1平米の広さはどのくらい?坪・畳との違いは?世帯構成別の目安も解説

公開日:2020年12月16日

知っているようで知らない「1平米」の広さ

平米
部屋探しをしていると出てくる「平米」という言葉

賃貸物件を探していると、物件情報に「平米(㎡)」という広さの単位が出てくる。平米という言葉を聞いたことがある人は多いと思うが、実際どのくらいの広さなのかは、なかなか感覚がつかみづらいのが実情だろう。

しかし、物件の専有面積は生活をするうえでとても重要だ。ほかの単位と併せてきちんと理解しておく必要があるだろう。

今回は、「平米」「坪」「畳」との違いや一人暮らしに最適な平米数について説明していく。

1平米とは

畳のイメージ
1畳ってどれぐらい?

1平米とは、1㎡(平方メートル)のことを指す。1㎡は一辺の長さが縦と横、それぞれ1mの面積を示している。平方メートルは国際的に使われている単位だ。

かつて日本ではメートルのことを、「米」と表示していた時代があった。そのため、平方メートルのことを「平米」と表すようになり、それが現在まで続いているのである。

「平米」と「坪」 「畳」の広さの違いは?

不動産業界では「平米」のほかにも、「坪」や「畳」という単位で物件の面積を表すことがある。

賃貸物件の場合、土地の面積を表す「坪」はあまり見かけないが、「畳」は間取りで居室の広さを表すときに使われるため、目にする機会も多いだろう。3つとも広さの単位だが、それぞれサイズが異なる。ここでは、1平米を「坪」と「畳」に換算した場合の広さの違いをチェックしてみよう。

平米畳※
1平米0.3坪0.61畳
5平米1.51坪3.08畳
10平米3.02坪6.17畳
15平米4.53坪9.25畳
20平米6.04坪12.34畳
25平米7.55坪15.43畳
30平米9.06坪18.51畳
35平米10.57坪21.6畳
40平米12.08坪24.69畳
45平米13.59坪27.77畳
50平米15.15坪30.86畳

物件情報では間取りが「畳」、専有面積は「平米」もしくは「坪」の単位で表記されている。そのため、広さの感覚を掴みたい場合には、畳などわかりやすい単位にそろえて計算をしよう。

  • 1畳は1.62平米
  • 10平米は約6畳の広さ
  • 3坪は約6畳半の広さ

▽1畳の平米数や、おすすめの畳数についてもっと知りたい人はこちら!
1畳って何平米? 一人暮らしや二人暮らしにおすすめな畳数をご紹介

【注意】「畳」は地域によって広さが異なる

畳は地域によってサイズが異なることをご存じだろうか。畳の大きさは、主に関東と関西で以下のように異なる。

京間中京間江戸間
190cm×95cm182cm×91cm175cm×88cm

一番大きいのは京間で、主に関西~九州地方で使用されている。中京間は愛知県や三重県、岐阜県で、江戸間は関東地方をはじめ静岡県以北のエリアで一般的なサイズだ。

関西から関東へ引越したとき、畳数だけを見て物件を決めたら、思ったより室内が狭かったという事例も少なくない。地域によって畳の大きさが異なるということを押さえておこう。

【世帯構成別】賃貸物件の平米数の目安

生活に適した部屋の広さは人それぞれ異なるが、参考となる資料が、国土交通省の「住生活基本計画」だ。

資料では、必要な面積の基準を、世帯人数別に次のように定めている。

世帯人数別の住戸専用面積
単身 2人 3人 4人
誘導居住面積水準 一般型 55㎡ 75㎡【75㎡】 100㎡【87.5㎡】 125㎡【112.5㎡】
都市居住型 40㎡ 55㎡【55㎡】 75㎡【65㎡】 95㎡【85㎡】
最低居住面積水準 25㎡ 30㎡【30㎡】 40㎡【35㎡】 50㎡【45㎡】

【】内は、3~5歳児が1名いる場合
出典:国土交通白書 2020資料編 住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準及び最低居住面積水準

「最低居住面積水準」とは、その名の通り、最低限必要な広さ。

「誘導居住面積水準」とは、より豊かに過ごせる広さの基準を表している。なかでも「都市居住型」は、都心部など家賃水準が高いエリアを想定している。

ここからは、上記基準を参考に、一人暮らし・二人暮らしにおすすめの平米数について解説していく。

一人暮らしの平米数の目安

  • 最低限必要な広さで25平米
  • より豊かに過ごせる広さで40平米
  • 立地重視なら20平米以下もおすすめ

それぞれの詳細を見ていこう。

一人暮らしに「最低限必要な広さ」は25平米

寝転ぶ女性
1人でくつろげる広さはどれぐらい?

「住生活基本計画」によれば、一人暮らしに最低限必要な広さは、25平米だ。間取りで言えばワンルームや1Kの物件が多い。

25平米は「畳」に換算すると15.43畳。ただし、これは玄関やお風呂、トイレや収納などすべてを含んだ広さとなる。そのため、居室の広さは6〜8畳ほどとなる。

一人暮らしの「より豊かに過ごせる広さ」は40平米

より豊かに過ごせる広さの目安は、都市部で40平米以上、それ以外で55平米以上が基準となる。

40平米は、「畳」の単位に換算すると24.69畳。ただし、同様に実際の生活スペースは13~15畳ほどとなる。一人暮らしなら不自由なく生活できる広さだろう。

40平米の物件は、間取りでいえば1LDKや2DKなどである場合が多い。このため、自宅で仕事をしている人の場合、作業場と寝室を別にできるメリットがある。

立地重視なら20平米以下の狭小物件もおすすめ

都心部の駅の近くや繁華街など、立地を重視するなら20平米以下の物件も検討しよう。

都心部では家賃相場が高いため、「最低限の広さ」の基準である25平米に満たない物件も多数存在する。なかでも「狭小物件」とよばれるコンパクトな物件が最近注目を集めている。

専有面積が20平米以下となると、生活スペースは4畳ほどしか確保できないものの、シャワールームやミニキッチンといった必要最低限の設備は整っている。ロフトや収納付き家具などが設置され、できるだけ広い空間を保てるように工夫をしている物件も多い。

二人暮らしの平米数の目安

二人暮らしに「最低限必要な広さ」は30平米

二人暮らしを送るために最低限必要な広さの目安は30平米。畳に換算すると、18.51畳となる。

30平米で二人暮らしをするのは、人によっては圧迫感を覚えるかもしれない。家具は最低限のもの以外を置かず、モノをできるだけ増やさないように心がける必要がある。

二人暮らしの「より豊かに過ごせる広さ」は55平米

二人暮らしでより豊かな生活を送るためには、55平米ほどのスペースがあると良いとされている。これは畳に換算すると33.95畳だ。間取りで言えば、2DKや2LDKの物件が多い。二人それぞれが専用の部屋を持つことができ、それぞれのプライバシーを大切にできるのは大きなメリットだ。

3人家族の平米数の目安

たとえば、子どもが1人いる3人家族の場合、平米数の目安は次のようになっている。

3人家族に「最低限必要な広さ」は40平米

3人家族で暮らすために最低限必要な広さの目安は40平米で、畳換算では24.69畳となる。家族で暮らす場合、夫婦二人の生活スペースに加え、子ども部屋も必要になる。子どもの年齢によって異なるものの、勉強机やベッドなどを配置するためには若干の工夫が必要になるかもしれない。

3人家族の「より豊かに過ごせる広さ」は75平米

3人家族がより豊かな生活を送るためには、75平米を目安にすると良いだろう。畳換算すると、46.29畳となる。3DKや3LDKといった間取りなら、家族それぞれで専用の部屋を持つことが可能だ。

4人家族の平米数の目安

子ども2人を抱える4人家族で暮らす場合の平米数目安は、次のとおりだ。

4人家族に「最低限必要な広さ」は50平米

4人家族で最低限必要な広さは50平米で、畳換算すると30.86畳となる。子どもが大きくなってくると、50平米でも窮屈に感じるかもしれない。

できるだけ家具や物を増やさず、広いスペースを確保することを心がける必要がある。

4人家族の「より豊かに過ごせる広さ」は95平米

95平米のスペースがあると、4人家族でも余裕を持って暮らせるようになるだろう。これは畳換算で、58.64畳の広さとなる。

4LDKの間取りなら、家族一人ひとり専用の部屋を持つことができる。また、夫婦で同じ部屋にする場合は、3LDKも良いだろう。

ここからは、ロフトやベランダが専有面積に含まれるのかどうかについてご紹介する。

賃貸物件のロフトやベランダは専有面積に含まれない

ロフトのイメージ
ロフトは面積に含まれない…!

物件情報に記載されている専有面積(平米数)は、借主が自分専用のスペースとして利用できる室内の面積のことだ。

しかし、部屋の場所によっては、専有面積に含まれないところもある。

それでは、専有面積に含まれない部分を確認していこう。

専有面積に含まれる部分専有面積に含まれない部分
居室ロフト
クローゼットベランダ
収納スペースバルコニー
キッチン床下収納
トイレ屋根裏収納
浴室玄関ポーチ

専有面積に含まれない部分とは?

「ベランダ」「バルコニー」については、普段その部屋の住人しか使用しないが、災害時には避難経路としても使われるため、法律によって「共有スペース」とされている。このような理由から、専有面積には含まれていない。

また「ロフト」については建築基準法上、生活空間ではなく屋根裏収納や床下収納などと同じような扱いとなっているため、こちらも専有面積に含まない。

たとえ25平米の部屋であっても、ロフト付きの場合はロフトが専有面積に入らないため、想像以上に広く感じられる。同じように、ベランダが広ければリビングの狭さも緩和されるので、もし40平米の部屋のハードルが高い場合はベランダやロフトがある部屋を探すといいだろう。

ただし、表記ミスで「ロフト」を専有面積に含んで表示してしまっている場合もあるため、屋根裏スペースのある物件は内見時に全体の広さを確認しよう。

部屋探しで「平米数」以外にもチェックしたい5つのポイント

一人暮らしの部屋選びでは、広さ以外にもできるだけ確認しておきたいポイントが5つある。どれも重要なものなので、1つずつ押さえていこう。

物件探しでの「平米数」以外のポイント①:部屋の使いやすさ

たとえ平米数が広い部屋だとしても、柱が大きく出ていて部屋の形がいびつな場合は使い勝手が悪くなってしまう。壁に沿わせて家具を配置できないと、雑多な印象の部屋になってしまう。最近はインターネット上での内見も増えてきているが、できれば物件へ実際に足を運んで部屋の内部を確かめることがおすすめだ。

物件探しでの「平米数」以外のポイント②:家賃

家賃のイメージ
家賃との兼ね合いが重要!

広い部屋に住めば、快適さは上がるが、当然その分家賃も高くなる。家賃は毎月の出費となるため、無理のない範囲で予算を立てよう。ちなみに、支払いが滞る可能性の低い家賃の目安は「年収の20%〜25%」程度といわれている。

物件探しでの「平米数」以外のポイント③:アクセスや立地

物件選びでは、部屋の内部だけでなく、周辺の環境も必ずチェックしよう。

主なチェック項目は、最寄り駅からの距離やターミナル駅までの移動手段、買い物環境、街の治安などだ。住んでから後悔しないためにも、内見時には周辺の環境も確認しよう。

物件探しでの「平米数」以外のポイント④:防犯対策

防犯面で考えれば、一般的に部屋の階数は一階よりも高層階の方が良い。また、オートロックかどうか、管理人は常駐しているのか、監視カメラはあるかといった点も事前に確認しておこう。

物件探しでの「平米数」以外のポイント⑤:建物の構造

建物の構造は、あまり気にしない人が多いかもしれない。

しかし、鉄骨造やRC造は優れた防音性を持っており、一方で木造は断熱性や吸湿性が高いなど、建物の構造によって暮らしやすさが変わってくる。

防音性が著しく低い物件の場合、ストレスで健康面に影響が出てしまうおそれがあるので、周囲の環境が自分自身に適しているかを考えながら物件を選ぶようにしよう。

1平米の広さを理解して、スムーズに物件探しをしよう

物件探しの際、畳であればある程度の広さの検討がつくが、平米の単位で表記されているといまいち広さの感覚が掴みづらいという人も多いのでは。

しかし、居室スペースだけでなく水回りやキッチン、廊下の広さなども含む平米数は、住みやすさにかかわってくる。そのため、畳数だけでなく平米数もしっかりチェックして物件を選ぶようにしよう。

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CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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