畳のある賃貸物件は住みやすい?メリット・注意点と、向いている暮らし方を解説

い草の香りが心地よく、ついついゴロゴロくつろぎたくなる「畳」。生まれ育った家に畳がある人は特に、「フローリングより畳のある和室の方が落ち着く!」という場合も多いのでは?
賃貸物件における畳の部屋には、洋室にはない住み心地がある一方で、湿気や家具の跡など注意したい点も存在する。この記事では、畳のある賃貸物件の特徴を整理し、メリット・注意点、入居前に確認しておきたいポイントをわかりやすく解説する。
このページの目次
畳の部屋とは?基本の特徴をわかりやすく解説

畳の部屋は、表面に適度な柔らかさがあり、素足で歩いたときの感触がやさしく、床に座ったり横になったりといった動作がしやすい点が特徴だ。和室ならではの落ち着いた雰囲気もあり、洋室とは異なるリラックス感を得ることができる。
また、い草の中は空気をたっぷり含んだスポンジ状になっているため、畳は断熱性に優れた床材とされており、夏はひんやりと感じやすく、冬は冷えを感じにくい傾向がある。エアコンや暖房の効き方にも影響する場合もあるため、室内環境を穏やかに保てる点も魅力のひとつといえる。
一方で、畳はい草の繊維を用いた素材のため、湿気を吸収する性質を持つ。風通しが悪い状態が続くと、カビが発生する場合もあるため、入居前には部屋の換気のしやすさや日当たり、押し入れの配置なども確認しておきたいポイントだ。畳の特性を理解したうえで住環境を選ぶことが、快適に暮らすための第一歩となる。
畳のメリット

足触りが柔らかく、床でくつろげる
畳はクッション性があり、素足で歩いたときにやさしい足触りである。座る・寝転ぶといった動作がスムーズに行えるため、ラグを敷かなくても過ごせる点もメリットだ。床で過ごす時間が自然と増える点も特徴だ。
吸音性が高く、静かな住環境をつくることができる
畳は衝撃音を吸収するため、フローリングに比べて足音や物音が響きにくい。階下への音が気になる人や、室内で落ち着いて過ごしたい人にとってメリットになる。
断熱性・調湿性があり、室内環境を整えやすい
畳は断熱性があり、夏はひんやり、冬は冷えを感じにくいとされている。
また、湿気を吸放出する性質があるため、室内の湿度変化をやわらかく調整できる床材でもある。
ホコリを舞い上げにくく、空気環境を保てる
畳表の凹凸のある構造により、空気中のホコリを吸着する特性がある。ホコリが舞い上がりにくく、床付近の空気環境を落ち着かせることができる点も、畳ならではの特徴といえる。
畳について知っておきたい注意点
汚れやダニをため込みやすく、掃除の習慣が必要
畳は空気中のホコリを吸着する反面、掃除を怠ると汚れがたまってしまう。畳の目に沿って掃除機をかけるなど、定期的なお手入れを前提に考えておく必要がある。
湿気に弱く、環境次第でカビが発生する
畳は吸湿性が高いため、換気が不十分な状態が続くとカビの原因になる。風通しの悪い部屋や、押し入れの管理には注意が必要だ。
日焼けや摩耗など、経年変化が出やすい
日当たりや使用頻度によって色ムラや擦れが生じ、経年変化が目に見えてしまうことも。状態の変化を前提として使う意識が求められる。
退去時に修繕費用が発生する可能性がある
通常使用の範囲であれば借主負担にならないことが多いが、傷みや汚れが大きい場合は、畳の表替えや修繕費用が発生するケースもある。
畳のある賃貸物件に向いている暮らし方

床で過ごす時間を大切にしたい暮らし
畳の部屋は、椅子やソファを使わず、床に座る・寝転ぶといった動作を自然に取り入れられる。ラグやマットを敷かなくても、そのままくつろげるため、家具を最小限に抑えた暮らしに適している。
床に近い生活は、空間を広く使える点も魅力だ。部屋を多目的に使いたい人や、生活シーンに合わせてレイアウトを柔軟に変えたい人にとって相性がよい。和室ならではの落ち着いた雰囲気も、日常の中で気持ちを切り替える場として機能するだろう。
室内環境を整えながら、丁寧に住まいと付き合う暮らし
畳は湿気を吸放出する性質があり、定期的な換気や掃除、家具配置の工夫を前提に暮らすことで、畳ならではの快適さを保てる。住環境に手をかけること自体を負担ではなく、暮らしの一部として楽しめる人にとって、畳の部屋は魅力を発揮するだろう。
和室を快適に使う、暮らしの工夫
換気と湿気対策を習慣化する
畳は湿気を吸放出する性質があるため、空気の流れをつくることが住み心地を左右する。日常的に窓を開けて換気を行い、押し入れや収納も定期的に開放することで、湿気がこもりにくい環境を保つことができる。
梅雨時や湿度が高い時期は、除湿機やエアコンの除湿機能を併用すると、カビの発生リスクを抑えることができる。
家具配置を工夫して凹みを防止
畳は柔らかい素材のため、重い家具を長期間同じ場所に置くと跡が残りってしまうことも。家具の脚部にフェルトや保護材を取り付けることで、畳への負担を軽減できる。
また、模様替えを兼ねて家具の位置をときどき変えることで、畳の傷みを抑えられる。
掃除しやすい環境づくり
畳はホコリを吸着する特性があるため、定期的な掃除を前提にした環境づくりが重要となる。掃除機は畳の目に沿ってかけることで、汚れを取り除きやすい。ラグを敷く場合は、敷きっぱなしにせず、湿気がたまらないようこまめに外すことが望ましい。換気と掃除をセットで行うことで、衛生的な状態を保つことができる。
畳の部屋を検討する人が気になる疑問
Q1:和室は築年数が古い物件に多い?
和室は、比較的築年数が古い賃貸物件に残っているケースが多い。かつては和室が主流だったため、築年数が経過した物件ほど畳の部屋がある傾向にある。ただし、築年数が古いからといって必ずしも住みにくいわけではなく、リフォームや管理状態によって住み心地は大きく異なる。入居前に畳の状態や室内の状況を確認することが重要だ。
Q2:畳が傷んだときの修繕費はどうなる?
通常使用による畳の劣化であれば、借主が修繕費を負担せずに済むケースが多い。日焼けや経年による色あせ、軽度の摩耗などは「通常損耗」として扱われるのが一般的だ。
一方で、水濡れによるカビの放置や大きな汚れ、破損がある場合は、退去時に表替えや修繕費用を求められることもある。入居時の状態を確認し、写真などで記録しておくと安心だ。
Q3:家具が多い部屋でも畳は使える?
家具が多い暮らしでも畳の部屋を使うことは可能だが、注意は必要だ。重量のある家具を長期間同じ場所に置くと、畳に凹みや傷みが出てしまう。ベッドや収納家具を置く場合は、脚部に保護材を付けたり、荷重を分散させる工夫をしたりすることで、劣化を抑えよう。家具量や配置を事前にイメージし、畳との相性を考えておきたい。
Q4:和室を洋室へ変える方法はある?
畳の上に敷くだけでフローリング風にできるマットやパネルを使い、和室を洋室のように使う方法がある。原状回復が前提となる賃貸では、畳を撤去せずに施工できる点がメリットだ。
ただし、畳とフローリング材の間に湿気がこもると、カビが発生してしまう点には注意が必要である。敷きっぱなしにせず、定期的にめくって換気するなど、湿気対策を前提に取り入れたい。
まとめ

畳の部屋は、断熱性の高さや生活音の伝わりにくさ、床でくつろげる心地よさなど、フローリングにはない魅力を持つ住空間である。一方で、湿気によるカビの発生や、家具による跡、経年劣化といった注意点も把握しておこう。
入居前には、畳の状態や部屋の風通し、日当たりなどを確認し、無理なく管理できそうかを見極めておきたい。入居後は、こまめな換気や家具配置の工夫を意識することで、和室ならではの快適さを活かした暮らしができるだろう。畳の特性を理解したうえで選ぶことで、住まいの選択肢はより広がるはずだ。








