仙台のご当地アイドル・LUVYA ジェニファーの部屋をのぞいてみた!
声優を志し専門学校に進学したLUVYAのジェニファー。仙台でご当地アイドルを志したきっかけはなんと求人情報誌!? 新しい道を歩み始めたジェニファーのユニークな経緯に追る

ステージで歌って踊るジェニファーさん
仙台の1Kに住み声優を目指すLUVYAメンバー
プロフィール
ジェニファー
出身地:埼玉県
生年月日:1993年9月14日
趣味:アニメとバラエティ番組
特技:演劇
一人暮らし歴:5年
所属:LUVYA(ラブヤ)

LUVYA(ラブヤ)
結成:2012年
メンバー数:5人
宮城県仙台市を拠点に活動しているご当地アイドルユニット。東北一の歓楽街・国分町に専用ライブスペースを持つ。2012年4月、求人情報誌でメンバーを募集し結成された。厳しいトレーニングを経て上昇志向の高いメンバーだけを選りすぐっていった結果、現在の少人数編成になったのは約3年前。声優、歌手、モデルなど、メンバーはそれぞれの夢を胸に、毎日定期公演のステージに立つ。
LUVYA(ラブヤ) ジェニファーのお部屋

LUVYA(ラブヤ) ジェニファーの部屋の間取図
所在地:宮城県仙台市
家賃:56,000円
間取り:1K(16㎡)
築年数:30年
声優の夢に近づくためアイドルを志願
「進化する子羊、アップグレード、ジェニファー! めえ~」
メンバーが考案してくれたという不可思議なキャッチフレーズを掛け声に、開店前のステージで一人、オリジナル曲を熱唱する彼女。観客は私たち編集部の3人だけにもかかわらず、丸々一曲を全力で歌い上げんとしている。
彼女は仙台を拠点に活動する店舗型アイドルユニット「LUVYA」のメンバー、ジェニファーさん。声優を目指しながら、現在はアイドルとして精力的に活動。ジェニファーはもちろん芸名で、本人があまりにも奥ゆかしい性格であることから、店舗スタッフが「名前だけでも派手に」と授けてくれたという。
彼女がアイドルになったのは今から4年前、求人情報誌で「IDOL STAGE LUVYA」の募集欄を見たのがきっかけだった。当時、声優の専門学校に通っていた彼女は「歌いたい人、踊りたい人募集、ダンスレッスン、ボイトレあり」の見出しに惹かれたそう。
勤務先が東北随一の歓楽街、国分町だったことなどから、友人たちには「怪しいから止めときなよ」と猛反対されたが、どうせ生活費を稼ぐなら少しでも声優の夢に近づける仕事がいいと、勇気を振り絞って店舗のドアを叩いてみた。すると、意外にも(!?)営業形態は極めて健全で、オーナーが夢を持つ女の子たちを応援したい、という純粋な気持ちで始めた店だった。
店舗では毎日3回のライブがあり、合間にはホールで接客もこなす。彼女は週6日ペースでステージに立ち、さらにラジオやイベントへの出演なども行っている。そのうえ仕事以外の時間はトレーニングに充てる熱心さ。夢のためとはいえ、何故そんなに頑張れるのか尋ねると……。
「自分を追い詰めるのが好きな性格なんですよね。声優もアイドルも努力の成果が目に見えにくい分野なので、私頑張ってるぞっていう安心感が欲しいんです」
おおっ、まさに正統派アイドルのお手本的答え。ちょっぴりイラッとくるほどの純粋さが彼女のキャラクターだ。
縁もゆかりもなかった仙台移住の不思議な経緯

仙台のシンボル・伊達正宗騎馬像は、実はこの日まで見に来たことがなかったのだとか
天真爛漫なジェニファーさん。高校までは実家のある福島県で暮らしていた。仙台に住むことになったエピソードは奇想天外だ。
進学先を検討するため、声優コースのある専門学校・東京校に資料請求。するとなぜか、仙台校から資料が届く。不思議に思って送り主に電話すると、仙台校で学ぶことのメリットをとうとうと説明された。普通はここで、仙台の生徒を増やしたくてワザとやってるんじゃないの?と訝しがるところだが、彼女はこれを偶然、いや運命!と信じ、受け容れてしまったのだ。なんたる純真さ……。ちょっと心配になっちゃいます!
かくして親元を離れ、仙台での一人暮らしが始まった。不思議な経緯で入学した専門学校だったが、多忙なアルバイトをこなしながらも全うし、無事卒業。仙台にいる理由はなくなったが、ここに留まる道を選ぶ。LUVYAでの活動に生き甲斐を感じていたからだ。
「素人同然だった私に、人前に立つ貴重な場を与えてくれたのが、このお店。収入を得るための手段でもありますが、それ以上にアイドルとしての活動が大好きでなければ続けられませんでした。引っ込み思案だった私に、勇気を与えてくれたのもこの仕事なんです」

紆余曲折を経て、すっきり片付いたジェニファーさんの部屋
学生専用マンションからこの部屋に引越したのも、専門学校を卒業したタイミング。落ち着いた周辺環境、コンビニまで徒歩1分の利便性が、この部屋を選んだ主な理由だ。それにしても忙しい割に、部屋がきれいに片付けられている。
と、ここで秘密を暴露! 実は取材直前にLUVYAのメンバー総出で部屋を掃除してくれたというのだ。マネージャー曰く「とても他人様に見せられる状態ではなかった」とのこと。物を棄てられない性格で、ファンの方からの贈り物はもちろん全て保管。中学生の時に使っていた教科書やプリントまで取ってある始末で、大量の物にあふれ、部屋は荒れ果てていたとか。

本棚にはファンからの贈り物と、昔から好きだったという少年マンガが

専門学校時代から愛用している発音辞典は必需品
「横になって寝そべる空間さえあれば、生きていけるタイプ。ほら、大物ほど狭い部屋を好むって言うじゃないですか(ホントか?)」
相変わらずの天然ぶりが炸裂しているが、ここにきてようやく素顔の片鱗が見られた思いだ。さて、夢に向かって邁進してきた彼女だが、この部屋に住み始めてから小さな変化が訪れている。一つは料理するようになったこと。アイドル業以外の時間も少しは充実させたいとの思いから、メンバー全員のお弁当を作っているそう。ちなみに無償ではなく、1個250円で販売。そんなちゃっかりしたところも、彼女が持つ一面なのだ。

声優の仕事を勝ち取るため、東京でのオーディションにも積極的に参加している。マンガを朗読する「漫読」で日々トレーニングを行う
もう一つは、本名・畠山菜生名義での活動が徐々に動き始めたこと。関東ローカル番組に女優として出演することが決まり、本来目指していた声優業のオファーも少しずつ入り始めた。
「声を演じるだけでなく、いろんなことに挑戦してみたい……。アイドルとしての経験を通して、そう思うようになりました。いつか畠山菜生として独り立ちし、LUVYAの存在をより多くの人に知っていただけたらうれしいですね」
5年間で仙台への愛着が湧き、たとえ今後、東京での仕事が増えても、できる限りここに居続けたい、彼女はそう考えている。店舗型アイドル発のサクセスストーリーをいつかまた取材してみたい。
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文=田端邦彦
写真=阿部昌也
※「CHINTAI2017年7月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています
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