企業からも依頼多数!人気デザイナーの美しいストーリー写真が生まれる部屋作りのコツ
白ベースの小さな部屋から発信される物語のある写真たち
デザイナーという肩書きを持ちながら、現在はインスタ写真の撮影や運用を多く手がけている、かやのさん。
白ベースのこじんまりした部屋、随所に飾られた可憐な花々、自然光のやさしい光に包まれる小物たち…かやのさんのライフスタイルやインテリアが醸し出す独特の雰囲気を求めて、「この部屋で写真を撮ってほしい」と多くの企業やブランドが撮影を依頼するという。
さっそく、かやのさんの世界観が詰まったお部屋をご紹介しよう。

鏡越しにヘアスタイルなどを撮影するそうだ
プロフィール
名前:布谷茅乃さん
職業:フリーランス デザイナー
居住形態:一人暮らし
インスタグラム:@kkkayanooo

かやのさんが暮らしている賃貸物件の間取りはこちら!
ルームデータ
所在地:東京都武蔵野市
間取り:1R
築年数:35年
家賃:64,000円/月
人生の転機でフリーへ…部屋探しの決め手は「自然光」と「安全性」

自然光がたっぷり注ぐかやのさんの部屋
大学の時の先輩が立ち上げた会社に入ったものの、会社の経営が芳しくなく退社せざるを得ない状況に。そのタイミングでフリーランスとして活動を開始したというかやのさん。奇しくもその頃に一人暮らしを決心し、「独立」と「部屋探し」と「引越し」が同時期にやってきた。
部屋探しの条件として出したのは、「自然光」と「安全性」の2つ。自然光は、かやのさんの写真の肝である美しい「白」が、照明器具の下では絶対に出せないため必須項目だった。
また、「初めての一人暮らしには安全であることも大切でした。駅からの帰り道も安全を確保できるように、大通りから小道に入るなら1本までと決めていました」ときっぱり。
優先順位が明確で条件が少ないかやのさんの部屋探しはスピーディに進み、内見でこの部屋の白い床と壁が気に入って即決したという。
部屋を広く見せる工夫がたっぷり!DIYも賢く楽しむ
引越し当初から、「白とベージュを基調にした部屋作り」というテーマは決めていた。理由は、「世の中に流通する家具は白が多くてコーディネートがしやすく、何より部屋を広く見せてくれるから」。
家電は無印良品で統一。ベッドやシェルフなどの身長も低くして圧迫感をおさえ、視野が通るようにしている。

炊飯器やレンジ、洗濯機などの生活感の出やすい家電は無印でシンプルに統一
また引越しで予算が厳しいなか、「どうしても欲しくて奮発して購入したSENNOKIのウッドフレームの大型の鏡(15,000円)は、部屋を広く見せるマジック的効果がありました。メイクやヘアアレンジに大きな鏡が便利だと思ったのですが、実際に写真を撮影してみると鏡が映り込んで偶然部屋が広く見え、写真のバリエーションも増えました」と偶発的なメリットもあった。
合板のクローゼット扉にはマスキングテープを貼り、その上に両面テープ→カッティングシートを施して部屋の白トーンに合わせた。原状回復も簡単なDIYだ。

鏡エフェクトで部屋が2倍の広さに見える。奥の扉は自らカッティングシートを貼ったクローゼット

これも自分で壁に取り付けた棚。統一感のある雑貨は部屋のアクセントにもなる
姉と二人三脚で活動。フリーランスのお仕事ライフ
かやのさんは、アクセサリーやコスメブランドのインスタの撮影やディレクションを姉のアサノさんと行っている。お仕事ライフは大きく分けて2パターン。
家で仕事をする時は、姉が来てこの部屋で撮影を行う。「撮影する時は、手を写り込ませたり、カメラを構えながら小物の角度を変えたりと1人で行うと結構大変」なのだそうだ。
細かなアレンジは2人で協力する方が効率的でスピードも速い。着画が多い時は2人でネイルを左右別々の色にして、4人分の手を演出することもあるという。
https://www.instagram.com/p/Bv566fShBe2/
契約先の企業で仕事をする時も姉と一緒。打ち合わせをしたり、時には社内スタジオを使って撮影をすることもあるが、かやのさん姉妹の世界観は崩さない。
「企業は私たちの世界観を見て、商品に合っていると判断してお仕事を依頼してくださいます。ストーリー性が企業と私たちの共通語になって、打ち合わせや擦り合わせの時間短縮にも繋がっているんです」とプロとしての顔をちらりと覗かせた。
統一感のある部屋に暮らし、世界観の伝わる写真を撮る
決して広くはないが、「狭いけどおしゃれに暮らしたい女性」へのヒントがたっぷり詰まったかやのさんの部屋。「広い部屋にも憧れるけど、おしゃれなインテリアを目指してもスペースが埋まらず意外と置くものに困るし、今の私にはこのくらいの広さがちょうどいい。」と言う。
それでも、撮影小物が増え続けるのが悩みの種。特に花や器、トレーなどの可愛い雑貨類は撮影前につい買ってしまう。「クローゼットから溢れたら、サマリーポケットなどの収納サービスを頼ろうと思っています。モノが増えるとどうしても部屋が散らかり、すっきりした暮らしはできなくなるから」と話す。

すっきりしたインテリアの中にも、花はなるべく飾るようにしている
「最近はVlogなどの動画制作も始めました。よくイメージするouTubeのようなテンションではなく、生活の様子を淡々と伝えるようなゆるい感じの動画をやってみたい。撮影も編集も自己流ですが、だからこそ自分たちの雰囲気が出せると思っています」と次のステージへの意欲も垣間見せた。
お部屋をおしゃれに撮影する極意とは
最後にかやの風・写真撮影の極意を教えてもらった。
・撮影は必ず朝か昼に行う。
・カーテンも開けて自然光を最大限に利用。この時部屋の電気は消すこと。
・元の写真の仕上がりが悪いとレタッチにも限界があるので、撮る時に良いものを撮るようにする。
・撮影小物を駆使して世界観を表現する。
・フィードに掲載される写真に統一感が出るようにトーンを揃える。
まずは気になるインスタグラマーを見つけて、真似してみるのも第一歩。部屋を自分流にアレンジしておしゃれに整えたら、ここ一番のインスタ写真を撮影してみてはいかがだろうか。
文=元井朋子
写真=編集部