衣替えいらずなクローゼットづくりの方法と便利アイテムをご紹介!【整理収納アドバイザー直伝】

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衣替え不要のクローゼットづくりで、季節の変わり目を快適に!

【衣替え不要のクローゼットづくり】クローゼットの衣類
衣替えいらずなクローゼットづくりのポイントをご紹介!

四季の移り変わりを感じたら、ちょっぴり気が重い「衣替えの季節」。気温変化に素早く対応して、快適に過ごしたいのはやまやまなのに……年に2回の衣替えは体力も気力も消耗する大仕事。しかもなぜか家族の衣替えはママの仕事になっていて、実質3倍の労力がママの肩にのしかかることも。

2万人超えのインスタフォロワーを持つカリスマ整理収納アドバイザー・サチさんに、衣替え不要のすっきりクローゼットの作り方を伝授してもらおう。

はじめの一歩!まずはクローゼット内に服を収める

「正直、衣替えには5分もかからないかも……」と話すサチさん。その秘密は洋服の総数にある。

「自分の家のクローゼットの中に、全ての洋服が収まるようにする。これが衣替え前にまずやることです。洋服がクローゼットから溢れている状態では、洋服の入れ替え自体が不可能です」と、耳の痛い話から始まった。

理想はコートからトップス、ボトムスまで合わせて70着程度にすること。この着数であれば、賃貸物件はもちろん一般のクローゼットに必ず収まり、なおかつ余裕が生まれる数なのだそう。ちなみにサチさんの全ワードローブの内訳は、コート5、ジャケット2、トップス35、サロペット&ワンピース5、ボトムス23(全てオールシーズン)である。

洋服を減らすコツは第三者の目を意識すること。サチさんは、「PTAに着て行けるかどうか」を基準にし、先生の目、保護者の目、子どもの目の3者視点が集まる場所に着られるかどうかを考える。そうすると客観的・俯瞰的に判断でき、早く決断できるのだとか。

「それができれば困らない」というママたちの声が聞こえてきそうだが……
「“服をたくさんほしい”と“すっきり収納したい”は両立しません。毎回憂鬱な衣替えを、手間なくサクサク終わらせたいなら、洋服の数を絞らなければ始まらない。数が減れば、収納はいかようにも自由になります」(サチさん)

しかし70着程度というのはあくまで理想。職種や暮らし方でも適正枚数は変わるため、まずは数にとらわれすぎず、「自分が管理できる量」を目標にしてほしい。「一度管理しやすいストレスフリーな状態を経験してしまうと、もう戻れませんよ」とサチさんはにっこり。

「服は保管するものではなく着るもの」と心得る

ちなみにサチさんの場合は、シーズン終わりに「クローゼットオーディション」を開催。「着なくなった理由」を考えるのではなく、「着なかった実績」を重視してステージから降りてもらうシステムだ。

「理由があると、それに対して言い訳を探して服を残してしまう。最優先にするのは“着なかった”という事実」。オーディションでは、ワンシーズンで3〜4着、年間で10着弱を処分。実はサチさん、ギチギチに服を詰め込んだクローゼットで、お気に入りの洋服をカビさせた手痛い経験がある。

「服は保管するものではなく、着るもの。全てのアイテムを把握し、見える化しておけば、“着ていく服がない”と不安になることも、“どこにあったっけ?”と探す手間もなくなります。お片付けにはコツも近道もない。あるのはモノに向き合う真剣な気持ちだけです」。

洋服収納に困っている人は、この機会にクローゼットの“洋服”と向き合うよいチャンスかもしれない。最初から総数70着の高いハードルをクリアする必要はない。まずは今シーズンを振り返り、一昨年・去年・今年と3年着なかった服の処遇をどうするか、考えてみよう。

【衣替え不要のクローゼットづくり】クローゼットの衣類
すっきりと片付いたサチさんご夫婦のクローゼット。床に収納を置かず、頭上の棚には普段使わないものや思い出グッズを収納している

超快適!全アイテムをハンガー収納にしてみたら……?

そんなサチさんのクローゼットにお邪魔すると……。

【衣替え不要のクローゼットづくり】クローゼットの衣類
「これだけ?」と聞くと、「70枚って結構ありますよ」と即答。全ての服がスタメンなので全く困らないのだそう

上段には奥と手前に2本のパイプを設置し、奥にはオフシーズンの服、手前にはオンシーズンのトップスを管理している。上段のパイプからブランコハンガーを使って短めのパイプを下段に設け、下段にはボトムスをかけている。下段のパイプを短くしているのは、ワンピースや長めのコートをかけるため。そして全ての服がハンガーで収納されている。

【衣替え不要のクローゼットづくり】クローゼットの衣類
奥のパイプにはオフシーズンの服(撮影時は冬服)が待機。衣替えの際は前後のハンガーを入れ替えるだけという仕組みだ

ハンガーの本数は服の数と同じ70本、これ以上は絶対に増やさないのが自分との約束なのだそう。
「新しい服を買ったら、かけるところがないので必ず1枚処分する。これをくり返すと、70枚以上には増えません」と徹底した枚数管理をしている。

ここで疑問が一つ。ハンガーに吊るすと伸びてしまうようなニット類はどうしているのか?

「お掃除ロボットにきっちり掃除をしてもらうため、引き出し式の収納は床に置かないことにしています。だから、引き出しに入れないといけないような繊細な洋服は買いません(笑)。私の場合、“繊細なニット”と“ルンバ”を天秤にかけて、ルンバに軍配が上がっただけのこと。何を頑張るか・何を手放すかは個人の好みなので、自分にとって何が大事かを問いかけ、見極めることが大事です」と話す。

【衣替え不要のクローゼットづくり】クローゼットの衣類
クローゼットの奥深くに待機するルンバ。2階の掃除は全て任せているため、掃除機を2階に運ぶ手間がないのだそう

「面倒くさがり屋、手間暇をかけるのが嫌いな人にこそ、ハンガー収納はおすすめです。服に限らずモノを管理できる量に近づけると、自分でも驚くほど片付けや掃除に時間を取られずに済みますよ」(サチさん)。

引き出し収納にはin Boxで入れ替えが簡単に!

「わが家は押入れ収納でパイプ設置が難しい」という人も多いだろう。そんな人には、引き出しを使った収納方法もおすすめだ。

通常押入れは奥行き75〜80cm、クローゼットなら60cm程度。収納力が高い大きめの引き出しを使うと、奥のものは取り出しにくくなる。どうせ取りにくいなら、オフシーズンの服を奥にしまい、オンシーズンを手前に置けば、一つの引き出しで年間を通じた洋服を収納できる。

その際、役に立つのが引き出しの中に入れる小さなBox。サチさん宅では子どものパーカーやセーターなど、ハンガーにかけにくい服をこの方式で収納している。

【衣替え不要のクローゼットづくり】クローゼットの衣類
「トレーナー類、セーター類と種類別にBoxを決めておけば、スペース認知が働いて、収納力以上は買わないようになります。また1枚出しても残りの服が雪崩にならないので、ストレスもありません」(サチさん)

季節の変わり目には、このBoxごと前後を入れ替えれば瞬時に衣替えが完成。これなら服も不用意に増えず、適量もキープできて一石二鳥だ。

これがおすすめ!クローゼット収納に役立つアイテムは?

バータイプのパンツハンガー

片側が開いているバータイプなので片手でパンツを引き出せ、戻すときも簡単なのだとか。ずり落ちないように滑り止めがついているタイプがおすすめ。

フッククリップ

2点挟む方式のズボンハンガーは、外れてしまいやすく、意外に使いづらい。おしゃれ着には不向きだが、デニムやチノパンならこれで十分。特に子どものボトムスには超お役立ちだそうだ。

引き出しに入れるBox

引き出しに合わせて4〜6個入るサイズを選ぶと、衣替えが簡単に。100円ショップのものでも十分。

伸縮式ブランコハンガー

パイプから吊り下げれば2段になる便利グッズ。高さも変えられるので、子どもの成長に合わせて、またアイテムを変えても使える優れもの。

【衣替え不要のクローゼットづくり】クローゼットの衣類
収納力が倍になるブランコハンガー。ボトムスだけでなく小物やバッグを吊るしても便利

まとめ

「時間がない」「面倒くさい」とクローゼットの整理を先延ばしにすれば、それだけ快適な時間が遠のくだけ。「処分する心の痛みもなく、収納用品の工夫だけで片づくことはない」というサチさんの名言どおり、まずはクローゼットの洋服のオーディションから一歩ずつ始めてみよう。

教えてくれたのは?

サチさん(整理収納アドバイザー@鹿児島)

整理収納アドバイザー・整理収納教育士。旦那様が単身赴任中、ワンオペで3人の子どもの子育てをしながら、整理収納コンサルティングやセミナー講師として活動中。好きな言葉は「効率化」、苦手な言葉は「手間暇」。著書に『片づけ日和–快適な暮らしを実現させる仕組みづくり–(ワニブックス)』『50点家事–めまぐるしい毎日でも暮らしが回る–』(ワニブックス)などがある。

暮らしについて@iebiyori(Instagram)
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Blog :http://iebiyori.blog.jp

取材・文=元井朋子

※この記事の情報は2020年10月13日時点のものです。

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