エレベーターなしの4階と5階はつらい?階段のみ物件のメリットデメリットをご紹介

公開日:2021年3月25日

4階や5階の物件でエレベーターがない物件ってあるの?

エレベーターなし 物件

気に入った物件が5階建てなのに、エレベーターがなかったということがあるのだろうか?実は4階や5階建てでも、エレベーターのない物件がある。一方で3階建てでもエレベーターが設置されている物件もあり、設置基準がわかりにくい。

今回は、エレベーターの設置基準に触れながら、エレベーターのない物件のメリットとデメリットについて紹介する。気になる物件にエレベーターがなくても、利点を知れば自分に合った物件になるかもしれない。

エレベーターを設置する義務は何階から?

物件によりエレベーターが設置されていないのはなぜなのだろうか。エレベーターの設置は義務化されているが、その基準は「階数」ではなく「高さ」によって定められている。

「建築基準法」により高さ31mの建物には、非常用の昇降機の設置が定められている。非常用の昇降機は火災による消火活動や人命救助の際に使用されるものだが、平常時は乗用エレベーターとして利用されることが多い。

高さ31mはマンションやアパートにより異なるが、7〜10階建てに相当する。そのため7階建て以上の賃貸物件では、エレベーターが設置されているのだ。なお、地方自治体によっては独自の設置基準が定められている場合がある。

高齢者向けには3階建て以上から

高さによって義務付けされているエレベーター。しかし、サービス付き高齢者向け住宅では、3階建て以上の建物にはエレベーターの設置義務がある。

これは国土交通省の「高齢者の居住の安定確保に関する法律施工規則」により、法律で定められているのだ。

実際にエレベーターは何階建てのマンションにある?

エレベーターの設置基準は細かく決められているが、実際には何階建てのマンションに設置されているのだろうか。

国土交通省の「長寿社会対応住宅設計指針」では、「6階以上の高層住宅にはエレベーターを設置するとともに、できる限り3~5階の中層住宅等にもエレベーターを設ける」とある。

これには強制力がないため、あくまで目安としていることが多い。そのため5階の建物でもエレベーターがなく、逆に3階建てでも設置されていることがあるのだ。

エレベーターなし物件のメリットとは?

エレベーターなし 物件

気になった賃貸物件にエレベーターがなかった場合でも、以下のようなメリットがある。

1.家賃が安い
2.適度な運動になる
3.混雑する時間帯に待つ必要がない
4.災害時にすぐに外に出られる

それぞれひとつずつ見ていこう。

エレベーターなし物件は家賃が安い傾向にある

まずは、家賃が安くなる傾向にあることだ。

エレベーターのない物件は敬遠されがちで、階数が高くなるほど入居者が入りにくいといわれている。空室を避けるためにも、比較的家賃を低く設定していることが多いのだ。

またエレベーターは設置費用だけでなく、点検やメンテナンス料もかかる。維持費は管理費から支払われているため、エレベーターのない物件ではその分の管理費がかからない。

階段の上り下りが適度な運動になる

2つ目のメリットは、階段により適度な運動ができることだ。

階段は大きな筋肉が集まった下半身を使うため、階段の上り下りだけでも運動になる。特に、リモートワークになり家から出る機会が減ったという人は、普段の通勤が運動になっていたことに気づいた人も多いだろう。

自宅にいると体を動かすことが減るため、意識して運動をする必要が出てくる。しかしエレベーターのない物件では、ゴミ出しをするだけでも階段を使用する。階段の上り下りは負担のかからない適度な運動になるのだ。

朝忙しい時間帯に待つ必要がなくなる

3つ目は、忙しい時間帯にエレベーターを待つ必要がなくなることだ。

朝の時間帯にエレベーターがなかなか来ず、遅刻しそうになり結局階段を使ったという経験はないだろうか。朝は利用者も多く、満員で乗れなくなってしまうことも多い。

しかし階段では待つ必要がなくなるため、なかなか来ないエレベーターにイライラすることがなくなる。

災害時にすぐに家の外に出ることができる

4つ目のメリットは、災害時にすぐ家の外に出られることだ。

日本は地震や台風など災害が多く、いつどこで起こるかわからない。緊急の事態になったときでも、エレベーターのない物件であれば階段を使いすぐに避難ができる。

また、エレベーターに乗っているときに地震が発生した場合はエレベーター内に閉じ込められてしまうこともあるが、階段だけの物件ではその心配もない。

エレベーターなし物件のデメリットとは?

エレベーターなしの物件には、家賃が安い傾向にあり、適度な運動ができるといったメリットがあった。一方で、エレベーターがないために苦労をすることもある。

エレベーターなしの物件には以下の3つのデメリットが存在する。

1.荷物が多い日や疲れた日がつらい
2.引越しに追加料金がかかる
3.大型家具の配送ができない可能性がある

ひとつずつ内容を見ていこう。

荷物が多い、体調不良でつらい場合には疲れる

最初のデメリットは、荷物が多いときや疲れているときに、階段がつらく感じることだ。エレベーターなしの物件が避けられる大きな理由ともいえる。

お米や2Lのペットボトルなど、大きな荷物を部屋まで運ぶのは一苦労。また仕事で疲れている日や、体調が悪いときにも階段を上り下りしなければならない。

引越しが大変で追加料金がかかる

2つ目は、引越しにかかわるデメリットだ。

引越しをする際、2〜3階以上でエレベーターなしの物件は追加料金がかかる。エレベーターのある物件であれば、荷物をまとめて運び出すことができるため、人員もそれほど必要がない。

しかし階段しかなければ、荷物を運び出す手間がかかるため人員も増える。作業時間も長くなるため、追加料金がかかるのだ。

追加料金がかかるからと、業者に頼まずに自分で引越しを考えてしまうが、洗濯機や冷蔵庫といった家電を階段で運ぶのはかなりの重労働になる。よほど荷物が少ない人でない限り、避けたほうがよさそうだ。

大型家具の配送をしてくれなかったり受け渡しが1階になったりすることも

3つ目は、大型家具の配送が難しい可能性がある点だ。

引越し後に家具を購入する人もいるが、家電量販店や家具店で大型商品を購入する際、エレベーターがない物件には配送ができなかったり、引越し同様に追加料金がかかったりすることがある。もしくは受け渡しが1階までとなり、部屋までは自分で運ばなければならないケースも考えられる。

また、階段や踊り場の狭さにより部屋まで運べず、せっかく購入したものを返品せざるを得なくなる可能性もあるのだ。購入の際にはエレベーターがないことによる配送の有無、搬入経路を測るといった事前確認をしっかりと行おう。

エレベーターなしの物件はこんな人におすすめ

メリットとデメリットについてお伝えしたが、エレベーターのない賃貸物件はどのような人に特におすすめなのだろうか。

エレベーターなしの賃貸物件がおすすめの人は、以下の通りとなっている。

・家賃を抑えたい人
・リモートワークの人
・体力に自信がある人

それぞれ具体的な理由を見てみよう。

家賃を抑えたい人

エレベーターなしの物件は、周辺の物件に比べて家賃が比較的安くなる。生活費の中でも大きな支出である家賃を抑えられるため、家賃重視の人にとっておすすめだ。

リモートワークの人

階段により適度な運動ができるため、1日のほとんどを部屋で過ごすリモートワークの人におすすめである。

普段から運動をしていない人は意識的に運動をするしかないが、なかなか簡単ではない。また、運動不足は生活習慣病になりやすく、糖尿病や肥満の原因にもなる。

適度な運動は疲労解消や気分転換によいといわれている。筋トレやジョギングなどの本格的な運動ではなく、普段の階段の上り下りで無理なく運動ができるのだ。

体力に自信のある方

体力に自信があり、日頃から運動をしている人へもエレベーターなしの物件はおすすめだ。階段を苦に思わず、むしろ普段の体力づくりの延長ともいえるだろう。

常に階段を使って生活しており、階段に抵抗がない人にとってもおすすめだ。

エレベーターなし物件の特徴を理解して一人暮らしを満喫しよう!

引越し費用がかかったり、荷物が多い日は大変だったりするが、一方で家賃が抑えられ、日常的な運動にもなるなどメリットも多い。

最初からエレベーターがないからと敬遠せず、自分のライフスタイルや重視するポイントと照らし合わせてみて判断しよう。

文=CHINTAI編集部

CHINTAI編集部
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1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
不動産店舗での業務経験者、宅建試験合格者などお部屋探し分野のプロも活躍する編集部が、新生活に役立つ情報をお届けします。

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