【暮らし探訪】絆とネタが生まれる部屋!? 戸建て賃貸で芸人仲間とルームシェア

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29歳を迎えたとにかく元気なお笑い芸人「にほんばれ」の浅沼カズトさん。絆とネタが育まれるという芸人仲間との戸建て賃貸暮らしを取材してみた

【暮らし探訪】絆とネタが生まれる部屋!? 戸建て賃貸で芸人仲間とルームシェア

プロフィール

名前:浅沼カズトさん
職業:お笑いコンビ「にほんばれ」(ボケ担当)
http://www.p-jinriki.com/talent/nihonbare/
twitter:@asanumato
出身地:東京都
生年月日:1988年7月25日
小学生のころの夢:プロ野球選手
小学生時代のマイブーム:ラケット野球、遊戯王カード、
ポケモン、一輪車で通学、チョコのおまけ集め

ルームデータ

所在地:東京都杉並区
間取り:4DK(84㎡)
家賃:15万2000円
築年数:33年

1~2階の間取図
1~2階の間取図

ネタ作りのために始めた一軒家ルームシェア

若手芸人の家と聞いてやって来たのは、ごく普通の一軒家。「本当にここ?」と思いながらインターホンを押すと……。
「どもー! お待ちしてました!」とド派手なスーツを着た人物がハイテンションで登場。

「この服、衣装なんですけど、実は今日初めて着たんです。取材なんで気合いを入れないと!」
静かな住宅街に似つかわしくない暑苦しさで現れたのは、お笑い芸人「にほんばれ」の浅沼カズトさん。相方の佐竹秀和さんと、同じ事務所の芸人2人、計4人で4DKの一軒家をルームシェアしている。

この家に住み始めたのは4ヵ月ほど前のこと。理由は「相方と住んだほうがネタ作りがしやすい」から。しかし、相方と2人だとストレスが溜まるかもしれないし、大人数で住んだほうが家賃が安くなるということで、芸人仲間を加えて4人で住むことに。新宿に近い場所で、1人4万円弱でDK付き、風呂付き、庭付きの家に住めるのだから、若手芸人にしてはかなりいい暮らしぶりだ。

一転、普通のテンションで「何もないんですけど……」と案内された浅沼さんの部屋は、2階の8畳の和室。置かれているのは、テレビにちゃぶ台、座椅子、ホワイトボード、腹筋マシンくらい。物が少なく片付いているせいか、部屋が広く感じる。

「なるべく物を置きたくないし、生活感を出したくないんです。布団も毎日仕舞います」と、まっとうな回答をする浅沼さん。なかなかのきれい好きのようだ。

「休みの日というか、週1~2日のバイト以外ほとんどがオフなんですけどね。部屋にいる時は座椅子に座ってぼーっと外を眺めたり、ネタを書いたりしています。前はMacでネタを書いていたんですけど、事務所の先輩に『お前、こんなの使うキャラじゃないだろ』って言われて。それ以来、ノートに書くようになりました」

ネタを作る時は相方の佐竹さんが浅沼さんの部屋にやって来る。以前に住んでいた4.5畳収納ナシの部屋から持ってきた大きなホワイトボードに、浅沼さんが思いついたシーンやセリフを書き込んでいく。そして、押し入れに座った佐竹さんが口を出す、というスタイル。一緒に住むことがネタ作りに活きているのだろうか?

「エピソードトークのネタが増えましたね。たとえば、この前2人で外を歩いていたら、佐竹がカッコいいことを言った後に電柱にぶつかって……って、つまらないですね。このネタ、もう少し練ります!」

ネタ合わせの際にはホワイトボードを使用。同居する他の芸人が浅沼さんの部屋に来ることも
ネタ合わせの際にはホワイトボードを使用。同居する他の芸人が浅沼さんの部屋に来ることも

体育教員になる予定があきらめきれず芸人の道へ

芸人養成所を出て、今のコンビを組んで2年。「にほんばれ」らしい芸風を確立すべく模索中だ。そもそも浅沼さんはなぜ、安定した仕事とはほど遠いお笑いの世界を目指したのか?

「実は大学時代に体育教員を目指していたんです。一方で、子どもの頃から芸人にあこがれていて、ずっと迷っていました。決心したのは教員免許を取得するための授業の時です。『子どもに教えたいことは何ですか?』って聞かれて、『やりたいことはやったほうがいいと伝えたい』って答えたんですが、あれ、自分はやりたいことをやってないぞと気付いて」

そして、無事に教員免許を取得したにもかかわらず、浅沼さんは芸人を目指して養成所に通い始めたのだった。今29歳だが、芸人としていつ売れるのかはわからない。しかし、「30歳過ぎたら辞めるとかは、あまり考えていないですね」と浅沼さん。

「身近な先輩に30歳代でも下積みしている人もいますし。とりあえず、自分が納得するまでやりたい。教員の道を捨てて芸人になったのに、お笑いを理解する前に辞めるワケにはいかないですから」

もし売れなくても、教員免許があれば生きていけるのでは?

「教員免許って10年で切れるんです。それまでに1回もテレビに出られなかったら芸人辞めるって言ってたんですけど、1回だけテレビに出させてもらっちゃったんです。だからもう芸人辞められない(笑)」

全力でお笑いの道を進む覚悟をしている浅沼さん。目標はもちろん「爆売れすること」。

「爆売れしたら、高級タワマンに住みたい。で、部屋から見下ろした夜景の写真をSNSに上げます。場所は、駒沢公園って決めてるんです」と言いつつ、一気に売れっ子になる夢を見ているわけではなく、堅実な未来設計を描いているようだ。

「3年後には僕らのことをもっとみんなに知ってもらって、5年後にはM-1グランプリで決勝に進める力を身に付けて、10年後にはラジオ番組やロケができる芸人になりたいです」

「そんなに時間がかかってしまっていいの?」と聞いてしまったが、その後の浅沼さんの一言に納得。

「だって、身近にいるめちゃくちゃおもしろい先輩たちですらテレビに出ていない。だから、僕らは努力を続けてもっと実力を付けなきゃいけないんです。でも、いつかは、駒沢公園の高級タワマンに……!」

相方の佐竹さんいわく「何でもネタに昇華できるポジティブなところ」が浅沼さんの持ち味だそう
相方の佐竹さんいわく「何でもネタに昇華できるポジティブなところ」が浅沼さんの持ち味だそう

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文=村上佳代
写真=阿部昌也

※「CHINTAI2017年10月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています
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https://www.chintai.net/magazine/

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