秋は空き巣が増える!? 狙われやすいのはどんな住宅?
心地よい夜風に虫の声。秋になると窓を開けたまま眠りにつく人もいるかと思う。でも、ちょっと待って! そのちょっとした油断が、空き巣被害を招く可能性につながるのだ。
セキュリティ工事を手掛ける「トレネッツ」の代表取締役で、「住まいの防犯.com」の防犯アドバイザーでもある藤掛誠一郎さんによると、年間を通して秋から年末にかけてが、もっとも空き巣が増える時期だという。その理由を教えてもらった。
秋に空き巣が増える理由
1.行楽シーズンで旅行に出かけたり、運動会や秋祭りなどが行われたりして、自宅を留守になる機会が増える
2.日が暮れる時間が早くなり、泥棒が活動しやすくなる時間が増える
3.涼しくなると、窓を開ける時間が長くなる
4.クリスマスや年越し、正月など暮れのイベントに向けて、自宅に現金を置くことが増える
平成26年度の神奈川県警による空き巣発生状況をみても、10月~2月頃にかけては、空き巣の被害件数が増えている。
また、「空き巣に狙われやすい住宅がある」と藤掛さんは続ける。以下にその特徴を挙げてもらった。
空き巣に狙われやすい住宅の特徴
1.窓が通りから見えない、見えにくいなど死角になっている
2.角地に建っている住宅は、侵入しやすく逃げやすい。また、塀や庭木で隠れている住宅は、入ってから隠れやすい
3.街灯が近くになく、住宅の周りが暗い
4.庭の雑草が伸びていたり、家の周りが汚れていたりすると、片付ける習慣がなく、住宅のなかも、大事なものが出しっぱなしになっていると思われる
警視庁の統計データによれば、空き巣の侵入場所の7割は窓からによるもの。では、どのような対策をとればいいのだろうか?
「まず、窓を開けっぱなしにしておいた状態で、空き巣対策はできないと思った方がいいです。侵入方法の約3割強(一戸建て/愛知県※2013年)が、玄関や勝手口、窓などの無施錠が原因。それ以外にも、寝ている時に侵入する『忍び込み』や、居間などでテレビを見ていたり、風呂に入っていたりする時に侵入してくる『居空き』があります。決して部屋に誰かがいるから安心ということはありません」
ほとんどの泥棒は事前に下見を行い、衝動的に空き巣に入ることはないという。下見の段階で、狙われないために有効な手段はあるのだろうか?
「防犯四原則というものに、『時間』『光』『音』『目』というのがあります。この中でも特に空き巣に効果があるのは『音』と『目』。『音』は部屋の外に音が鳴るものを設置することで、誰かが近づいた時に、周りに知らせることができます。『目』は、日ごろから近所の人たちと挨拶したり、交流が盛んな地域だったりすると、不審者がうろついていれば、情報共有が行われると泥棒は予測するので、犯行対象箇所から外します」
藤掛さんは、「油断は泥棒が一番大好きなもの」と話す。「2階以上だから大丈夫だろう」「盗まれるものなんかないから……」などと油断している人は、心を引き締めることが肝心。被害に遭ってから後悔しても、時間は戻らないのだ。
(ミノシマタカコ+ノオト)