【6畳インテリア】ミニマリストともこさんの〝小さな部屋を広く見せる〟テクニック
小さな部屋で快適に暮らすミニマリストを訪問
最近よく耳にする「ミニマリスト」という言葉。
物であふれる現代社会に逆行し、〝持たない暮らし〟を実践している人のことだ。
〝持たない暮らし〟のメリットはいくつかあるが、その一つが〝小さな部屋に住める〟こと。家賃も抑えられ、掃除も簡単に終わる小さな部屋は、あらゆる無駄を見直して暮らすミニマリストには最適な物件と言えるだろう。
今回お伺いしたミニマリストのともこさんも、都心の小さなワンルームで暮らしている。『小さな一人暮らし』というタイトルのインスタグラムで、小さな部屋を広く見せるテクニックを披露しているともこさんに、〝持たない暮らし〟の醍醐味を伺った。

プロフィール
名前:ともこさん
職業:会社員
instagram:@tomoko_13
居住形態:1人
ルームデータ
所在地:東京都
間取り:1R(21㎡)
家賃:8万円
築年数:10年
建物:鉄筋コンクリート造
このページの目次 [表示]
ミニマルなワンルームでの持たない暮らし
駅から徒歩3分のデザイナーズマンションに暮らして2年。ともこさんは、居住スペース約6畳のミニマルなワンルーム、物件好きの間で〝ミニマルーム〟と称されるタイプの部屋に住んでいる。
「建具がシンプルですっきりしていて、スクエアなテイストながら木目の床で温かみも感じられるところが気に入っています。造り付けの収納もあるし、自炊するのでコンロが2口あるのも入居の決め手になりました」(ともこさん)

造り付けで、クローゼット、書棚、洗濯機置場などがあると言うのだが、一見、どこにあるのか分からない。それら全ては部屋に溶け込む〝隠し収納〟になっているのだ。
「クローゼットはベランダそばの壁にありますが、フラット扉だから目立ちません。本、洗濯機、調味料は、玄関と居住スペースを仕切る柱の3面に設えられた収納スペースにしまっています」(ともこさん)

スタイリッシュな収納設計は、デザイナーズマンションならでは。そして、これらのコンパクトな隠し収納でほとんどの物をしまえてしまうのも、ミニマリストならではだ。
「デザイナーズマンションに住みたい! と思って探したのではなく、条件に合う部屋を求めていったら、たまたまデザイナーズだった感じです」(ともこさん)

自分のキャパシティを追求したらミニマリストになっていた
ともこさんがミニマリストになった経緯をたどると、通知表に「お道具箱を片付けましょう」と書かれた少女時代からはじまる。
「とにかく片付けが苦手な子どもでした。でも大人って『片付けなさい』とは言っても、具体的な片付けかたは教えてくれない。だから一向に片付けが上手にならなくて……」(ともこさん)
自問自答の末、少女時代のともこさんはこう結論づけた。
「私は〝片付けが苦手〟なのではなく、〝たくさんの物を管理するのが苦手〟なんだ、と」(ともこさん)
自分の管理能力を超えるほどの物を持たなければいい。そう気づいてからの成長は早かった。多くのミニマリストが実践している〝物の位置(アドレス)を決める〟というセオリーも、中学生の時に自ら導き出し、実行していたという。
「他の人ができる方法=自分ができる方法、とは限らない。例えば、私は服をたたむのが苦手なので、季節の服はクローゼットに吊るせる分だけ持つようにしています。何事も実力以上のことをしようとすると続かないですよね。片付けに関しても全く同じだと思うんです」(ともこさん)

持たない暮らしを続けるコツは、自分の気持ちに背いた取捨選択はしないこと
大学卒業とともに一人暮らしを始め、これまで3度の引越しを経験してきたともこさん。いずれも職場へのアクセスを考えてのこと。通勤時間の無駄すらも見直し、必要とあらば転居する。まさしくミニマリスト的な発想だ。
中学生の頃から持ち物を取捨選択するノウハウを探求してきたので、持ち物はとても少なく、引越し作業もラクだったという。
「以前の部屋から引越してくる際に手離した物は、衣裳ケースと若干の服です。これまで使っていた衣裳ケースは今の部屋には大きすぎました。服は季節ごとにラインナップをチェックしていますが、引越しのタイミングでも少し見直しました」(ともこさん)
たしかに、クローゼットの中はすっきり整然としている。ともこさんは美容関連企業の広報で、勤務は私服とのことだが、もっと衣服が欲しくなることはないのだろうか。
「1週間で着回せる上下とワンピースを、ベーシックな色と多少の柄物でそろえています。どうしても買い足したい時は、自分が持っている服とのバランスを考えます。衝動買いはしないですね。買い足したら、引き換えに何かを手離すのですが、どうしても踏ん切りがつかない時は季節外の服と一緒にケースに入れておきます。衣替えの頃には気持ちの区切りがついてる感じです」(ともこさん)
一方、趣味の器と本は我慢せずに購入している。本は電子書籍も併用しているが、やはり紙のページをめくりながら楽しみたいとのこと。前述の隠し書棚に収まらないものは実家の自室に保管しているそうだ。
「器は一人暮らしを始めてからハマり出し、陶器市や若い作家さんの個展などに出かけて、少しずつ買い足しています。数は増えてきていますが、色やデザインのテイストを合わせて買っているので雑多な感じにならないんです」(ともこさん)

ローチェストの上にもお気に入りの小物を飾っている。いずれも手作りされた1点物ばかりで、やわらかな色合いでまとめられている。
「一輪挿しは松塚裕子さんの作品、豆皿は益子の陶器市で見つけた物、天使は飯野夏実さんの個展で購入しました。無印良品のアロマディフューザーをつけながら、このコーナーを眺めて一日の疲れを癒してます」(ともこさん)

愛着ある物は我慢しないで持つ。自分の気持ちに背いてまで物を切り捨てないことも、持たない暮らしを長く続ける秘訣のようだ。
インテリアは色数を抑えてシンプルに
シンプルかつスタイリッシュで温もりも感じさせる部屋。ベッド、テーブル、ローチェストなどが置かれているが、いずれも白、ライトグレー、ライトブラウンを基調としている。
「インテリアの色を統一すると見た目がすっきりして、部屋全体がシンプルな印象になるんです。インテリアそのものに色がたくさん入っていると、片付いていてもどこか散らかっているように見えてしまう。目から入ってくる情報を減らすことが大事なんです」(ともこさん)


「カーテンは部屋のムードを左右する大事なアイテムです。白ではなくライトグレーを選んだのは、部屋のアクセントにもなっているコンクリート柱と調和させたかったから」(ともこさん)

「シンク下のスペースに置いたワゴンなどは、壁や床の色に合わせて白で統一しました。排水管の材質ともマッチしてます。台所で使う物はカラフルなパッケージが多いのですが、ストッカーにしまっておけば、すっきりした見た目をキープできます」(ともこさん)

ともこさん曰く「無印良品のアイテムは、日本の建築モジュールに基づいて設計されているため、すっきり無駄なく配置できるのがお気に入り」とのこと。なるほど、多くのミニマリストが無印アイテムを活用しているのには、そういう理由があったのか。
ミニマリスト・ともこさん流〝小さな部屋を広く見せる〟テクニック
冒頭で紹介したとおり、居住スペース約6畳の〝ミニマルーム〟で暮らしているともこさん。しかし、実際その部屋を訪問してみても、あまり狭さを感じない。
それもそのはず、ともこさんは〝小さな部屋を広く見せる〟テクニックを駆使しているのだ。その〝広見せテクニック〟をいくつか教えていただいたので、ともこさんのコメントとともに紹介しよう。
広見せテクニック① 家具の奥行きをそろえる
「横一列に並べた家具の奥行きをなるべくそろえると、見た目がすっきりします。高さはバラバラしてても大丈夫なのですが、奥行きがデコボコしてるとにぎやかな印象になっちゃうんです。これから家具を買いそろえるなら、ぜひ奥行きをチェックしてみてください」(ともこさん)
広見せテクニック② 家具の高さは低めに
「背の高い家具はそれだけで圧迫感が出てしまうので、小さな部屋では低い家具がベストですね。私の部屋には姿見以外は40㎝くらいの家具しかありませんが、一般的には70㎝を目安にしたらいいかも。どうしても70㎝以上の収納家具がほしい場合は、オープンシェルフを選ぶと圧迫感を軽減できると思います」(ともこさん)
広見せテクニック③ 床面が見える割合を大きくする
「部屋の3分の1以上の床面が見えていると、だいぶすっきりした印象になります。でも、ところどころに床が見えているだけでは……。床はまとめて見せるのが大事です。部屋の端から端まで貫くように床が見えているのが理想です」(ともこさん)

持たない暮らしは〝自分自身を知ること〟から始めよう
たくさんの持ち物はフットワークを重くする。今まさに引越しを考えている人の大半が、それを痛感していることだろう。現に、引越しを機に持たない暮らしを始める人は多い。
「何事も完璧を目指す必要はないと思います。私自身がそうでしたが『自分でできる範囲』『自分の方に収納を合わせる』という考えでいいのでは?」と、ともこさん。
持たない暮らしを始めるのに焦ることはない。ともこさんのように、まずは自分のことを理解し、自分にちょうどいい方法をじっくり探してみよう。
文・写真=野中かおり
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