ベストなタイミングはいつ? 子供にとって最善の引越し時期を考える
子供にとってストレスなく引越しができるタイミングとは?

引越しをすることが決まっても、その事実を子供に上手に伝えるのはなかなか難しいもの。子供にとっては、仲良しの友達がいる学校を離れること、長く続けた習い事をやめることなど、なかなか引越しの事実を受け入れづらい部分もある。子供が寂しそうにする様子を見ると、親としても複雑な気持ちになってしまうはずだ。
もし時期を選べるのであれば、なるべく子供の学習や日常生活に影響の少ないタイミングに引越しをしたいところ。そこで本記事では、子供のいる家庭にとって「ベストな引越しのタイミング」を考える。
とはいえ、会社から予期せぬタイミングで転勤の辞令が下りるなど、引越しのタイミングを選べないこともある。そんな場合も、引越しのタイミングごとに気を付けるべきことを知っておけば、子供へ事情を説明する際にも気を配ることができるだろう。
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子供の新学期に合わせて引越しができる「春」

子供のいる家庭にとって、新生活シーズンとなる春は引越しのタイミングとしては最も適した時期だといえる。
入園・入学やクラス替えのタイミングで引越しができれば、クラスの友人たちにもすんなり受け入れられやすい。また国内の公立学校どうしでの転校であれば、授業の進行度も引越し前とズレが少ないのだ。
ただし、幼稚園や保育園の場合は、急に決まった引越しの場合「空きがない」と編入を断られることも多い。入園願書の提出は前年の秋には済ませていることが多く、希望する園に入れないこともある。引越し先が決まったらできるだけ早めに候補の園を探し、各園に電話で状況を確認しよう。
また、多くの人が新生活を迎える春は、引越し業者にとっては繁忙期。引越し費用が高くなりやすいというデメリットもあるので注意しよう。
子供の夏休みを利用できる「夏」の引越し

夏の引越しの場合、子供たちにとって1年のうちで最も長い休暇である「夏休み」を利用して引越しを行うことができる。時間が自由になるので、荷造りや心の準備も余裕を持って行うことができるだろう。また、引越し前に仲良しの友達とキャンプなどのレジャーに出かけ、最後の思い出作りをしてあげるのも良いだろう。
一方、子供が習い事をしている場合は、試合や合宿が予定されている場合もあるだろう。戦力が減ることで仲間たちに迷惑をかけたくない、と思う子もいるはずだ。子供が長い間打ち込んできた習い事を悔いなく締めくくれるよう、引越しのタイミングについてはしっかり親子で相談する時間を設けよう。
また、引越しをするからといって「夏休みの宿題」は免除にならないのがつらいところ。引越し先の学校が決まったら、2学期までに用意するべき教材、夏休みの宿題についても確認しておこう。
子供にとってなにかとイベントが多い「秋・冬」の引越し

運動会や音楽発表会、学芸会など、学校行事やイベントが多い秋。「クラスのみんなで力を合わせて頑張ろう!」という時に、イベントに参加できないまま引越してしまうのは悔いが残るはずだ。
冬はどうだろうか。12月にはクリスマスや年末年始など、子供にとっても楽しみなイベントが多い時期。季節のイベントをゆっくり楽しむ余裕がなくなってしまうのは、子供たちも残念だろう。
また春・夏に比べると、授業の進度が中途半端な時期に転出・転入することになってしまうのも懸念点だ。
時期を選べるのであれば、大きなイベントが終わって思い出を胸に引越しをするのがベスト。しかし、タイミングの選べない転勤だとそういうわけにもいかない。子供に引越しの事実をどう伝えるべきか、悩みどころだろう。
子供たちにとってあまり良いタイミングとはいえない引越しの場合は、「しかたないでしょう」と言い切ってしまわずに、事情をきちんと説明しよう。仲良しの友達と会えなくなること、住み慣れた場所を離れることによって不安でいっぱいになり、悲観的になったり反抗的になったりする子も多い。そんな時、子供たちの気持ちに寄り添い、新しい生活に希望を持たせてあげるよう気を配るのが大切だ。
子供がいる家庭の引越しは、子供の気持ちに寄り添おう
子供にとってベストなタイミングを考えるなら、引越しに適した時期は春、あるいは夏だろう。とはいえ、家庭によって事情はさまざま。前提として家族でしっかりコミュニケーションをとっておくのが理想だ。
急な転勤や事情で急いで引越す必要があったり、時期をずらすことが難しかったりという場合もあるが、じっくり引越しの準備をする余裕があるのなら子供にとってベストなタイミングで引越しを検討しよう。
文=根本暖子