賃貸物件の「敷金・礼金」「保証金」の違いって?

公開日:2017年8月24日

部屋を借りるときの初期費用として「敷金・礼金」という言葉を聞いたことがあるだろう。地域によっては「保証金」という言葉が使われることもある。「敷金・礼金」と「保証金」、それぞれどのような意味なのだろうか。意味や制度の違いについて解説しよう。

「保証金」と「敷金」は契約時に、一旦家主に預けるお金


「保証金」と「敷金」はどちらも一旦家主へ預けるお金だ。地域によって名称は異なるが、目的はほとんど同じである。以下では、「保証金」と「敷金」の詳細・違いを解説する。

保証金

保証金は引越し先へ入居する際に支払うお金だ。とくに関西や九州の一部地域で使われる言葉であり、退去時の修繕費用に充てられる。

たとえば、生活していたなかで「壁の一部が汚れてしまった」や「設備が壊れてしまった」などの場合に使われることが一般的だ。

入居者には「原状回復義務」がある。そのため保証金を使い、次の入居者が不快感なく過ごすために必要な初期費用の一部にするのだ。なおこの保証金は、修繕に必要な金額以外は返還されるので、安心していただきたい。

また、保証金と敷金の大きな違いは「料金相場」だ。保証金の相場は、おおむね家賃の「3ヶ月〜6ヶ月」といわれている。一方、敷金は家賃の1ヶ月〜2ヶ月であるため、少し割高に感じられるだろう。

敷金

敷金は、先述した保証金とほとんど同じと考えていただいて問題ない。したがって、おもな使用目的は退去時に必要となる修繕費である。

保証金と違う点は、一般的に「礼金」と一緒に支払う必要があるという点だ。この礼金については詳しく後述するが、簡単にいうと家主に対しての「お礼金」である。お礼としての支払いのため、退去時には一切変換されない。

このように現在では一部地域で、保証金という制度が残っているが、ほとんどが「敷金・礼金」になっている。入居時には契約書をしっかりと読み、わからなければすぐに不動産へ相談することが大切だ。

敷金の語源は江戸時代?

諸説あるが、敷金の正確な由来については不明だが、「江戸時代の女性の持参金」からきているという説がある。江戸時代には、結婚する際、妻側の家族が持参金を花嫁に持たせるという習慣があり、このお金を「敷金」と呼んでいたようだ。
そして、離婚することになった場合にはその敷金が返還されていた。現代の賃貸契約と類似しているのは興味深い点だ。

次のページでは礼金の意味と、地域をまたいで引っ越す際の注意点を紹介していく。

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