お部屋に花を飾ろう! 室内で花を長持ちさせる方法とは?

最終更新日:

お部屋に花を取り入れよう

花
花はとても身近な存在だ

「花」というのは多くの人にとって、とても身近な存在である。小さい頃であれば、花を摘んだ経験があるだろうし、小学校では授業の中で鉢花を育てる。卒業式や送別会では花束を贈るだろうし、春になれば花見に行くだろう。中でも「花見」は日本の伝統文化のひとつでもあり、花を愛でる素敵な機会である。

ところで、みなさんは「部屋に花を飾った」経験はあるだろうか? おそらく、一気にハードルが上がるであろう。ガーデニングをすることはあっても生活空間に花を飾るという習慣は、日本ではまだまだ根付いていないだろう。

しかし、明日からはぜひ、一輪でも花を飾っていただきたい。花にはリラックス効果があるので、疲れて帰ってきた部屋に花が一輪あるだけでほっとできるはずだ。今回は「切り花」を飾ることにポイントを絞って、花の選び方や飾り方をはじめ、飾った花を長持ちさせる方法や処分を決めるタイミングについて紹介しよう。

花選びの前に、まずは花屋選びが大事

花屋の店頭
近所の花屋さんをチェックしてみるのも◎

「切り花」とは根っこの付いていない花、花屋さんが花束にしてくれる花のことである。切り花を購入する際、どんな種類の花を選ぶかももちろん大事だけれど、実は「どこで花を買うか」ということがとても重要なポイントだ。

なぜなら、鉢植えの花とは違い、今咲いている花をできるだけ長く咲かせて、きれいにつぼみを開かせてあげることが必要になってくるので、新鮮な花を選ぶことがとても大事なのである。そのためには、できるだけ対面販売をしているお花屋さんを選ぼう。

スーパーの束売りのほうがもちろん手軽だが、自分で選ぶとなると、花選びに慣れていない人じゃないとあまり新鮮ではない花を選んでしまうこともある。

初心者であれば、スーパーで買う198円ほどのミックス花束よりも、対面販売で買う200円ほどの1本の切り花をおすすめする。店員さんに「部屋に飾る花がほしいのですが……」と相談すると、どんな花がいいかやお手入れ方法なども教えてくれるはずである。

部屋に飾る花を長持ちさせる4つの方法

部屋に花を飾る女性
花を長持ちさせるポイントは4つ

せっかく部屋に花を飾っても、早くに枯らせてしまってはもったいない。切り花をすぐに枯らしてしまうという人は、手入れの仕方や置く場所などが原因となっている可能性が高い。花を長持ちさせる方法を知っておくことで、お気に入りの花を長く飾り続けられるだろう。

ここでは、部屋に飾る花を長持ちさせる4つの方法をご紹介しよう。

➀購入する場合は新鮮な切り花を選ぶ

切り花を長持ちさせるには、新鮮で質の高い花を選ぶことが先決だ。花びらは色鮮やかか、茎が太くて丈夫そうか、葉の色が青々としているかなど、新鮮さを見極めるポイントに注意して切り花を選ぼう。自分で判断できないときは、店員さんに「仕入れたての花はどれか」と尋ねてみるのもいいだろう。

新鮮な切り花を見分けるポイントは、後ほど詳しく紹介する。

②花瓶にさす前に水切り・剪定をする

切り花を花瓶にさす前に、水切りと剪定を行おう。水切りとは、茎の最下部を水中で切る作業のことだ。水中で切ることで切り口からの空気の侵入を防いだり、切り口が乾燥しにくくなったりするメリットがある。水切りで茎を切る際は、切れ味のいいハサミでスパッと斜めに切るとさらに効果的だ。

続いて剪定とは、余分な枝や葉、蕾などを取り除く作業で、生育するために必要な水分や栄養を効率よく送り届けられる。また、生ける花瓶をきれいに洗っておくことも大切だ。花を長持ちさせたいときは水切りや剪定を行って、水分や栄養が行き渡りやすいように整えてあげよう。

③風通しがよく、直射日光の当たらない場所に置く

花を置いておく場所は、風通しがよくて直射日光が当たらない明るい場所が理想だ。直射日光が当たるような高温の場所だと、植物は蒸散という活動を行って体温を調節する。蒸散を活発に行うとかなりのエネルギーを消費するので、切り花の寿命が短くなってしまうのだ。

またエアコンや扇風機の近くなど、強い風が当たるところだと切り花が乾燥してしまうので避けたほうがいい。花を置く場所に迷う人は、程よく日陰になって自然の風が感じられる窓際を選ぶと無難だ。

④毎日水を換える

基本的な手入れではあるが、毎日新鮮な水に替えると花は長持ちできる。同じ水につけ続けると水の中で雑菌が繁殖してしまい、切り口から侵入して花を傷めてしまう原因になるからだ。

さらに、水につかっている茎の最下部を水替えごとに少しずつカットするとより効果的だ。雑菌は水の中だけでなく切り口でも繁殖しやすいので、水の吸い上げをよくするために茎の最下部はこまめにカットしてあげよう。

部屋に飾る花を長持ちさせたい!「新鮮な切り花の見分け」

切り花
せっかく飾るなら、生き生きとした切り花がいい

切り花はどうしても寿命があるものである。だから苦手だという人も多いのではないだろうか。しかし、限りがあるものだからこそ、花選びや毎日のお手入れによってその寿命の長さはまったく変わってくるのである。

先ほど、初心者はお花屋さんで…とおすすめしたが、それでもやっぱりスーパーで手軽に買うところから始めたいという方のためにも、「新鮮な切り花の見分け方」を3つ紹介する。これに注意すれば、初心者でも新鮮なお花を購入することができる。

新鮮な花の見分け方1. 葉がしゃきっとしていて花びらが透けた感じがしていないか

まず、全体を見てみて花びらも葉もきれいだなと感じることが重要。まっすぐ伸びているか、折れ曲がっていたり、茶色いシミや傷がないかを確認する。また花びらを見てみて少し透けているような感じがするものは避けよう。

新鮮な花の見分け方2. 花粉がきれいな黄色、もしくはまだ花粉が出ていないか

花粉は切り花にとってはあまりよくない存在。特にユリなど白い花びらに花粉がついてしまうと、せっかくの白が黄色く汚れてしまい、美しさが台無しに。できるだけまだ花粉が出ていないものを選ぶのがいいだろう。また、ユリなどを購入した際は、花粉が出てしまう前に花粉を摘み取ってしまおう。

新鮮な花の見分け方3. がくが垂れ下がらずピンとしているか

花びらのまわりにあるがくは、花を支えてくれるようにピンと上を向いているのがベスト。外側に折れ曲がり、だらんとしているものは、そう長くは花がもたないので注意しよう。また、がくが緑ではなく黄色くなっているものも要注意。黄色くなっている部分から花びらがぼろぼろと取れてしまうのだ。

花の寿命はいつ?処分を決めるタイミング

花
花を処分するタイミングはいつ?

花は生き物なので処分することに罪悪感がある人も多いだろう。しかし、生き物であるがゆえに花にも寿命があり、いつかは処分しなければならないが、そのタイミングについて迷う人も多いかもしれない。

ここでは、部屋に飾った花を処分するタイミングについてご紹介しよう。

花が下を向いてしまったとき

花が下を向いてしまって元気がないように見えれば、咲き終わって寿命が近づいているサインだ。花の種類によっては時間が経つと花が上を向いて回復するものもあるが、基本的には花が下を向いている場合は処分を検討するタイミングだといえる。

また、花は下を向いているが花自体は色鮮やかで飾りたいという場合は、枝をできるだけ短く切って浅い花瓶に生ける方法もある。

乾燥してしまったとき

花びらや葉からみずみずしさがなくなって乾燥しているようなら、茎から吸い上げた水をうまく循環できていないことになる。見た目で乾燥しているかどうかわかりにくいときは、花びらや葉を直に触ってみて手触りで判断するといいだろう。

新鮮な花であれば触ったときの感触がしっとりしている。固くてパサパサした手触りなら、乾燥してしまっている可能性が高い。乾燥がひどくなると葉も黄味がかったり、花びらが落ちてしまったりする場合がある。そうならないために、乾燥していないかどうかをこまめにチェックすることが大切だ。

部屋に花のある暮らしをはじめよう!

グラスに入った花々
暮らしに花をプラスして、心穏やかに

部屋に何かを飾ろうと思った時、ポスターや置物を飾るのもいいけれど、あえてやや手間のかかる切り花を飾っていただきたい。毎日、ちょっとした世話をしてあげることで、丁寧な生活を送れることができ、気持ちも豊かになる。何より、花には癒しの効果があり、季節を感じることもできる。

飾った花を長持ちさせるには少し手間がかかるが、手間をかけた分だけ花に愛着が湧いてくるだろう。ぜひ、一輪の花を飾ることから「花のある生活」をはじめてみよう!

文=Y.H
カットフラワーアドバイザーの資格を持つ。花屋勤務の経験や住宅情報誌の編集経験などがあり、現在はカフェ時々花屋の形態を持つお店を経営中

2021年6月加筆=CHINTAI情報局編集部

リンクをコピー
関連記事関連記事