【ヨガインストラクター解説】初心者にもおすすめなヨガのポーズ「太陽礼拝」を自宅でマスターしよう!

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太陽礼拝のやり方やポイントをチェックしよう

【ヨガインストラクター解説】太陽礼拝を宅トレでマスターしよう!
「太陽礼拝」にはメリットがたくさん!

自宅でヨガを始めたいけど、習慣化させるのが難しい! これまでも続かなかった! 挫折した! という方に特におすすめしたいのが太陽礼拝」というヨガの一連のポーズ。ヨガに興味がある人なら「太陽礼拝? 聞いたことあるな〜」という方もいるのでは?

本記事では、ヨガインストラクターである筆者が「太陽礼拝」のやり方やその効果について徹底解説。

初心者向けに今すぐ始められる方法を紹介しているので、早速挑戦してみよう!

美容ライター 荒原文
文=美容ライター・aya-works

ライター、ヨガインストラクター。書籍や雑誌の編集、ライターを手がける傍、ヨガインストラクターとしても活動している。アロマ関係の書籍を多数編集・執筆。最新刊は『「年齢を重ねるほど「見た目」で得する人、損する人 人生が輝くスキンケア「肌再生プログラム」の6ステップ」』
公式サイト:aya works

太陽礼拝とは?

太陽礼拝は、「ヨガの基本の12ポーズ」を決まった順番で連続して行う伝統的なヨガの練習法の一つ。

太陽礼拝は「最強シークエンス」とも呼ばれており、この動きをするだけで頭のてっぺんから足の爪先まで、全身にくまなくアプローチすることができるのだ。一度太陽礼拝を覚えれば、毎朝のヨガで「今日は何をしよう?」と悩むこともなくなるだろう。

太陽礼拝の効果は無限!? 「最強シークエンス」と呼ばれる理由

太陽礼拝に期待できる健康効果は多岐にわたり、「太陽礼拝以上の効果を生み出せるシークエンスはもう考えられない」とされている。その理由は以下の通り。

そもそもヨガのポーズは一つひとつが独立した存在で、一つのポーズのみでも一定の効果が得られるとされている。とはいえ、複数のポーズを組み合わせれば更なる相乗効果が期待できる。この組み合わせを「シークエンス」と呼ぶ。

太陽礼拝の効果が多岐に渡るのは、一連の流れの中に「立つ・しゃがむ・うつ伏せになる・反る・上を向く・下を向く・腕を上げる・腕を下げる・手をつく・手で押す・腕を伸ばす・腕を曲げる」といった人間に必要な動作のほぼ全てが網羅されていて、それらを呼吸に合わせて行うことができるから。これが太陽礼拝が「最強シークエンス」と呼ばれる所以である。

さらに、太陽礼拝の優れているポイントは、初心者でも取り組みやすい点にもある。
太陽礼拝は全身を動かすことができるため、「ヨガ版ラジオ体操」とも呼ばれることもあるが、太陽礼拝の動きは、ラジオ体操よりも更にシンプル。また、音楽に合わせるのではなく、自分の呼吸の速さに合わせて行うため、よりマイペースに行うことができる。

ヨガの初心者から上級者まで、また体の硬い人から柔らかい人まで、どんな人でもやればやるだけ上達していく。一生やり続けても飽きることがないシークエンスが、太陽礼拝なのだ。

初心者向け太陽礼拝のやり方

太陽礼拝のポーズを一つずつ確認しよう!
太陽礼拝のポーズを一つずつ確認しよう!

太陽礼拝は1畳程度のスペースがあれば、いつでもどこでもできる。太陽礼拝の具体的なポーズを解説していく。

太陽礼拝の流れ

可能であれば、一つの動作ごとに、一回の呼吸に合わせて行うと◎。それが難しければ、まずは動作を繰り返すことで動きの流れを覚えてほしい。

初心者向け太陽礼拝のやり方①
初心者向け太陽礼拝のやり方②
  1. マットの上にまっすぐ立つ
  2. 息を吸いながら両手をバンザイする
  3. 息を吐きながら脚の付け根から体を二つ折りにする(前屈)
  4. 息を吸いながら両手をすねに当て、体を半分起こす(半分の前屈)
  5. 息を吐きながら両足を後ろにひき、腕立ての形になる(辛ければ膝をつく)
  6. 息を吸って、吐きながらうつ伏せになる
  7. 息を吸いながら両手で床を押し、上半身を反らす
  8. 息を吐きながらお尻を突き上げて、手足で三角形を作る(ここで、3〜5回深呼吸)
  9. 息を吸いながら両足を両手の間に移動させ、手はすねに当て体を半分起こす(④と同じポーズ)
  10. 息を吐きながら脚の付け根から体を二つ折りにする(③と同じポーズ)
  11. 息を吸いながら両手をバンザイする(②と同じポーズ)
  12. 息を吐きながら両手を下ろし、マットの上にまっすぐ立つ(①と同じポーズ)

※太陽礼拝のやり方は流派によって若干異なります

太陽礼拝の代表的な効果は11種類!

太陽礼拝の代表的な効果は大きくは11個もある!
太陽礼拝によって期待できる具体的な効果を紹介

「太陽礼拝で体が軽くなった!」「太陽礼拝で冷え知らずになった!」など、太陽礼拝をコツコツ練習することで得られた嬉しい変化がSNS上でも多数報告されている。

また、 「人間関係が好転した」 「ポジティブになった」など、メンタル面での変化を感じる人も少なくない。

太陽礼拝で具体的に期待できる具体的な効果は大きく11種類。それぞれについて詳しく見ていこう。

①.血流促進

まず、太陽礼拝の最大の特徴は、心臓よりも下に頭を持ってくる「前屈」の動きが多く入っている点。これによって血流が「逆転」状態になり、血流がよくなるとされている。

ヨガをしない人は、日常生活で頭を心臓より下にすることがほとんどないのでは? 太陽礼拝はこの逆転の動きが非常に多く、1セット行っただけでも血行が良くなるのが体感できるはずだ。

②.関節の柔軟性・可動域の向上

太陽礼拝では、体の大きな関節である「肩甲骨」と「股関節」をダイナミックに動かす。

この2つの関節の動きの滑らかさは全身の柔軟性と関係しており、太陽礼拝を行うことで関節の可動域が広がるため、腕と脚がよく動くようになる。

③.筋力のアップ

太陽礼拝では腕立て伏せや背筋のような動作も入っているため、筋力がアップし、体脂肪の減少に貢献してくれる

④.肺活量のアップ

呼吸に合わせて一つひとつの動作を行うので、肺や心臓が鍛えられ、肺活量のアップにも貢献する。これにより息切れしにくくなる、集中力が増す、疲れにくくなるといったメリットが得られる。

⑤.バランス感覚の向上

正しい姿勢でまっすぐ立つことを基本とするので、全身の筋力が活性化される。体幹が鍛えられ、バランス感覚が向上する

⑥.自律神経系の調整

呼吸を活用して太陽礼拝を行うことで、自律神経系に働きかける。息を吸うことで交感神経が、息を吐くことで副交感神経のバランスが整い、血圧・体温・ホルモン・食欲・睡眠欲などの乱れも整ってくる

⑦.睡眠の問題の解消

自律神経系が整うことで、睡眠の質が向上する。また午前中に太陽礼拝を行うことで、睡眠ホルモンの分泌が改善されることも報告されている。

⑧.姿勢の改善

前屈と後屈を繰り返すことで、背骨がしなやかになり猫背が解消され、姿勢の悪さが改善される。

⑨.便通改善

前屈と後屈を繰り返すことで、内臓が刺激され便通が促される。

⑩.基礎代謝の向

程よい筋肉がつくことで、体脂肪が減少し筋肉量がアップするので基礎代謝が上昇し、食べても太りにくい体になっていく。

⑪.ポジティブマインドの獲得

太陽礼拝を続ければ続けるほど、多くの人が「ポジティブになった」「前向きになった」「イライラすることが減った」「小さなことが気にならなくなる」といった、メンタルへの効果を感じられるようになるとされている。これは全身が整ったサインで、「体と心がつながっている」という大切な気づきを得られるためだ。

太陽礼拝をより効果的に行うための疑問を解決!

ここからは、太陽礼拝をより効果的に実践するための疑問を解決していこう。

太陽礼拝はいつやるべき?朝?それとも夜?

太陽礼拝は「太陽」という言葉が示すとおり、本来は朝の日の出とともに太陽に向かって祈りとして行うことが起源とされる。太陽と向かい合い、朝日を全身に浴びながら行う太陽礼拝は確かに格別。そのようなロケーションで練習できない場合でも、頭上に太陽をイメージして行うだけで気持ちが晴れ晴れするのでイメージは大切だ。

とはいえ、一日の中でどのタイミングで行ってもOK。もちろん夜に練習しても問題なし。就寝前に行う場合は息があがらない程度にゆったりした呼吸を意識して行うことで、熟睡効果が期待できるだろう。

太陽礼拝は毎日やらないと効果がないの?

結論から言えば、太陽礼拝は毎日やらなくても良い。結果として週に1回しかできなかったとしても、「やれるときにやる」という気持ちで、まずは「やめない」ことを目標にしてみよう。

ただ、太陽礼拝の流れを覚えると、1セット3分〜5分で行えるようになる。すると、毎日行うのがそれほど大変なことではなくなるだろう。

毎日同じことをすることで、自分の体を定点観察できるようになり、心身に起こった変化に気づきやすくなる。変化に気づければ小さい対処で元に戻すことができる。

「今日はいつもより調子がいい」「今日はいつもより動きが悪い」「今日は3回やりたい気分」「今日は1回でいいや」などといった体の声を聞くためにも、この自己観察(セルフモニタリング)は健康維持に何よりも重要なので、できれば毎日の習慣にしてほしい。

これを続けることで食べる量や睡眠時間、仕事量なども「その日の自分にとっての適量」を見極められるようになる。毎日5分でも自分のために時間を使うことで、積み重ねの効果が期待できるのでぜひ毎日行ってほしい。

太陽礼拝は1回で何セット行えばいいの?

セット数は、自分の体調に相談するのがベスト。1回でも良いし、10回でも良い。大切なことは1回1回心を込めて行うこと。適当に10回やるのであれば、1回を全力で行う方が効果は高い。

もし回数を決めたいのであれば3回がおすすめ。「3」はヨガの世界ではマジックナンバー。「1回目は今のために。2回目は過去の自分のために。3回目は未来の自分のために」心を込めて行うと良い。

ちなみに毎年年末になると、あちこちのヨガスタジオで太陽礼拝108回イベントが開催されるが、ヨガが習慣化し太陽礼拝に慣れると、108回でもできる体力がついてくるのでそこを目指してみるのも一つ。

太陽礼拝の注意点、やってはいけない人やタイミングは?

太陽礼拝に特段の注意点はない。妊婦さんや高齢の方、基礎疾患があり運動に制限がある人でも、基本の12をアレンジすればできるのも太陽礼拝の優れた点。

ただし医師から運動が禁止されている人はできない。また、太陽礼拝に限らずヨガは、食後2時間(少なくとも1時間)は避けるようにしよう。

さっそく、太陽礼拝に取り組んでみよう!

太陽礼拝はYouTubeやInstagramなどでも大量に動画や音声コンテンツが無料で配信されている。自分の好きなものを見つけて、まずは1週間続けてみてほしい。動きを覚えたら、自分なりにアレンジするもよし、ヨガスタジオに行くもよし、今までとは違う太陽礼拝のコンテンツにトライするもよし! とにかく自由に楽しんで欲しい。

ヨガを習慣化するのに一番大切なことは「考えずに体を先に動かすこと」。太陽礼拝は、ヨガを続けるためのベストシークエンスになってくれるだろう。

美容ライター 荒原文
文=美容ライター・aya-works

ライター、ヨガインストラクター。書籍や雑誌の編集、ライターを手がける傍、ヨガインストラクターとしても活動している。アロマ関係の書籍を多数編集・執筆。最新刊は『「年齢を重ねるほど「見た目」で得する人、損する人 人生が輝くスキンケア「肌再生プログラム」の6ステップ」』
公式サイト:aya works

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