同棲・結婚生活の参考に! 新婚さんに聞いた、結婚を見据えた二人暮らしの部屋探しのコツ
暮らしを長期的に見据えた堅実で賢い部屋選びとは?
二人の愛を育て、今後の人生に大きな影響を与えるであろう部屋探し。今回は西東京市に住む先輩夫婦に、二人暮らしのあれこれについて聞いてきた。

プロフィール
名前:斎藤翔太さん(25歳)、斎藤千種さん(28歳)
居住地:東京都西東京市
アルバイト先の飲食店で知り合い、2年間の同棲を経て2017年9月に入籍。家族が増えることも考え、2LDKの賃貸マンションに引越した。
ルームデータ
築年数:築20年
家賃:8万6,000円
間取り:2LDK
建物:鉄骨鉄筋コンクリート造1階/3階建て

すれ違う二人をつなぐ今日一日のできごと報告
昨年9月に入籍したという斎藤さん夫婦。長かった同棲生活を一度解消し、お互いの実家暮らしで結婚資金を貯めてから、新居探しをスタートさせたという堅実なカップルだ。
翔太さんが国家資格を取得し、正社員として働き始めたことをきっかけに結婚へ踏み出したという二人だが、実は互いの休みがなかなか合わず、すれ違いが多いのが悩みだという。
飲食店で店長を務める千種さんは早朝から夜遅くまで拘束されることも多く、休みは平日がほとんど。一方翔太さんは月曜日から土曜日まで整骨院勤務。翔太さんの月2回の平日休みが千種さんと重なれば、やっと一緒の休暇が取れるというタイミング頼みだ。
そんな二人をつないでいるのは、翔太さんが千種さんの帰宅を待って捻出する会話の時間。
「僕が食事を用意したり、駅まで迎えに行きがてら外食をするなど、必ず一日の報告をし合ってその日を終えるようにしています」と翔太さん。
もともと同じ飲食店で店長とアルバイトとして出会った二人。飲食業の大変さや勤務形態に対して理解があるという翔太さんに対し「その寛容さや優しさがなければ結婚には至らなかった」と話す千種さん。仕事を持つ者同士の結婚や同棲は「キリキリせず、お互いを思いやる気持ちが大切」なのだそう。
そんな二人の一番お気に入りの場所は、日当たりの良いリビングルーム。気が付けばいつのまにか二人でソファに腰掛けてくつろいでいる。テレビ前に置かれているこだわりのサウンドバーとサブウーハーで、翔太さんは臨場感あるゲームプレイを、千種さんは大好きなアーティストのライブDVDをリアルに楽しむのが休みの日の過ごし方。
一方、2つの部屋はお互いの好きな物でそれぞれ埋め尽くされ、独身時代の部屋を彷彿とさせる。共働きカップルにとって好きなものはとことん追求し、お互いの趣味を尊重し合える大人の住環境が、平和で和やかな新生活の秘訣なのかもしれない。



私たちはこうした! 先輩夫婦の部屋探し
新生活を始める部屋探しは、2人初の共同作業。結婚を決意した斎藤さん夫婦は、どのような経緯で今の部屋を探し、何を決め手に選んだのだろうか。
【スケジュール】実家暮らしで資金づくり! 資格取得が結婚の後押しに
2016年の夏からお互いの実家に戻り、結婚資金を貯め始めた二人。翔太さんはアルバイトをしながら資格試験の猛勉強、千種さんは実家でお金を使わないよう心掛けて生活を送った。
そして春に翔太さんが国家資格を取得した年、結婚に向けて動き出す。夏頃から本格的に部屋探しを始め、11月上旬には新生活をスタートさせた。

【住む街探し】広さと家賃のバランス重視。東京市部での理想の部屋探し
この物件に決めた時の街選びについて聞くと「あまり迷うことなくすんなりと決まりました」と千種さん。余裕のある間取りと生活を圧迫しない家賃、このバランスについて最初に決めて、部屋選びを始めたことが功を奏した。
翔太さんと千種さんの勤務地があるのは、偶然にも同じ西武池袋線沿線。通勤を1番に考え、西武池袋線沿線の中で部屋探しを始めた。

「最初は東京23区内に住もうとしていたのですが、なかなか希望の間取りと賃料の折り合いがつかなかったんです」と千種さん。そんな時、すぐ隣の西東京市に入った途端に比較的広い間取りでも家賃が格段に下がることがわかり、西東京市に的を絞って家探しをすることに。
現在住んでいる部屋の最寄駅は静かで治安の良い住宅地にもかかわらず、駅前にはパルコや西友などが建ち並ぶ便利で住みやすい街。急行停車駅で池袋まで約15分という利便性の良さにも魅力を感じ、本格的な物件探しが始まったのだった。
不動産会社に勤務する友人に部屋探しを手伝ってもらいながら、話はトントン拍子に進んでいった。今の物件を紹介されて内覧に訪れた際、「駅から徒歩10分・コンビニの上階」という好条件を二人とも大いに気に入り、すぐに契約を決めたそう。



【物件探し】ライフスタイルも考慮。新居探しは長期的視野で
1回目の同棲時は千種さんの家に一緒に住んでいたことから、新居は余裕のある間取りを希望していたという二人。東京23区内の2LDKでは賃料が高すぎるためにあきらめ、現在の西東京市で理想の部屋を見つけた。
「最初に物件情報を見た時には、築10年という年数が気になっていました。ですが内見をしてその不安は払拭されましたね。リフォーム済だったこともあり、清潔感があって年数を感じさせない部屋と建物を、二人ともすぐに気に入ったんです。意外にも決め手になったのは、リビングの横にある和室の存在。『クッション性のある和室は子育てしやすい』と聞いていたこともあり、子どもが生まれても長く暮らせる部屋だと感じて背中を押されました」と千種さん。
マンション1階にはコンビニ、歩いて3分の場所に夜中まで営業しているスーパーがあったこともプラスの材料に。疲れて夜遅くに帰っても立ち寄れるコンビニが階下にあり、料理好きな二人が材料を調達するのに便利な環境は忙しい生活をサポートしてくれている。
北東にあるベッドルーム兼翔太さんの部屋には入居時にエアコンがなく、部屋探しをしてくれた不動産会社勤務の友人に「室外機だけでも」との提案を受けて管理会社に取り付けてもらった。「秋に引越しをしたので、夏の暑い時期を見越した整備はプロのアドバイスなしではできなかった」とありがたさを実感したそう。さまざまある部屋探しのポイントだが、信頼できる担当者を見つけることが重要だと二人で口をそろえる。
気になっていた古めかしいキッチンのタイルも、千種さんがレンガ風シートを貼ってリメイク。ソファやシェルフを自分たちで組み立てたりと、賃貸物件でも許される範囲でのアレンジやDIYを楽しんでいる。
立地や家賃などを優先し、築年数は妥協。しかしその分自分たちの手で快適にする努力を惜しまない。「しばらくの間は引っ越す予定はない」と断言する理想の新居で、斎藤家の新生活はスタートしたばかりだ。



二人暮らしの部屋探しのコツとは?
最後に、これから同棲を始めようとしているカップルに向けて、アドバイスを聞いてみた。
■ 2人の勤務先への利便性を考えた立地に
■ 家賃と間取りとのバランスを重視して
■ 部屋探しは優先事項をはっきりさせてから
■ 原状回復できる範囲で部屋のアレンジも楽しむ
■ 信頼できる不動産屋や担当者を見つける
上記のアドバイスは斎藤さん夫婦の場合だが、ぜひ参考にしてみてほしい。
将来を考えた部屋選びで不安のない毎日を
何を目的に同棲を始めるかは重要だが、もし結婚を考えているならば、結婚した後のことを考えて部屋選びをするのが◎。先を見据えた部屋選びで、楽しい二人暮らしを始めよう!
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文=元井朋子
写真=阿部昌也
※「CHINTAI2018年3月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています