住まいの地震対策が気になる! 建物の揺れ幅を抑える免震構造とは

公開日:2015年2月20日

東日本大震災以来、住まいへの地震対策の意識が定着しつつある。家選びの際、地震対策に力を入れている物件を考えている人もいるのでは?

地震対策を施した物件なら安心して暮らせる

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今回は、マンションの地震対策のひとつである「免震物件」について調べてみた。

そもそも免震とは

免震とは、建物と基礎(地面)との間に「免震装置」を設置し、地盤と切り離すことで揺れの強さを1/3~1/5に抑える構造のこと。一般的に使われている免震装置は、ゴムと鉄板を交互に重ねた積層ゴムというもの。水平方向には柔軟で、ゴムの弾力で動き、上下方向には硬く、建物の重さを支えることができる。ほかにも、剛球やローラーの転がりを利用した転がり支承、すべり材とすべり板を組み合わせたすべり支承など、建物に合わせた免震装置が取り入れられている。

ちなみに、建物の地震対策には、壁の強度を上げるなど、構造体を強くして地震に耐える「耐震」と、建物内に制震素材(ダンパー)を配置し、建物に伝わった地震の揺れを吸収する「制震」もある。免震はこれら2つに比べ、建物の揺れ幅を小さく抑えるとされている。

免震物件に住むメリット

免震物件は建物の揺れの強さが小さくなるため、家具や家電製品の転倒や破損する可能性が低くなる。そのため、照明や食器が割れガラスが飛び散ってケガをする、火災が起きるなどの2次被害を減らすことができる。揺れ方の印象はゆっくりとした動きという声が多く、慌てずに行動できるというメリットもある。

また、耐震の場合、上の階にいけばいくほど大きく揺れてしまうことが知られている。そのため、同じ建物でも上の階の方では被害が大きくなりやすい。免震の場合、上の階も下の階と同じ程度にしか揺れないので、どの階に住んでも安心だ。

免震物件とはいえ、揺れがなくなるわけではない。家具を壁に固定する、棚の扉を開かないように留め金をするといった地震対策を行うことは大切だ。いつどこで起きるか分からない地震。被害から少しでも身を守るために、免震構造の賃貸物件を選んではいかがだろう。

(平野友紀子+ノオト)

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