快適な一人暮らしのために!物件探しの注意点、レイアウトのコツをプロが伝授

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ソファに座り、スマホで部屋探しをする女性

一人暮らしを始めるなら、部屋を快適に過ごせて自分らしさが光る「理想の空間」にしたい。そのためには、物件探しレイアウトが重要だ。

快適な一人暮らしのためにチェックすべき間取りや設備のポイント一人暮らしのレイアウトのコツを、インテリアトータルプロデューサーのMAKOさんに教えてもらった。理想の一人暮らしを叶える「お部屋づくりのプロ」ならではの視点を取り入れてみてほしい。

株式会社 Laugh style 代表、インテリアトータルプロデューサのMAKOさんのプロフィール写真

インテリアトータルプロデューサー。株式会社Laugh style代表。「笑顔あふれる空間」を理念に掲げ、オフィスから個人宅まで多種多様なインテリアコーディネートを手掛ける。テレビやラジオなどのメディアにも多数出演。
保有資格:インテリアコーディネーター、宅地建物取引士など

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理想のお部屋づくりのための3つのステップ

MAKOさんのインテリアコーディネート事例写真2
理想を叶えた空間は、居るだけで心地が良い(画像提供:MAKO)

まずは、自分にとって快適な部屋づくりのヒントを紹介する。物件探しの前に、次の3ステップを実践してみよう。

ステップ1:自分のライフスタイルを分析する
ステップ2:お部屋づくりのコンセプトを明確にする
ステップ3:部屋や間取りに求める条件を具体化する

ステップ1:自分のライフスタイルを分析する

自分にぴったりな物件を見つけて、理想の空間をつくるために必要なことがある。それは、ライフスタイルの分析だ。仕事や趣味など日々の活動を振り返り、お部屋での過ごし方(例:自炊するのか、来客はあるかなど)を洗い出そう。

その部屋にどれくらい住み続けるか、将来どんな暮らしをしたいかも含めて考えてみてください。

一人暮らし向けの間取りとそれぞれの特徴を知りたい方はこちら
【参考記事】一人暮らしの理想の間取りは?部屋づくりのプロが間取りの特徴や選び方を解説<

ステップ2:お部屋づくりのコンセプトを明確にする

次に、お部屋づくりのコンセプトを明確化しよう。好みのスタイルを見つめ直し、インテリアのテイストなどのイメージも膨らませる。PinterestやInstagram、YouTubeなどで写真や事例を集め、振り返りやすいようにまとめておくと便利だ。

インテリアを選ぶ際は、自分が心地よさを感じる色や形、素材がどのようなものかを考えましょう。

同時に必要な家具・家電・インテリアをリスト化し、おおまかなサイズも書き出しておくことで、最低限どれくらいのスペースが必要か把握できる。

ステップ3:部屋や間取りの条件を具体化する

理想の部屋のイメージが固まったら、それを実現するために必要な「物件探しの条件」を逆算する。部屋の広さや間取りだけでなく、家賃やエリアなどを自分のライフスタイルに合わせて具体化していこう。もちろん、周辺環境など生活利便性に関わる条件も検討すること。

物件選びの注意点

内見をする女性と案内する不動産会社の男性

ここからは、快適なお部屋づくりのためにチェックすべき間取りや設備のポイントを紹介する。レイアウトのしやすさに直結するので、ぜひ参考にしてほしい。

レイアウトしやすい間取りの5つのポイント

.間取りの種類

一人暮らしで選ばれることの多い間取りは、ワンルーム(1R)、1K、1DK、1LDK。中でもワンルーム1Kを選ぶ人が多い。

両間取りの最も大きな違いは、仕切りの有無。ワンルームでも居室が広い物件は存在し、パーテーションやシェルフ(棚)を使えば生活スペースを区切ることもできる。しかし、ワンルームの部屋は、1Kのようにキッチンと居室の間に扉や壁がないため、料理のニオイが部屋に充満しやすくなる。

6畳のワンルーム(画像左)と1K(画像右)。1Kのほうが居住スペースが広い

仕切りのよる機能の違いを念頭に入れ、理想の部屋に適した間取りを選ぶことで、ミスマッチを防止できる。

2.居室の広さと形

居室は、生活動線を確保したうえで、必要な家具・家電・インテリアを置ける広さがあるか確認すること。部屋の形も重要だ。部屋が細長い場合や三角形の変形間取りなどはデッドスペースが生まれやすく、レイアウトが難しい。

部屋の形は、基本的に正方形長方形がオススメ。正方形ならレイアウトの自由が利き、後から家具の配置も換えやすい。ただ、奥行きが浅く、手狭さを感じやすいのがネックだ。長方形なら奥行きがあって開放感を演出しやすい。しかし、窓や収納の位置によってベッドの置き場所が制限されやすいのが短所となる。この一長一短を理解したうえで、部屋の形を選ぼう。

また、窓が小さかったりなかったりする部屋や、天井が低かったり木目調だったりする部屋は、窮屈に感じることがあります。

3.窓の面積と配置

は日当たりや風通しを左右する。また、数が多かったり、面積が広すぎたりすると家具・家電・インテリアの置き場所を制限する。カーテンと干渉する場所には家具を置きにくいし、窓からの光が当たる場所だと家具が日焼けしやすい。電化製品も安全面から直射日光を避けて配置するのが基本だ。

さらに、窓は壁よりも外気を伝えやすいため、窓周辺は暑さ・寒さを感じやすい。家具やベッドなどの配置に注意しよう。

4.収納の有無と容量

収納の有無と容量は暮らしやすさに直結するだけでなく、レイアウトにも影響を及ぼす。クローゼットや押入れが備わっていなかったり、小さかったりすると、引き出しの付いたチェストや衣装ケースなど収納家具を置かざるを得ない。

そうなると置き場所を考慮する必要があるし、その分生活スペースを圧迫する。もともと収納家具を使う予定がなかった人や、コンパクトな部屋を探している人は要注意だ。

5.エアコンの位置

備え付けのエアコンの位置もポイントだ。エアコンの風が直接当たる位置には、ソファなどを置きづらい。ソファやダイニングテーブルなど大型家具の位置が制限されると、必然的にレイアウトの自由度が低くなる。

だからこそ、理想のレイアウトを実現するうえで不便がないかチェックしておきたい。

レイアウトに関わる4つの設備

キッチン

1.室内照明

各部屋に照明器具が備わっているか、部屋全体が十分に明るくなるかを確認しよう。また、照明の壁スイッチが備わっていない場合や少ない場合、不便に感じるかもしれない。

加えて、照明のソケットによって照明器具の選択肢が限られたり、ソケット数が少なくて照明を追加できなかったりすることも。間接照明が必要になり、居室が狭いとスペースを圧迫するので注意が必要だ。

2.収納

収納をチェックする際は、必要な荷物が収まるか見極めるのが大切。持っていく荷物を洗い出し、実際どれくらいのスペースが必要か、きちんと把握しておこう。

また、収納には、大きく分けてクローゼット押入れがある。クローゼットは主に衣類を収納するもので、押入れは日用品や布団などさまざまな物をしまうスペースとしてつくられたもの。

押入れは奥行があり収納力が高いものの、奥にしまったものは取り出しにくく、長いコートやワンピースなど丈の長い服は折ったり畳んだりしなければならない。洋室にリノベーションされていても押入れのままという物件もあるので注意しよう。

3.キッチン

キッチンではシンクや調理スペースの広さが十分か確認。さらにキッチン周りの収納スペースをチェックして、調理器具や食器を収納できるか考えよう。

なお、最近人気の対面キッチンは居室側に仕切りができ、レイアウトに影響が出る。壁付けでも収納家具やインテリアを活用すればキッチンを隠すことが可能なので、「自分の望むレイアウトには壁付けと対面のどちらかが合っているか」で判断するのをオススメしたい。

4.ゴミ置き場

共用部のゴミ置き場も内見時にチェックしておきたい設備だ。ゴミ置き場が狭かったり、ゴミ出しの時間が限られたりしていると、自室にゴミを置く時間が増える。大きなゴミ箱が必要になり、その分のスペースが必要になる。

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お部屋づくりのプロ直伝!一人暮らしのニーズ別、おすすめレイアウト

ここからは、一人暮らしにおすすめなレイアウト術を「部屋を広く見せたい」「オシャレに見せたい」といったニーズ別に紹介する。インテリアトータルプロデューサーのMAKOさん直伝のテクニックを、ぜひ取り入れてほしい。

「部屋を広く見せたい」ときのレイアウト術

奥行きが浅いタイプやオープンタイプの家具、低い家具を選ぶと部屋が広く見える

お部屋を広く見せるには、家具を壁付けすることが基本。大きな家具や収納家具は壁に沿って配置し、テレビや収納家具は入口から死角となる場所(ドア側)に置くとよい。

そうすることで、部屋の中央にスペースを確保できる。また、採光を生かすため、窓の前には家具を置かないようにしよう。

部屋の大きな面積を占める部分には、白やベージュなどの膨張色を使うのがオススメ。ファブリック(布)を選ぶ際は、カーテンは部屋の壁の色、ラグは床材と似ている色を選ぶと、馴染んで部屋が広く見えやすいです。

また、入口から奥に進むに連れて家具が低くなっていくように配置することも有効。視覚的な圧迫感が減って、部屋が広く見える。家具は小さいものを選ぶのはもちろん、高さが低いものを選ぶとより広く見える。

ソファやテーブルなどは脚が細いものがベスト。アクリルやガラスのテーブルもオススメ。床が見えることで、広さを感じさせてくれる。

さらに、間接照明を部屋の隅に置くと光によって奥行きが生まれ、部屋がより広く見える。また、背の高い観葉植物などを置けば、視点が上にあがり、開放感を演出できる。

視点を上げるには、吊るすタイプのハンギンググリーン(観葉植物)やモビールといったアイテムを使うことも有効です。

ハンギンググリーン
ハンギンググリーンの例

「部屋をおしゃれに見せたい」ときのレイアウト

インテリアのトーンを抑えて揃えれば、ホテルライクな部屋も実現できる

ベースは前述した、部屋を広く見せるレイアウト術と同じ。家具を壁付けし、テレビなど大物は入口の死角(ドア側)に配置しよう。

家具を並べた時に凸凹があると違和感が生まれるので、家具は高さや奥行きを統一。高さや奥行きが違う家具を置きたいときは、間を開けると良い。

加えて、部屋と家具のラインを合わせることが重要。たとえば、テーブルや椅子の脚はまっすぐなものを選ぶとドアや窓と縦のラインが揃って、室内をすっきり見せられる。

絵やポスター、写真などを高い位置に飾ると、開放感を演出できます。しかし、飾る場所がドアの正面だと圧迫感を与えてしまうので、位置を少しずらすのがベターです。

また、姿見など大きな鏡を活用するのも手。壁に設置して部屋を映り込ませることで、視線の抜け感がつくれる。

室内は色数を5色程度までにし、同系色の濃淡や家具やインテリアの素材の違いで変化を付けたい。そうすることで、インテリアの統一感が生まれ、空間がすっきりする。

インテリアで個性を出したい場合、クッションやフラワーベース(花器)、ブランケットやラグ、ポスターなどが取り入れやすいアイテムです。

また最近では、おしゃれなポータブルライトが各社から出ています。

「快適に勉強・テレワークをしたい」ときのレイアウト術

部屋のコーナーや壁にデスクを設置するとテレワークに最適

一人暮らしの部屋は広さが限定されるため、レイアウトもこれまでと同様。家具をまとめて壁付けし、大きい家具は入口の死角(ドア側)に置く。デスクを壁付けにすると、余計な物が目に入ることを防ぎ、集中力を高める効果も期待できる。

デスクを壁面に向けると手元が暗くなりがちです。必要であれば、照明器具をプラスしましょう。

作業効率を上げるためには、必要な書類や文具などを取りやすい位置に置くこと。デスクが広いなら机上に置くのがベストだが、デスクが小さいなら周辺にデスクワゴンなど収納家具を置くと良い。

なお、デスクとチェアの高さに差があると、上半身が前のめりになって、肩や腰に負担をかける。高さを調整できるチェアを選べば、勉強や仕事の効率がさらに高まるはずだ。

1LDKなど広い間取りの部屋なら、ソファの後ろにデスクを置くのもオススメです。

自分だけの快適な空間をつくろう

一人暮らしの部屋では、広さや設備、収納などが制限されがち。しかし、自分のライフスタイルを理解した上で、お部屋探しとレイアウトを工夫すれば、快適で心地よい一人暮らしは実現できる。

ぜひMAKOさんのアドバイスを活かして、自分にとって最適な空間づくりにチャレンジしてほしい。

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監修=MAKO(株式会社Laugh style)
文=綱島剛(DOCUMENT)

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