大学生の一人暮らし、親が心配なことは?保護者400人にアンケート!
子どもに一人暮らしをさせるのが不安……。
進学や就職を機に一人暮らしを希望する子どもは多い。親の立場としては独り立ちさせることに不安を覚えたり、寂しさを感じたりするのは当然だろう。
当記事では、大学生の保護者400人にアンケートを実施し、子どもの一人暮らしに対してどのような点に心配を感じているのか意見を集めてみた。
一人暮らしをする大学生の生活費の目安や、大学生が一人暮らしをするメリットについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてほしい。
この記事でわかること
大学生の一人暮らしで、親が心配なのは「生活費の管理」!仕送り額の平均は7万円
引越し先の治安が心配なら、部屋探しの際に親子で街を散策!交番の近さや街灯の数を確かめよう
子どもに一人暮らしをさせるメリット「お金の管理能力が身につく」「家族の大切さが身に沁みる」など
このページの目次
大学生の保護者400人に聞いた、「子どもを一人暮らしさせる際に心配だったこと」
今も昔も、親は子どものことを一番に心配するもの。見知らぬ土地で初めての一人暮らし、ともなれば尚更だ。子どもが初めて親元を離れるのだから、あれこれ心配になるのも当然のことだろう。
また、お父さん・お母さんが学生だった頃と現在では、お部屋探しの常識や家賃相場、賃貸物件の事情などは変わっているかも?
そこで今回は、全国の大学生の子どもを持つ保護者の方400人にアンケートを実施。自分の子どもを一人暮らしさせる際、不安だったことは何かを尋ねてみた。

※データおよびコメントは、下記条件で実施したアンケート調査によるもの
調査方法:インターネット調査
調査時期:2018年11月
調査対象:学生、かつ一人暮らしをしている子どもを持つ保護者400人
対象地域:全国
子どもの一人暮らしで最も心配なのは「生活費の管理」

今回のアンケートによると、子どもの一人暮らしにあたってもっとも多くの親が心配しているのは「生活費の管理」で、53.8%という結果になった。
食費や水道光熱費、ネット料金など、月々の生活費を仕送りやアルバイト代でうまく賄うことができるのか、親としては気がかりだろう。大学生の一人暮らしにかかる生活費の目安は以下の通りだ。
【大学生の一人暮らしの生活費目安】
内訳 | 目安の金額 |
---|---|
家賃 | 60,000円 |
食費 | 30,000円 |
交通費 | 4,000円 |
教養娯楽費・交際費 | 30.000円 |
書籍購入費・勉学費 | 4,000円 |
通信費 | 4,000円 |
その他 | 10,000円 |
一人暮らしをする大学生の生活費の目安を合計すると、12〜14万円ほどになる。
また、大学生への仕送り額の平均は7万円であり、仕送りがない場合は食べ物や家賃の負担といった形で援助する場合が多い。これらの支出は保護者にとって、痛手にもなるだろう。
ただ、一人暮らしは1人の大人として成長するチャンス。金額の大きい家賃や学費などの最低限の管理だけ親が見守り、あとのやりくりは本人に任せて「社会人になる前の練習」と捉えると良いかもしれない。

子どもの一人暮らしで「家事」や「体調管理」を心配する声も多数
「生活費の管理」以降は、「家事」「体調管理」の順に回答数が多かった。
特に健康面について、一人暮らしでは体調を崩しても看病できる人が身近にいなくなる。
そのため、子どもが一人暮らしを始める前から、規則正しい生活を心がけること、バランスの良い食事を心がけることなどをしっかり伝えておきたい。簡単に調理できるレトルト食品などをこまめに仕送りしてあげるのも良いだろう。
また、慣れない土地での新しい人間関係作りは大人であっても難しいものだ。親子で頻繁に連絡を取り合って、メンタル面を気遣うことも有効だろう。

子どもを一人暮らしさせる際の心配事&解消法4選
ここからは、子どもの一人暮らしにまつわる「部屋探し」の心配事と、不安を解消するためのチェックポイントについて順にまとめていく。
子どもの一人暮らしで心配なこと①:引越し先エリアの治安
子どもが一人暮らしを始めるなら、エリアの治安が悪くないかどうかは、保護者の方にとっては気になるところだろう。ただ、それは「街を詳しく知らないから」かもしれない。
昔と違い、現代では大都市圏でも治安が良好な街は多い。もし不安に感じるなら、部屋探しの段階で一度、親子そろって街を散歩してみるのがおすすめである。
住む街を選ぶ際のチェックポイント
- コンビニなど、万一の際に逃げ込める店舗があるか
- 周辺の娯楽施設の様子
- 人通りや街灯の多さ
- 交番や警察署などへの近さ

子どもの一人暮らしで心配なこと②:部屋のセキュリティ
特に娘を持つ保護者が心配しているのは部屋のセキュリティだろう。たしかに若い女性の一人暮らしは、危険がいっぱいのイメージを持つ人も少なくない。一昔前に比べ女性の大学進学率も上がり、それに伴い一人暮らしをする女性の数も増えているという。
内見時に確認! 防犯のチェックポイント
- オートロックの有無
- 防犯カメラはある?
- 郵便受けやゴミ捨て場など、共用部分の管理状況
- インターホンはTVモニター付きかどうか

子どもの一人暮らしで心配なこと③:街の利便性や学校までのアクセス
治安や防犯、防災など安全面に加えて、街の利便性を気にする方もいるようだ。アクセスが悪いと不便に感じるからかもしれない。生活に必要な最低限のものが買えるよう、スーパー、コンビニが近くにあるかどうかは事前に確認しておくべきだろう。
ただし、家の近くにスーパーなどがなくとも、学校によっては夜間でも食堂が営業していたり、購買で生活用品が買えたりと、学内で賄える場合もある。
まずは住みたいエリアから学校までの道のりを実際に歩いてみて、生活利便性や実際の所要時間を確かめてみると良いだろう。
確かめてみよう、周辺環境のチェックポイント
- 周辺を自分の足で歩いてみよう
- 徒歩圏内に24時間営業のスーパーがあるか
- 駅から自宅までの距離、本当は何分?
- 電車だけではなく、バスの利用方法も確認しよう

子どもの一人暮らしで心配なこと④:まさかのときの防災面
震災や洪水被害などの天災にはいつ見舞われるか分からない。そのため、防災面を気にする保護者もいるようだ。
築年数が極端に古い物件を除けば、耐震性について極端に心配する必要はないだろう。ちなみに、建築基準法が改正された1981年以降では、新耐震基準について「震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと」と定められている。
知ってて損をしない、防災のチェックポイント
- 食料や日用品をちょっと多めに買っておく「日常備蓄」の実践
- 「非常用持ち出し袋」の用意
- 近隣の地形(急な崖などがないか)を確認
- 避難所の場所を確認
- 家族との安否確認方法を決めておく

子どもに一人暮らしをさせるメリット
子どもに一人暮らしをさせるメリットとして、以下の点があげられる。
<子どもに一人暮らしをさせるメリット>
- 大人としての自立を促すことができる
- お金を管理する能力を身につけさせられる
- 家族の大切さがわかる
- 友達を作りやすくなる
子どもの一人暮らしは、親を含めた家族にとって大きなターニングポイントとなる。心配事が尽きないのは当然だが、子どもにとって一人暮らしから得られる経験は大きい。本当の意味で、大人への第一歩として、一人暮らしを認めて後押しする勇気を持ってみては。
心配事は尽きないけれど、子どもの一人暮らしを後押ししてあげよう
子どもが一人暮らしを始めるにあたって、多くの親がなんらかの心配事を抱えている。家賃や食料の仕送りなど費用のことも考えると、気軽に一人暮らしを勧めることはできないと思う方もいるかもしれない。
しかし、子どもが自立するうえで一人暮らしはかけがえのない大きな経験になるはずだ。ここはひとつ子どもの意思を尊重し、一人暮らしを後押ししてあげよう。
文=田端邦彦(アクトスリー)・編集部
2022年2月加筆=CHINTAI情報局編集部