大学受験が終わってからでは遅い? 今から親子で始められる住まい探し
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大学受験で大忙し。住まい探しは後回し……それでは遅いかも!?
すっかり秋めいてきた今日このごろ。受験生にとっては大学進学へむけ、追い込みの時期となってきた。大学合格後は一人暮らしを予定している人も多いのではないだろうか。
受験勉強で忙しい時期だが、住まい探しは合格発表を待ってからでは、条件の良い部屋が残っていない可能性が高い。そこで今回は、今から親子でできる部屋探しの準備について説明する。受験生やそのご家族は、ぜひ参考にしていただきたい。

新大学生の住まい探しは年末年始からが狙い目!? 両親・家族のサポートをお願いしよう
新大学生の住まい探しは、受験が終わってから動いていたのでは遅い。一般受験の合格発表がもっとも多く行われる2~3月は、大学生はもちろん、新社会人や転勤する人など、1年の中でも引越しの需要が最も高まる時期。住まい探しのライバルが多く、不動産会社も大変混雑するため住まい探しが難航する傾向だ。
このため、ある程度受験する大学の候補が絞れてきたら、時期的にまだ賃貸物件を探す人の動きが少ない年末年始あたりから住まい探しを始めておくのが良い。
しかし、この時期はセンター試験などが行われ、基本的に受験生本人が部屋探しをする時間はあまりない。そこで、両親などご家族の方に協力を仰ぎ、住まい探しを進めておくとよいだろう。

進学先の決定時期と住まい探しのタイミング
進学先や受験方法によって、進学先決定が年内になる場合と年明けになる場合に分かれる。それぞれの場合について、情報収集から物件の確保まで、住まい探しのタイミングを説明しよう。
年内~1月中旬までに進学先が決定する場合
AO・推薦入試、専門学校進学など年内に進学先が決定する場合は、事前にある程度、住むエリアの候補を絞っておこう。合格が決まった段階で、家賃や物件の条件など、優先したい条件を明確にする。住まいの候補エリアに強い不動産屋も年内に見つけよう。
年明けから大学生向けの物件情報が増え始めるので、目ぼしい物件があればすぐ不動産屋に出向き、見学を始めるようにしよう。時間が経てばたつほど条件の良い物件から埋まっていくので、これはという物件が見つかったら、申し込んでから見学に行くぐらいのつもりで行動したい。
1月下旬以降に進学先が決定する場合
一般入試を受けるなら、進学先は2月~3月まで決定しない場合が多いだろう。この時期はまさに不動産業界の忙しさもピークのため、あまり不動産会社のスタッフともゆっくり相談ができない。年末あたりから住むエリア探し・不動産会社の選定・住まいの条件をある程度決めておこう。
一般入試組は、第1志望だけでなく、第2・第3志望までも考慮して、どの志望校に合格してもすぐ住まい探しに取り掛かれるように準備したい。特に遠方から進学する場合、何度も志望大学のある地域へ足を運ぶのは大変。場合によっては受験日に部屋の内見を済ませておき、合格が決まったらすぐに契約をするぐらいのつもりでいよう。
「合格前予約」サービスも活用を
不動産会社の中には、受験生向けに「合格前予約」というサービスを展開している会社もある。
通常、不動産会社は契約前の賃貸物件を家賃の発生なく「仮押さえ」するというサービスことは行っていない。しかし「合格前予約」では、合格した暁には必ず入居するということを条件に、合否が出るまで希望の物件をキープしておけるのだ。
ただし、一部の大学や特定のエリアなど、サービス適用範囲が限られいることもあり、すべての不動産会社がこのサービスを展開しているわけではない。「大学合格前予約」が可能かどうかも、不動産会社をピックアップするうえでの項目にいれておこう。

親子で手分けしよう!大学生の住まい探しをスムーズに進めるコツ
住まい探しを始める時期についてわかったところで、続いてはスムーズに住まい探しを進めるための流れについて紹介しよう。
まずは志望大学周辺の家賃相場に応じ、ご家族の方に予算を設定してもらう
特に都市部においては、2駅、3駅離れただけで家賃相場が大きく変わる場合がある。アルバイトなどで自力で家賃を払う場合は別だが、家賃をご両親に支払ってもらう予定であれば、まずは大学に通学しやすいエリアの家賃相場を調べていただき、月々の家賃について予算の上限を設定してもらおう。
家賃相場については物件検索サイトを参考にしよう。間取り別の家賃を駅や市町村ごとに調べることができる。
▽家賃相場はこちらからチェック!
https://www.chintai.net/rent/
予算内の家賃で物件を検索してみよう
家賃の予算が決まったら、試しに物件を検索してみよう。検索結果に表示された物件をひととおり眺めるうちに、住みたい物件のイメージが湧くだろう。
希望エリアに強い不動産会社を早めに見つけておこう
住みたいエリアやの目星が付いたら、並行して希望エリアに強い不動産会社を探していこう。相談するべき不動産会社が決まれば、まだ忙しくない時期から、物件情報をメールなどで送ってもらうなど、早めの情報収集が可能になる。
なお、住まい探しや不動産会社への交渉などを代行してくれ、LINEでやりとりが可能なチャットサービスもあるので、すきま時間にかしこく活用すると良いだろう。
家賃を抑えて希望に近い物件を見つけるコツ!
当然だが、新築で設備も立地もすべてが整った物件は家賃も高くなっていく。ご家族から提示された予算に収まるよう、できる限り家賃を抑えつつ、自分の希望に合う条件の住まいを探すようにしたい。
家賃を抑えるポイント① 条件の優先順位を決める
予算内で全ての条件が完璧に整った物件を見つけるのは難しい場合もある。そんな時は、特に優先したい住まいの条件を考えておくとよい。
たとえば、自炊をして食費を浮かせたいなら、キッチンの広さは優先する。その分、水回りはバス・トイレ一緒のユニットバスを選ぶ、内装がキレイなら築年数には目をつぶる……といった具合だ。事前に親子で話し合っておけば、受験前の忙しい時期になっても、ご家族の方に部屋探しを任せやすいだろう。
家賃を抑えるポイント② 築年数は古くても、リフォームされた物件は狙い目
ピカピカの新築物件にあこがれる気持ちもわかるが、新築物件の家賃は相場より高くなるのが現実。ただ、がっかりするのは早い。一昔前の「下宿」のイメージとは異なり、昨今の単身向け物件は古くてもきれいにリフォームされている場合も多い。
築年数が経過していても、水回りの設備が入れ替えてあったり、モニター付きインターホンなどのセキュリティ設備が追加されている物件もある。古い物件というだけで敬遠せず、設備や周辺環境などを総合的に見て判断するようにしてほしい。
家賃を抑えるポイント③ 駅からある程度離れた方が家賃が割安
駅から遠い物件は家賃も安くなる傾向にある。特に志望大学が駅から離れている場合、大学生にとっては駅から近くなくとも、大学へ自転車などで通いやすいエリアを選べば家賃を大幅に節約できる場合もある。
駅からある程度離れた物件を検討する場合、自転車が使えるように、駐輪場のある物件を候補にするとよいだろう。また、通学路の夜道の明るさなど、セキュリティ面のチェックは必要なので、忘れないようにしたい。

新大学生の住まい探しは、親子で協力して円滑に進めよう
大学生の住まい探しについて、親子で動くべき時期と受験日程と行動の時期、大学生の住まい探しのポイントについて説明した。受験勉強で厳しい本人に代わり、親が情報収集に協力することで、素早く良い条件の住まいを確保できる。住まいの条件は親子でもしっかりと話し合って行き違いのないようにしながら、合格が決まったら速やかに住まいを確保しに行こう。
文=墨染みすず