民票は「生活の本拠」がある場所に置かなければならないと義務付けられている。しかし、学生が一人暮らしをする場合であっても、定期的に家族の住む実家に帰省している場合などは「通学のための一時的なもの」だと見なされる場合もある。よって、住民票を移さず実家の住所においておいても、法律に明らかに違反するとは言えない。実際、住所変更を行う学生は少ないようである。

学生は住民票の異動を行うべきか検討を

しかし、住民票を移さないことで不便が生じることもある。例えば、国民年金の納付書や免許の更新案内、選挙の案内などは住民票に記載されている住所に送られる。住所変更をしていなければ、これらの書類が届いた場合は、その度に実家に確認したり実家に戻って手続きしたりしないといけないこともあるだろう。

学生の方でこれから一人暮らしを始める人は、これらも踏まえ、住所変更をするかどうか決めるとよい。実家に届く書類を確認するのが面倒という場合は、住所変更をしてしまった方が楽かもしれない。

役所での手続きは期限が過ぎないうちに早めに手続きしよう

期限はしっかりと守ろう

今回は、一人暮らしを始めるにあたって必要な手続きをご紹介した。一人暮らしには、役所での住所変更などさまざまな手続きが必要だ。引越し先が市区町村外か市区町村内かによって手続きが異なるので注意しよう。

また、基本的に手続きの期限が決まっているので、うっかり忘れないよう早めに手続きするようにしよう。きちんと役所での手続きを済ませ、一人暮らしの新生活を楽しんでほしい。

文=望月麻希(株式会社YOSCA)

CHINTAI編集部
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