同棲とルームシェアのいいとこ取り! プライベートを重視した二人暮らしの形

最終更新日:

2DKでお互いのプライベート空間を確保!快適な二人暮らしの秘訣

3年間の付き合いを経て、2018年の11月から一緒に暮らし始めた井上さんと木村さん。世に言う「同棲」ではあるが、お互いのパーソナルスペースを大切に考え、それぞれの部屋を持つルームシェア型の二人暮らしだ。

お二人ならではのお金の折半方法や快適暮らしのアドバイス、そしてこれから二人暮らしを考えるカップルへ知恵も授けてもらった。

二人暮らし中の同棲カップル・井上さんと木村さん
同棲を始めておよそ7ヶ月の井上さん(写真左)・木村さん(写真右)カップルに、二人暮らしの極意を伺う

プロフィール

名前・年齢:井上さん(38歳)/木村さん(26歳)
職業:会社員
二人暮らし歴:7ヶ月

ルームデータ

所在地:東京都
間取り:2DK(約44㎡)
家賃:8.5万円(管理費込み)
築年数:45年

それぞれの生活ペース尊重し、プライバシーも確保した二人暮らし向きの部屋探し

仕事を通じて知り合い、付き合いはじめて約3年という井上さんと木村さん。当時、日野市在住で都心まで1時間かけて通勤していた木村さんは、都心で狭小暮らしをしていた井上さんの部屋に入り浸る毎日だった。

「ここまで一緒にいるなら、もはや広い部屋に引越したほうがいいのではないかと、二人暮らしをする部屋を探し始めました」(木村さん)

どこへ行くにも1回の乗り換えで行くことができる「山手線内」と大まかな場所を決め、家賃を考えてさらに東側に絞り込んだ。最優先条件は家賃8万円程度に抑えること、そして何より各自の部屋を持つために2K以上であること。好き合う同士が同棲を始めようという“最もアツアツな時期”に、それぞれ別の部屋を持つとは不思議な条件だ。

「当初は1Kか1LDKで一部屋をベッドルームにすればいいかと話していました。でも、それぞれの仕事や生活ペースがあり、体調が悪い時もある。遠慮したり気を遣い合うくらいなら、お互い1つずつ部屋を持つ方が平和的だと考え、2K以上を探し始めたんです」と話す井上さん。

同棲カップル・井上さんと木村さんの部屋に置かれたダイニングテーブル
左手奥が井上さんの和室、右手奥が木村さんの洋室。縦長のダイニングキッチンが2つの部屋をつなぐ

そんな時に出会ったのが理想ともいえるこの物件。築45年でエレベーターなしの4階というハードルには目をつぶった。

大きめのダイニングルームは二人で過ごすには十分な広さがあり、そこからダイレクトに各部屋に接しているため、互いの部屋の独立性も守られている。「早朝出勤や深夜帰宅も気を遣わなくて済むし、お互いいびきもかいてるだろうけど聞こえないから熟睡できる(笑)」と快適な生活をうかがわせた。

どんなに好き合った相手でも、四六時中同じ部屋で毎日暮らしていたら息苦しくなることもある。それぞれに仕事を持つ大人同士、最低限のプライバシーを守れる生活環境は、良好な関係にも通じているそうだ。

それを証明するかのように、この部屋を借りてからは一度も喧嘩をしていないという。同棲とルームシェアの愛ある融合……絶妙な線引きのこのペアに学ぶべきところは多い。

ちなみに8畳の洋室と6畳の和室で、部屋の取り合いはなかったかを聞くと……「結果的に彼が折れてくれて、私が洋室の8畳です」と小さな声で木村さんが答えた。レディファーストな考え方も平和的解決の一助になっているようだ。

同棲中の木村さんの部屋
木村さんの8畳の洋室。クーラーはこの部屋にしかないので、「夏の間は間仕切りを開けて寝るか……」と検討中
同棲中の井上さんの部屋
井上さんの6畳和室。お互い一人暮らしの時のベッドがそのまま使えて経済的だったという

ほどよい「ざっくり折半」で突き詰めない平和裡な暮らし

二人暮らしで気になるのは、お金のやりくり。これも二人らしい「共用財布」というユニークな方法を採用している。

「家賃と光熱費は請求額を全てきっちり折半。それ以外で食費や外食費、日用品の買い出しなどは、共通の財布を作ってそこから支払う形です。共用財布には月2万ずつ合計4万円入金し、足りなくなりそうだったら各自1万円ずつ追加投入します」と透明度の高いやり方だ。

お酒が好きな木村さんと全然飲まない井上さんだが、お酒代は共用財布から出している。食費のかなりの部分をお酒が占めているとの話から、「不公平感はないのか」と突っ込むと、「重箱の隅を突っつき始めたら二人では暮らせない。詳細に管理し過ぎると逆にストレスになる」と井上さん。

「ざっくり入れて、ざっくり使う」、よい意味のおおざっぱな折半が二人の感覚には合っている。

しかも二人で毎月貯金もするというから驚きだ。財務係の井上さんが新たに作った共用講座に月2万円ずつ(計4万円)を振り込み、毎月積み立てている。貯めたお金の使い途は「二人とも旅行が好きなので、旅行代金はそこから捻出。互いの地元への帰省費用にもこれを充てます」とあくまで現実的。

同棲カップル・井上さんと木村さんが飼っていたコールドダック“シロ”の写真
壁に飾られたコールドダック“シロ”の写真。井上さんが手ずから孵化させて親代わりに大事に育ててきたが、今年の1月にお別れをした。木村さんは最後まで「群れの一員」と思われていたそうだ

家事全般も分担性ではなく、基本は「できる方がする」方式。だが洗濯や食料・日用品の買い出しはほとんどが井上さん担当で、麦茶やアイスコーヒーの煮出しもするというまめまめしさは羨ましくなるほどだ。

「以前の職場がこの周辺だったこともあり、安売りの店やおまけしてくれる八百屋などに詳しいので買い物役は買って出た。水や米などの重いものを持って階段を上がるのは彼女には無理だし、洗濯は物干しの高さに彼女の身長が届かないから」と確かに実用面での要因が多いが、多くの男性が面倒臭がる瑣末な仕事を、井上さんは嬉々としてこなしている。

本人は「貧乏暮らしの頃の知恵が役に立っているだけ」といたって謙虚だが、同棲によって女性の家事分担が増え、それが原因で破局を迎えるカップルが多いなか、ここに平和裡な二人暮らしの秘訣が見え隠れする。

とはいえ木村さんも一方的に甘えている訳ではない。「トイレ掃除は私が担当。それ以外でも“最近やってないな”と思えば、積極的に動くようにしています」とここでも絶妙なバランスを保っている。

同棲カップル・井上さんと木村さん宅のトイレ
築年数の割に明るく清潔感のあるトイレ。重要なのは「築年数」ではなく「リフォームするかどうか」だそう

次ページでは、井上・木村カップルが実践している生活費の節約テクをご紹介!食費の押さえ方から貯金の方法まで、真似しやすいポイントが満載だ。

12
>
リンクをコピー
関連記事関連記事