「持たない」から「持ちすぎない」生活に。シンプリストの暮らし方とは?
必要以上に捨てようと気張りすぎてない?
物を持たないすっきりとした暮らしには憧れるけれど、ミニマリストのように極限まで物を少なくするのは、なかなか現実的ではないと思う人もいるだろう。
そんな人に紹介したいのは「シンプリスト」という暮らし方だ。今回お話をきいたちびかおさんは、持ちすぎない生活を送るという「シンプリスト」という暮らし方に共感し、実践している一人。
そんな彼女は2児の母でもあり、インスタグラムで日常のライフハックなどを紹介し、フォロワーはなんと4万人を超えるインフルエンサーでもある。今回はそんなちびかおさんに、「シンプリスト」の魅力とその生活を送るための工夫や仕組みづくりについて伺った。
プロフィール
・お名前:ちびかお(@___k___319)
・ご住所:群馬県
・ご職業:フリーランス(片付けセミナー・ライター)
お住まいの物件について
・間取り:2LDK
・築年数:2年半
・家賃:非公開
「シンプリスト」って一体なんだ?
今回取材させていただいたお部屋はメゾネットタイプの2LDKのお部屋。新築でできたばかりというお部屋は、明るい木目調の内装に合わせてベージュや明るいグレーの家具でととのっていた。
きれいに片付けられている様子に感心していると、「結構ざっくりまとめているだけなんですよ」とちびかおさんは笑って答えてくれた。
「シンプリストって過剰に無理をしない生活を送る人だと思うんです」(ちびかおさん)
「家事をする女性には、『こうしなければならない』『母親だからこれくらいやって当たり前』という思い込みがあると思うんです。でも誰しも、周りが決めた『こうしなければならない』に合わないこともあるはず。『シンプリスト』とは、『こうしなければならない』ではなく、自分の基準で気持ちいい暮らし方を実践している人だと思います」(ちびかおさん)
シンプリストはミニマリストとはどのように違うのだろうか。
「昔はミニマリストにも憧れていたことがありました。ミニマリストには、物を限界まで減らし、必要最低限の中で生活するというイメージがあります。「あったら便利は無くても平気」がミニマリストの考え方かなと。でも、シンプリストは生活に必ずしも必要ではないけれど、便利なものは使います。そこは大きな違いかもしれませんね」(ちびかおさん)
ちびかおさんが「シンプリスト」を始めたきっかけ
ちびかおさんがシンプリストになったきっかけは意外なものだった。
「私は、片付けがとても苦手だったんです。洋服をたくさん買ってしまう癖があり、一人暮らしの頃は本当に足の踏み場もなく、布団も洋服で埋まっていたためコタツでずっと寝るという生活でした。」(ちびかおさん)
その後、シングルマザーになり、2人で住める賃貸に引っ越すことに。その時の業者さんに「荷物が多いね」とつぶやかれ、初めて自分のものの量を考えるようになったそう。
「引越し先の収納場所が少なく、荷物が入りきらなかったんです。そこで、改めて自分の持っている服を見返してみると、一部のお気に入りの服しか着ていないことに気づきました。そこで、着ない服はメルカリで売ったり、捨てたりしてタンス1ケース分くらいは無くしましたね。ものを捨てる方法やその後の収納などはブログで情報を集めて実践していました」(ちびかおさん)
自分が好きな服や便利に使える家具などは手元に残しつつも、家を掃除・管理しやすくするためにものを減らしたところ、生活がぐっとしやすくなったという。これがきっかけとなり、ちびかおさんはシンプリストとしての生活を始めるようになる。
「実はシンプリストという言葉は、最近知ったんです。それまで友人からはミニマリストと言われていたのですが、物を少なくすることにこだわっているわけではなく、なんだか違和感がありました。シンプリストという言葉に出会って、自分の行動を一番的確に示しているなあと思って使っています(笑)」(ちびかおさん)
「シンプリスト」の生活を続ける習慣づくりと役立つアイテム
ちびかおさんはどのように「シンプリスト」としての生活を続けているのだろうか。「シンプリスト」の毎日を作る収納術と役立つアイテムについて伺ってみた。
日々の「使いにくい」から生まれたすっきり収納術
「収納は、インスタやブログで見た情報を参考にしたり、毎日生活していて使いにくいと感じたところをどうやったら便利になるかを考えたりして工夫しています」(ちびかおさん)
その工夫が出ていたのは、洗面台。家族の歯ブラシや歯磨き粉などを洗面台に吸盤で貼り付けて浮かして収納していた。
「こうやって歯ブラシや歯磨き粉などを浮かせて置くことで、ぬるぬるした汚れがつくことなく、毎日30秒くらいで掃除ができるんです」(ちびかおさん)
さらに、クローゼットの中にも工夫が詰まっていた。
大きなクローゼットの中に紐を吊るして突っ張り棒をクローゼットの足元に垂らし、上下2段でお洋服がかけられるように。
「シングルマザーだった時、クローゼットが1つしかありませんでした。そこで、突っ張り棒を使ってクローゼットを2段にすることで、収納も増えて子供も取りやすいように変えたんです」(ちびかおさん)
お部屋をすっきり見せて、実用的。ちびかおさんが手放せないアイテム集
収納の達人のちびかおさんが特に愛用するのは、無印良品のファイルボックス。無印良品らしく、半透明のシンプルなプラスチックボックスだ。主張の強くないシンプルな形ゆえ、洗面所では洗剤などのストック入れに、キッチンでは小さな紙袋やビニール袋入れに使っている。
現在0歳の赤ちゃんを子育て中のちびかおさん。毎日6、7回行うオムツ替えに欠かせないのが、ダイソーのピクニックバッグだ。オムツの袋を縦半分に切り、そのままバッグの中に詰めて運ぶことができる。腕を通して片手で持てるので、赤ちゃんを抱きかかえた移動にも最適だ。ポケットも複数あるので、オムツだけでなく、おしりふきなども収納することができる。
収納場所はみんなで相談。家族みんなで作っていく「シンプリスト」の生活
4人家族のちびかおさん。「シンプリスト」の生活を続けるには、家族みんなの理解とシンプルな暮らしを続ける仕組み作りが必要だろう。家族シンプルな暮らし作りをするための工夫について伺ってみた。
「毎回ものの場所を変えるときには、相談してから変更します。みんなが使うものなので、私が配置を決めるときにここでいいか、使いづらくないかを家族に聞いてから配置しています」(ちびかおさん)
また、おもちゃ箱やクローゼットなど家族の自分の場所は自分で片付けをしてもらうそうだ。ちびかおさんは、娘さんと一緒に定期的に持ち数を考えたり、収納方法を考えたりしている。一緒に片付ける時間を持つことで、子どもたちに自分で片付ける方法と習慣が身についたという。
また、毎日のルールづくりも行なっている。赤ちゃんのお世話に忙しいとつい後回しにしてしまいがちな小学生のお姉ちゃんの学校の準備と片付けは、行く前・帰った後すぐにやる5分チャレンジとしてルールを作成。
内容は、手洗いうがい、お箸やランチセットを出す、カバンを戻すなど、いたってシンプル。しかし、毎日のルールにすることで、お母さんも娘さんも忘れずに、家族の時間も取ることができ、片付ける習慣を身につけさせることができる。
「シンプリスト」の生活を続けて変わった日々の暮らし
『シンプリスト』として生活をするようになり、もっている物をほとんど把握出来るようになってきたので、無駄買いが減り、必要かどうかの判断も早くなりました。なので、金銭面でも余裕ができ、貯金ができるようになりましたね」(ちびかおさん)
貯金がたまり、自己管理ができるようになったことで、自分に自信がついたという。
「『シンプリスト』としての1歩目は、自分の部屋を一度じっくり考えてみて、不満を感じている部分が無いか見つめ直してみるといいかなと思います。ただ、住みにくいではなく、どこに不満を感じるのかまで具体化することが大切です」(ちびかおさん)
ものを持たない「ミニマリスト」は現実的ではない、と考える人も、持ちすぎない「シンプリスト」ならば取り組みやすいのではないだろうか。興味を持った方は、まず自分の部屋の何に不満を感じているのか、口に出してみることから始めてみよう。
文=いとう
写真=編集部
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