引越し挨拶、どうすればいい?時間帯・範囲・手土産の正解マナー

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引越しの挨拶をしたいけれど、「どの時間帯に行けばいいか」、「手土産の相場はどのくらいか」、「相手が不在だった場合はどう対応すべきか」など、マナーがわからず迷う人は少なくない。

また、特に女性の一人暮らしなら防犯上の不安もあるだろう。そこで今回は、引越し挨拶のマナーと手順を、旧居・新居・不在時・女性の一人暮らしのケースに分けて解説する。事前に「型」を知って、迷うことなく引越し挨拶を完了させよう。

引越し挨拶はなぜ大切なのか

引越し作業では、荷物搬入時の騒音や引越し業者のトラックが通路を塞ぐといった状況が起きやすく、近隣に迷惑をかけてしまうことがある。事前に挨拶を済ませておけば、こうした事態も大目に見てもらえる可能性が高い。

CHINTAIが行ったアンケート(※)では、29歳〜44歳のY世代の65.9%、18歳〜28歳のZ世代の56.2%が引越し挨拶の経験があると回答。挨拶をする理由としては「礼儀として」「ご近所づきあいを円滑にするため」が多く挙げられた。

CHINTAIが2024年に行った引越し挨拶に関するアンケート結果。あいさつ回りをする理由の1位は「礼儀として」
※調査時期:2024年4月、調査対象:Webアンケート回答者(Z世代・Y世代545名)

挨拶によって顔見知りになれば、入居後も生活音など大きなトラブルに発展するリスクを減らせる可能性がある。ゴミ出しのルールを教えてもらえたり、緊急時の助け合いの足がかりになったりと、メリットは多い。

女性の一人暮らしは挨拶しなくていい?

女性の一人暮らしの場合、防犯上の理由から、近所に一人暮らしであることを知らせない方がいい場合もある。無理に挨拶をする必要はない。特に、本人が対面することに強い不安を感じるほどであれば、挨拶を控えるのが最も安全な選択肢だ。

一方で「近所にどんな人が住んでいるか把握したい」「困ったときに助け合える関係を作りたい」という場合は、挨拶を行う価値は十分にある。その際は、以下のような工夫でリスクを抑えたい。

①家族や知人に「同行」してもらう

一人で対応せず、家族や男性の友人に同行してもらう。周囲に「頼れる存在がいること」を印象付けることができ、防犯上の牽制(けんせい)となる。

②書面(挨拶状)で挨拶を済ませる

ポストに挨拶状を投函する、あるいはドアノブに挨拶状を添えた手土産をかけるなど、対面を避けて挨拶を伝える方法もある。これなら顔を見られずに丁寧な印象だけを残せる(挨拶状の書き方は後ほど紹介)。

挨拶をするかしないかは、周囲の環境や物件のセキュリティ、そして何より自分の安心感と防犯のバランスを見て判断しよう。

引越し挨拶の基本マナー

「いつ・どこに・何を持って・どう渡すか」を事前に整理しておけば、当日迷わず動ける。4つのポイント別に確認しよう。

1.いつ・どの時間帯に行くべきか

旧居への挨拶は引越しの前日までに済ませるのが基本で、余裕を持って1週間前から始めると良い。

新居への挨拶も、できれば引越し作業の前日までが理想だ。ただし、長距離の引越しなどで事前訪問が難しい場合は、当日の搬入作業前や、作業後なるべく早いタイミングで行おう。

訪問に最適な時間帯は、土日祝日の午前10時〜午後5時頃。お昼どきは避けるのが無難だ。夜9時以降や早朝の訪問はNG。タイミングが合わない場合は午後7〜8時台を狙うのも一手だ。平日に訪問する場合、相手が単身者なら帰宅時間の午後6〜8時頃、ファミリー世帯なら午前10時頃または午後3〜5時頃を目安にしよう。

2.どの範囲まで挨拶すればいいか

マンション・アパートの場合は両隣と真上・真下の計4世帯が基本だ。また、近隣住民だけでなく、管理人がいる場合や、近隣に大家さんが住んでいる場合も挨拶を済ませておこう。

小さな子どもがいる家庭は、「気をつけてはいるのですが、子どもの足音などでご迷惑をおかけするかもしれません」と一言伝えておくと良い。事情を伝えておくことで、相手も心の準備ができ、「得体の知れない騒音」への心理的負担が軽減されやすくなるからだ。

戸建ての場合は、両隣と裏の家、向かいの家とその左右の家という6軒程度に挨拶をすると良い。「6軒は多い」と感じるう場合は、まずは両隣と向かいの家にしておこう。

地域で町内会・自治会の活動が行われている場合は、自治会長への挨拶も忘れずに行いたい。

3.手土産の選び方と相場

手土産の予算は500〜1,000円程度が一般的だ。高価すぎると相手に気を遣わせてしまうため、この範囲に収めるのがベター。

選び方のポイントは、家族構成や性別を問わず使える消耗品を選ぶことだ。定番は以下。

・食器用洗剤
・シンプルなタオル
・ティッシュペーパーなどの日用品
・クッキーや煎餅など日持ちするお菓子

香りの強い洗剤・ボディソープなど好みが分かれるもの、生もの、手作りの品は避けよう。

熨斗(のし)は紅白蝶結びのタイプを選ぶ。熨斗の表書き(水引きの上)は「御挨拶」または「粗品」で、水引きの下には名字のみを記載する。

4.挨拶時の服装と渡し方のマナー

挨拶の際は、部屋着やジャージなどは避けて、清潔感のある服装で訪問しよう。ショートパンツなど、露出が多い服装も避けたほうがいい。

また、引越し作業直後で汗をたくさんかいていたり、息を切らせたりした状態で挨拶に行くのも失礼にあたるため、訪問前に予定を詰めすぎないこともポイントだ。髪型や髭を整えるなど、人に会ううえで不快感を与えない身だしなみに配慮することをおすすめする。

手土産は必ず紙袋から取り出して、両手で渡そう。「心ばかりのものですが」「ほんの気持ちですが」といった言葉を添えて、挨拶は笑顔で手短に済ませるのがマナーである。

相手が不在だったときの対応

訪問しても相手が不在というケースは珍しくない。焦らず以下の方法で対応しよう。

再訪問の目安と時間帯

まずは、時間帯や曜日を変えて再訪問してみよう。再訪問の回数目安は多くて3回までだ。訪問する時間帯は早朝・夜間を避け、午前10時〜午後5時の範囲を基本とする。どうしてもタイミングが合わない場合は午後7〜8時台までとしたい。

3回訪問しても会えない場合は、挨拶への対応がおっくうで居留守を使っているか、ライフスタイルが大きく異なる可能性が高い。無理に直接会おうとせず、挨拶状での対応に切り替えるのがベターだ。

挨拶状(手紙)の書き方と例文

不在が続く場合は、手土産に挨拶状を添え、ドアノブにかけるか郵便受けに投函しよう。挨拶状に書く内容は4点だ。

  1. 引越し先(集合住宅なら階数・号室、戸建てなら番地や位置関係)
  2. 名前(名字のみでも可)
  3. 不在のため手紙で挨拶した旨
  4. 「よろしくお願いいたします」などの結びの言葉

単身世帯の場合の例文

〇〇号室に引越して参りました、〇〇と申します。ご挨拶に伺いましたが、ご不在でしたので手紙にて失礼いたします。引越しの際はご迷惑をおかけしました。何卒よろしくお願いいたします。

ファミリー世帯で小さな子どもがいる場合

「子どもの声や足音でご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、ご迷惑にならないよう努めます。どうぞよろしくお願いいたします」など、予め一言添えておくと丁寧だ。

旧居(退去時)の挨拶も忘れずに

退去時も、搬出作業の騒音や共用通路の使用など、近隣への影響は避けられない。退去前の挨拶はしておいた方が良いだろう。

近所付き合いが希薄になりやすい現代では、普段の生活音がどれほど近隣に影響しているかは気づきにくい。退去時のトラブルをきっかけに、これまでの不満が一気に噴出するリスクもゼロではないため、挨拶によってこれまでの感謝を伝えることで、気持ちよく退去できる。

挨拶する範囲は、マンション・アパートなら上下階と両隣、戸建てなら隣接する住宅と向かいの家が目安だ。近くに大家さんや管理人がいる場合は、そちらを優先して挨拶しよう。単身向けマンションでは突然の来訪や手土産が煙たがられる場合もある。「(近くに住んでいる場合は)大家さん」「普段顔を合わせる世帯」「物音が響く範囲」を軸に判断すれば十分だ。

退去挨拶のタイミングは引越し作業日の前日まで。手土産の相場は入居時と同じく500〜1,000円程度の消耗品が無難である。

Q&A

Q1.引越し挨拶はしなくても問題ない?

A1.挨拶は必須ではないが、近隣トラブルの予防や緊急時の助け合いを考えると、しておいた方が得られるメリットは大きい。一方で、防犯上の理由からあえてしないという選択をしても全く問題ない。

Q2.渡した手土産を断られた場合はどうすればいい?

A2.無理に押し付けず「ご不要でしたらお気遣いなく」と伝えてスムーズに引き下がるのが最善だ。挨拶の言葉だけ伝えられれば、目的は十分に果たせている。

まとめ

引越し挨拶のポイントは「いつ・どこに・何を持って・どう渡すか」の4点を押さえるだけだ。訪問のタイミングは土日祝日の午前10時〜午後5時頃、手土産は500〜1,000円の消耗品、熨斗には紅白蝶結びで「御挨拶」と記載する。

相手が不在でも焦る必要はない。3回訪問して会えなければ挨拶状を添えた手土産をポストに入れれば十分だ。

また、女性の一人暮らしは防犯を優先し、挨拶をしなくても問題はない。自分に合った挨拶のスタイルで、新しい生活の第一歩を踏み出そう。

CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
不動産店舗での業務経験者、宅建試験合格者などお部屋探し分野のプロも活躍する編集部が、新生活に役立つ情報をお届けします。

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