リビングの定義とは? ダイニングやキッチンとの違いや間取りの意味を解説
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リビングの定義ってなに? 間取りから知るお部屋の情報

物件探しでは、部屋の情報を知るために間取りをチェックするのが一般的だ。その際、よく目にするのが「L」という略記だが、これがリビングのことである。
一般的に認識されているリビングは「居間」であり、和室でいえば「茶の間」の部分となる部屋で、テレビや映画を観たり本を読んだり、来客があればもてなす場所として使ったりする空間がリビングだ。
昔の日本の住宅事情は、ご飯を食べるのも寝るのも一部屋だったが、戦後になり食寝分離が推進されて寝室ができた。高度経済成長にともなって居住空間も豊かになり、食事をする場所とは別にくつろぐスペースとして、間取りにリビングが設けられるようになった。
ファミリー向け物件ではリビングがあるのが一般的だが、一人暮らし向けの物件では必ずあるものではなく、平米数によってはリビングとダイニングがひとつにまとめられているものもある。
そもそも、リビングやダイニング、キッチンとはどういった違いがあるのか、間取りの意味も併せて解説していこう。
間取りのリビング・ダイニング・キッチンそれぞれどういう意味?

間取りでは、部屋の構成がLDKやDKなどで表記されるが、「L」はリビング・「D」はダイニング・「K」はキッチンの略である。
リビングやダイニングなどに関しては、聞いたことがあるとしてもどういったものなのか、詳しいことは知らないという方も多いだろう。
ここでは、それぞれの意味について解説していこう。
リビング(L)
前述しているが、リビングを日本語でいうと「居間」である。
居間の使い方は人それぞれだが、一般的にはテレビを設置したりソファを置いたりする場所だといえば分かりやすいだろう。
ファミリー世帯であれば家族団らん、一人暮らし世帯であれば友達が着たときにもてなしたり、ゲームや映画鑑賞などを楽しんだりするのがリビングとなる。
ダイニング(D)
ダイニングは食事をする部屋のことで、ダイニングルームのことを指す。
本来はキッチンやリビングとは別室であり、独立していてダイニングテーブルや椅子を置いてある部屋ダイニングとなるが、賃貸物件の場合は戸建てのような広さを確保できないため、キッチンとダイニングがひとつにまとまっていることも多い。
キッチン(K)
キッチンはその名のとおり料理をする場所で、シンクやコンロ、冷蔵庫などが設置されているコーナーを指す。
部屋として独立している物件は少なく、ダイニングの一部に料理コーナーがある、もしくはカウンターで簡単に区切られているのが一般的だ。
サービスルーム(S)
近年増えているのが、1LDK+Sや3DK+Sという間取りにSと表記されるサービスルームだ。
サービスルームは、建築基準法において居室にはできない部屋のことで、一般的には納戸として使われることが多い。
建築基準法では、採光や換気を行うための窓面積の最低ラインが定められているため、たとえばサービスルームに窓があったとしても、階段などで影になってしまう場合は採光が取れないことから居室にはできないのだ。
もちろん、住む人がそこを居室にしたいというのであれば、寝室として使うことも可能である。
しかし、建築基準法で居室にできないとされているため、電話やテレビの回線が引かれていなかったり、空調設備を設置できなかったり、普通の部屋としての機能が完備できないことは知っておいたほうが良いだろう。
リビングダイニングキッチン(LDK)とダイニングキッチン(DK)の違いは?
リビングは居間、ダイニングは食事をするところとなるので、両者の違いは簡単に理解できるだろう。
しかし、LDKやDKという間取りの表記では、なんとなくLDKは広くてDKだとちょっと狭いなど曖昧なイメージで捉えてしまう方も多いのではないだろうか。
確かにLDKが広いのだが、用途や面積などは不動産公正取引協議会で定められている。つまり、どちらの間取りを選ぶかで住みやすさが変わってくるので、広さの違いをしっかり理解しておく必要があるのだ。
ダイニングキッチン(DK)とは
ダイニングキッチン(DK)とは、ダイニングとキッチンが同じ場所に設置されている部屋のことを指す。
1DKの場合は、居室プラスダイニングキッチンが設けられている。このタイプのダイニングキッチンの広さは、4.5畳以上8畳未満と定められているが、キッチンや冷蔵庫の部分を2畳だとした場合、4.5畳だとテーブルと椅子を置くとかなり狭く感じられるだろう。
さらに食器棚などを置くと空間の余裕がほとんどなくなるため、ダイニングを食事スペースとして検討しているのであれば、6畳から8畳の物件を選ぶようにするのがベストだ。
リビングダイニングキッチン(LDK)とは
リビングダイニングキッチン(LDK)とは、ダイニングキッチンにリビングとしても活用できるスペースがある部屋のことを指す。
少々分かりづらいかもしれないが、簡単にいうと広めのダイニングキッチンがリビングダイニングキッチンだ。
1LDKであれば、居室プラスリビングダイニングキッチンがあり、広さは8畳以上と定められているため、食事をする部屋と居室をしっかり分けることができる。
8畳ではソファなどを置く余裕はないかもしれないが、食器棚やテーブルを置いてもスペースが余るので、テレビやチェアを置いてリビングとして活用できる。
リビングダイニングキッチン(LDK)とダイニングキッチン(DK)の違い
リビングダイニングキッチン(LDK)とダイニングキッチン(DK)は、畳数によって区別される。
そのため、単に表記だけでLDKは広い、DKでもきちんと食事ができるスペースがあるというように判断してしまうと、時間を作ってわざわざ内見しに行ったのに、想像と違い無駄足になったなんてことになりかねないため注意しよう。
広さの目安は畳がもっとも分かりやすいので、事前にLDKとDKの広さの違いをチェックしておくといいだろう。
部屋数 | LDK | DK |
---|---|---|
1部屋 | 8畳以上 | 4.5畳以上 |
2部屋 | 10畳以上 | 6畳以上 |
「LDK」「DK」はリビングダイニングキッチンのそれぞれが独立していることはない
「LDK」や「DK」は、リビング・ダイニング・キッチンを兼ね備えた居室があるという意味になるため、それぞれが独立した空間になっているわけではない。
名称はつけられているが、あくまでもひとつの空間にどういった機能があるかを示すための表記なのだ。
ただし、物件によってはキッチンだけ独立していることもあり、そうなるとダイニングやリビングには余裕ができる。
しかし、独立していれば部屋が広いということではないので、LDKやDKの広さに関しては必ず畳をチェックしておかなくてはいけない。
間取りを知って自分に合った物件を探そう!
部屋探しの際、間取りを知っておくことはとても重要だ。広ければ良いと平米数だけで判断してしまうと、くつろげるスペースがなく、自分の部屋でありながら落ち着くことができないなんてことになってしまう。
人によって違いはあるものの、生活をするうえでリラックスできる空間があるというのはとても重要だ。だからこそ、LDKやDKなど間取りのことをしっかり理解して、自分に合った物件を探すことが部屋選びに失敗しないコツといえるだろう。
文=CHINTAI編集