CHINTAI街歩き特集~谷中銀座編~
都内の人気エリアから、ちょっとディープなスポットまで実際に歩いてその街の魅力を伝える同連載。第5回目は谷中銀座周辺を探索してみよう。

谷中銀座にはどのような魅力があるのだろう?
最近、テレビや雑誌などで取り上げられることが多い「谷中銀座」。一度は名前を聞いたことがある人もいるだろう。しかし、一体どこに魅力があるのかと疑問を持つ人も少なくないはずだ。
谷中銀座は、東京メトロ千代田線の千駄木駅、または山手線の日暮里駅から徒歩圏内に位置するエリア。ちなみに谷中銀座が属する「谷中」と、周辺にある「根津」「千駄木」を合わせて「谷根千」(やねせん)と呼ばれている。
まずは谷中銀座のシンボルでもある「谷中銀座商店街」を歩いてみた。この商店街には60軒以上の飲食店や総菜店、雑貨屋などが並ぶ。谷中銀座商店街がほかの商店街と一線を画すのは、数十年の歴史を誇る店から最近オープンしたオシャレな店まで、バリエーション豊かな店舗が並んでいるところだろうか。

多くの人でにぎわう「惣菜 いちふじ」。食べ歩きに最適だ
近辺には谷中銀座商店街のほかにもいくつかの商店街があり、シチュエーションに分けて歩く場所を決めても良さそうだ。このあたりに住んだら、自分のお気に入りの店を見つけてみるのも楽しいかもしれない。

“よみせ通り”にも多くのお店が軒を連ねている

地元ならではのスーパー「のなかストアー」
スーパーやドラッグストアなどの生活必需品がそろう店も多く見られた。また、日暮里駅まで足を延ばすと量販店が多くあるので、そちらに訪れてもいいかもしれない。

なんだか趣のある住宅街の路地
商店街の脇道を一本入れば、閑静な住宅街が広がっていた。周囲を歩いていると、いきなり目の前に長い石階段が現れたり、いったいどこに繋がっているのか知りたくなるほどの小さな道がそこら中に伸びていたり。探検したくなるような街並みが広がっている。

日本医科大学付属病院
谷中銀座は台東区と文京区、そして荒川区のちょうど中間に位置していることもあり、病院などの施設も充実している。

谷中霊園
谷中銀座並びに谷根千の歴史は古いことでも有名だ。谷中エリアは「寺院の屋根の下に谷中の町がある」と言われるほど寺が多く、その数は約70寺。また、「谷中霊園」には、15代将軍の徳川慶喜や日本画家の横山大観など、多くの著名人が眠っている。

根津神社の隣にある「乙女稲荷神社」には多くの鳥居が
東京十社のひとつ「根津神社」は、近代文学の作品中にもしばしば登場する。歴史好きのみならず、日本人なら誰でも楽しめる観光スポットではないだろうか。
また同エリアは、子育て支援なども充実。台東区は実家に里帰りをしても助成を受けることができる「里帰り出産」や「児童育成手当」などの支援を行っている。また、文京区は2015年4月から始まった「子ども・子育て支援新制度」によって、こちらもまたさまざまな子育て支援策を打ち出している。

商店街のイメージが強い谷中だが、そこだけに注目するのはもったいないほど、暮らしやすそうな街並みだった。日常生活に彩りを加えてくれる商店街や、いつ歩いても新しい発見がありそうな住宅街、そして多くの歴史的な建造物。
最寄り駅である西日暮里駅はJR山手線、京浜東北線、東京メトロ千代田線、日暮里・舎人ライナーの4路線が通っており、職場や学校などへ快適なアクセスが期待できる。それに加え、徒歩20分ほど歩けば上野近辺なので、休日は美術館や公園で過ごすこともできそうだ。
このアクセスの良さに、谷中銀座周辺に住んでいる人をとてもうらやましく感じた。引越しを考えている方は、谷中銀座を候補に入れても良いかもしれない。
(長橋諒+ノオト)