間取り図の「WIC」「CL」の違いは?収納スペースの種類とメリット・デメリットを解説

賃貸物件の間取り図を見ていると、「WIC」や「CL」、「押入れ」など、収納にまつわる表記を目にすることがある。見た目や呼び方は似ていても、広さや使い勝手には大きな違いがあり、どれを選べば手持ちの荷物が収まるのか迷うことも多いはずだ。
この記事では、CHINTAIで広告表示基準を管轄する情報審査室が、各収納の定義や違いをわかりやすく解説。加えて、整理収納アドバイザーのおふみさんに、暮らしに合わせたおすすめの収納術や内見時のチェックポイントを伺った。自分の荷物量や暮らしに最適なお部屋選びに、ぜひ役立ててほしい。
このページの目次
ウォークインクローゼット・クローゼット・押入れ・物入れは何が違う?
収納スペースにはいくつかの種類があり、間取り図の表記もそれぞれ異なる。まずは主な4つの違いを比較表で確認してみよう。
| 種類 | 間取り図の表記 | 奥行きの目安 | 主な設置場所 |
|---|---|---|---|
| ウォークインクローゼット | WIC | 1畳半〜2畳程度(人が歩けるスペース) | 洋室 |
| クローゼット | CL | 60cm〜1m程度 | 洋室 |
| 押入れ | 押入・押入れなど | 75〜80cm程度 | 主に和室 |
| 物入れ | 物入・物入れなど | 物件によりさまざま | 洋室・和室どちらも |
各収納の特徴とメリット・デメリット
ここからは、ウォークインクローゼット・クローゼット・押入れ・物入れの順に、それぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていこう。
ウォークインクローゼット(WIC)の特徴とメリット・デメリット
ウォークインクローゼットとは、人が中に入って歩けるサイズのクローゼットのことだ。内部には棚やハンガーパイプが備え付けられており、広さは1畳〜2畳程度が一般的である。
メリット
- 大容量のスペースがあり、衣服だけでなく、靴・かばん・スーツケース・扇風機などの季節家電もひとまとめに収納できる
- 人が入れるスペースを活かして、着替え場所としても使える
- 十分な広さがあれば、夏物・冬物の入れ替えといった衣替えの手間が減らせる
デメリット
- 押入れやクローゼットに比べて専有面積が大きいため、同じ平米数の物件でも生活スペースが狭く感じられやすい
- 収納スペースが広い分、位置を決めずに収納すると足の踏み場がなくなったり、どこに何をしまったかわからなくなったりしやすい
クローゼット(CL)の特徴とメリット・デメリット
クローゼットとは、ハンガーパイプがかけられた衣類収納用のスペースのことだ。奥行きの目安は60cm〜1m程度で、人が中に入って使用することはできない。
メリット
- ハンガーにかけた衣類をひと目で確認でき、効率よく取り出せる
- 奥行きが必要最小限のため、居室の広さを圧迫しない
デメリット
- 布団や奥行きのある衣装ケース、大型スーツケースなどの大型荷物の収納には向かない
大型荷物には向かないクローゼットだが、衣類の収納力自体は工夫次第でさらに引き上げることができる。整理収納アドバイザー・おふみさんに、おすすめの収納アイテムを聞いた。
ウォークインクローゼットやクローゼットでおすすめなのが「収納アップハンガー」です。ハンガーポールに取り付けると段違いで衣服を掛けられるようになり、収納力が約1.5倍になりますよ。
押入れの特徴とメリット・デメリット
押入れとは、主に和室に設けられる収納空間のことだ。奥行きは75〜80cm程度が目安で、クローゼットよりも深いつくりになっている。中段の棚板で上下2段に分かれているのが基本構造だ。
メリット
- 奥行きと幅があるため、布団や来客用寝具などかさばるものが収納しやすい
- 奥にオフシーズンの荷物、手前に普段使うものを置くなど空奥行きを活かした前後収納ができる
デメリット
- デフォルトではハンガーパイプが付いていないことが多く、服をかけて収納したい場合はハンガーラックなどを用意する必要がある
押入れは「奥行きと高さ」を制するのがコツです。使用頻度の高いものは立ってアクセスしやすい中段に、使用頻度が低いものは天袋などの取り出しにくい場所に配置すると一気に使いやすくなります。
物入れの特徴とメリット・デメリット
物入れとは、押入れにもクローゼットにも当てはまらない、規格外のサイズや仕様の収納スペースを指す言葉だ。扉の形状や内部のつくりは物件によってさまざまで、明確な定義がない点が特徴。
メリット
- 掃除機やフローリングワイパー、トイレットペーパーのストックなど、居室に出しておきたくない日用品置き場に重宝する
デメリット
- 奥行きや幅が規格外なことが多いため、市販の収納グッズが合わないことがある。事前に寸法をよく確認する必要がある
どんな人にどのタイプが向いている?
それぞれの収納タイプについて、求める条件ごとの適性を表にまとめた。
| 求める条件 | ウォークインクローゼット | クローゼット | 押入れ | 物入れ |
|---|---|---|---|---|
| 衣類を吊るしてまとめて収納したい | ○ | ○ | △ | △ |
| 布団などかさばる寝具を収納したい | ○ | △ | ○ | △ |
| 収納スペース内で着替えたい | ○ | × | × | × |
| 居室(生活スペース)の広さを優先したい | × | ○ | ○ | ○ |
| 用途を決めず雑多な荷物を置きたい | △ | △ | △ | ○ |
それぞれのタイプが向いている人を簡単にまとめると、以下のとおりだ。
- ウォークインクローゼット:荷物が多い人、収納をひとまとめにしたい人
- クローゼット:衣服の管理をひと目で分かりやすくしたい人
- 押入れ:布団や大型スーツケースなどの大型家具の収納を重視する人
- 物入れ:日用品や雑多な荷物が多く、部屋をすっきり保ちたい人
自分に合ったタイプを見極めるために、整理収納アドバイザー・おふみさんによる「荷物のタイプに応じた選び方のポイント」も参考にしてみよう。
服が多い方には、クローゼットがおすすめ。ウォークインクローゼットは人が通るための通路スペースを確保する必要がある分、収納できる量が少なくなってしまいます。アウトドア用品やスーツケースなど、かさばる荷物が多い方は納戸や押入れがあると便利です。
収納が足りているかの見極め方と内見チェック術
収納の適正サイズは、世帯人数だけでなく手持ちの荷物量によっても変わるため、一概に「何畳あれば十分」とは言い切れない。整理収納アドバイザーのおふみさんに聞いた、部屋探しの段階で失敗しないための実務的な見極め方を紹介する。
シミュレーションと余白の確保
まずは現在の住まいにある荷物を書き出し、新居の間取り図に当てはめてみよう。
収納は奥行きの確認も大切です。幅が同じでも、押入れからクローゼットに変わると奥行きが浅くて手持ちの衣装ケースが入らない、ということも起きます。
また、収納は10割限界まで詰め込まないことが鉄則。ライフスタイルの変化で荷物は増えがちです。収納全体の2割程度は余白を設けておくと、新しく増えた荷物を収納するバッファになります。
内見時の採寸チェックポイント
現地へ内見に行く際は、必ずメジャーを持参し、以下の4箇所を採寸しておくと安心だ。
・収納内部の幅・奥行き・高さ:手持ちの衣装ケースやカラーボックスが入るか確認する
・ハンガーパイプから棚板までの高さ:丈の長いコートやワンピースが床についてしまわないか確認する
・扉を開けたときの可動域:開き戸の場合、近くにベッドやドアがあると干渉して開かなくなるため、扉前のスペースも測る
・搬入口の寸法:押入れなどに大きな衣装ケースを入れる場合、扉の開口幅が狭くて入らないケースに注意する
ただし、収納という条件だけを優先して部屋を選べるとは限らない。エリアや駅徒歩、築年数など他に優先したい条件があれば、収納面で妥協が必要な場面も出てくるだろう。普段から不要なものがないか点検し、物量を減らしておくと、部屋選びの選択肢を広げやすい。
Q&A
Q1. 収納スペースが少ない部屋でも、うまく収納できる?
収納が少ない場合は、突っ張り棒や壁掛け収納など、賃貸でも使えるアイテムを活用することで補える。原状回復に配慮しながら空間を有効活用する工夫を知っておくと安心だ。
Q2. 「MB」や「PS」など、他にも間取り図で見かける記号の意味を知りたい
間取り図には、WICやCL以外にも「MB」「PS」「SB」「DEN」などさまざまな略語が使われている。それぞれの意味を知っておくと、物件選びの際に間取りをより正確に把握できるようになる。
まとめ
ウォークインクローゼット・クローゼット・押入れ・物入れは、広さや構造、向いている荷物がそれぞれ異なる。ウォークインクローゼットは収納力が高い一方で一定の床面積を占めるため居住スペースとのバランスを考慮することが大切である。押入れは布団などの寝具向き、物入れは中途半端なサイズの荷物の置き場として、それぞれ使い分けられている。
自分の持ち物の量や種類、ライフスタイルを客観的に把握したうえで、内見時の採寸をしっかり行い、自分にぴったりの収納を備えたお部屋を見つけよう。









