【子育てと賃貸】狭めの部屋で家族団欒。56㎡の部屋で手に入れた家族の幸せとは!? 

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賃貸だからこそ得られた快適さ

広さ=居心地の良さではない、小さなリビングの幸福感。家に帰ってくればそこに集まる、そんな住まいを住み替えで得た家族を取材してみた。

賃貸なら、家族の形態に合わせて住み替えられる

妊娠をきっかけに結婚したゆりさん。結婚当初は東京にある実家で自分の両親と同居し、2年後にはご主人のお父さまからの「部屋が余っているから」という提案で千葉県船橋市での同居を開始。

家の事情でやむなく出ていかなくてはならなくなり、結婚後7年目の昨年、初めて『家族だけの暮らし』を手に入れた。
「同居を苦に思ったことは一度もないけれど、家族だけの生活ってこんなに自由で気楽なんだと自分でも驚きました」

「必要ないと思っていたカウンターキッチン、使ってみると便利だった」とゆりさん

自然と集まる場所になった小さなリビング

新居の条件はただ一つ【長男の小学校学区を出ないこと】。「絶対に転校したくない!」と珍しく自己主張した長男を見て、子どもの友だち付き合いを犠牲にできないと近隣のファミリー向け賃貸を探し始めた。

困った時にお互いの両親に頼ることも多いので、それぞれの家からもなるべく遠くならないよう配慮しながら新居を探したという。

急いでいたこともあり、ネットの写真だけで内見もせずにこの物件に決定。広そうに見えたリビングは想像したよりも狭く、最初は不満を感じたものの、広々としていた義父の分譲マンションの頃よりも、なぜか家族全員が集まってリビングで過ごす時間が増えたという。

特に必要とは思っていなかったカウンターキッチンも「食べたらお皿を下げる場所」として定着し、子どもの食事作法の一つになった。
「長男の部屋も作りましたが、宿題もリビングでするし寝るのも4人一緒、子ども部屋にはランドセルを置きに行くくらいで(笑)」

『広い=居心地の良さ』という単純な構図ではないところが、家というものの面白さ。小さなリビング・ラグの上で、4人が重なり合うようにして笑っている風景が目に浮かぶ。

長男の部屋は常に片付いている。ここで過ごすことは少なく、勉強もリビングでしているそうだ

「家に買い時なんてない、そんなのは考え方の問題だよ」

「長男が中学入学くらいのタイミングで近くの一軒家を借りる予定」というゆりさん夫婦。現在も階下や隣には同じようなファミリー層が暮らし、お互いさまの精神で苦情も全くないが、今後も次男が騒いでも叱らなくていい環境にしてあげたいと考えている。また、長男がどこの中学、高校に行きたがるかわからないので、その都度住み替えていけばいいと話してくれた。

そんなゆりさん夫婦は友人たちから「どうして家を買わないの?」と聞かれることもしばしば。この地区は土地付き戸建てでも2000万円台で購入できるうえに、都心へのアクセスも良い便利な場所で周囲には住宅購入者が多い。

しかし「壊れたら大家さんに電話すれば修理してくれる、古くなったら新しい物件に移ればいい。賃貸の好条件を考えたら購入する気持ちになれない」のだそう。夫婦2人の間では、定年間近までは賃貸生活と決めている。

「子どもの成長やライフスタイルに合わせて家は形を変えるべきもの。子どもの進学先によっても便利な場所はその都度変わるし、私たちの考え方も変化するかもしれません。自分たちの好みで買った家が子どもの将来にプラスになるとも限らないですし」という細やかな親心も覗かせた。

文=元井朋子
写真=古本麻由末

※雑誌「CHINTAI」2017年3月2日号の記事をWEB用に再編集し掲載しています。

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