可愛いデコラティブワールドへ! ファッションアーティスト・millnaさんのお部屋探訪
まるでお人形の世界!ファッションアーティスト・millnaさんの自宅にお邪魔してきた
人形に憧れ続け、そして本当に人形になってしまった人がいる。
その名もmillnaさん。
ファッションクリエイターとして、アパレルやアクセサリーのブランドを持つほか、着ぐるみのドールファッション・モデル「橋本ルル」のプロデュースやYou TuberのDOLL GAL MILLNAなど、世の“可愛い”に憧れる女子・男子に絶大な支持を得ている。
そんなmillnaさんの引越したばかりのお部屋にお邪魔した。

この部屋で椅子に座る姿は額縁の絵のよう
プロフィール
名前:millnaさん
職業:ファッションクリエイター
年齢:26歳
Web : millna.net
twitter : @mi_te_yo
Instagram:: @mi_te_yo
ルームデータ
居住地:東京都
居住人数:1人
間取り:1LDK
家賃:内緒
築年数:かなり古い
「親への誠意」が一人暮らしのきっかけに
大学在学中からファッションクリエイター&デザイナーとして活躍していたmillnaさん。新卒就職をせずにフリーで働く道を選び、両親から「自立」を提案されたという。
「私としては家に残りたかったのですが、大学まで卒業させてもらいながら就職しなかったことへの誠意を見せないと…という気持ちもありました。それでも1軒目にクリエイター専用のシェアハウスを選んだのは、完全な一人暮らしでは寂しいかなと不安だったから」(millnaさん)
その選択は正しかった。クリエイターたちが60人も集まる大型シェアハウスはリビングには常に人が集い、大型キッチンにはピザ窯まであるユニークな場所で、「生まれて初めての一人暮らしの寂しさも紛れた」とmillnaさんは笑顔で振り返る。
しかし、その平和な日常も長くは続かなかった。
暮らし始めて1年ちょっとで「シェアハウス取り壊し」のニュースが駆け巡ったのだ。
「しばらくはそこに暮らすつもりで、部屋をかなり造りこんでいたのでショックでした。実質45,000円の格安家賃だったこともあり、制作用とプライベートの2部屋借りていたので、荷物の多さも半端じゃなくて…」(millnaさん)

引越しを余儀なくされたmillnaさんが次に選んだのは、ずっと憧れていた街。友人も多く暮らしていて、何より夜行性のmillnaさんにとって夜中でも明け方でもお店が開いている環境が心強く感じた。
「住みたい街はすぐ決まったのですが、何せ単身者が多い地域なので“2部屋分の荷物が入る広さ”と“大きめのベランダ”の2条件を満たす物件がなかなか見つからなかった」のだそう。
築年数には目をつぶり、やっと見つけたのがこの1LDK。荷物が多すぎて単身者パックが利用できず、2トントラック積み放題コースにはなったのはご愛嬌である。友人に手伝ってもらい、2日かけて地獄のような引越しを終えたのが、2ヶ月前のことだ。
「お面を被れば人形になれる!」衝撃の橋本ルル誕生物語
大学在学中からイラストレーター活動を足がかりに、グッズやアクセサリーの販売、アパレルブランドの立ち上げと活躍の場を広げていた。服飾系のコースではあったものの、ゴスロリやフリフリのドレスで闊歩するmillnaさんは、学内でも「かなり尖った存在」だったという。
一方、中学生の頃から人形づくりを始め、人形作家としての顔も持つmillnaさん。作るだけでは飽き足らず、自分も人形になりたいと『小悪魔ageha』を参考に、長らくメイクやファッションを駆使して人形になろうとしていた。

油彩で何重にも色を重ね、微妙な肌の色合いを出す
「誰しもリカちゃん人形などに夢中になる時期があるけれど、私はそこからずっとハマったまま来ている感じ」(millnaさん)
そんなmillnaさんに転機が訪れたのは、大学を卒業しフリーランスとして活動を始めた頃。
お面を制作しているクリエイターにイベントで出会い、それまでメイクやファッションだけで人形に近づこうとしていた自分が「お面を被ればリアルに人形になれる!」と閃いた瞬間だった。
クリエイターによる完成度の高いお面と、研究に研究を重ねていた人形制作技術が活かされた人形メイク、目の覗き穴さえ悟られぬ特殊技術と究極の可愛いファッションが重なって、世界に1人のドールファッションモデル「橋本ルル」が生まれた。

ちなみに着ぐるみのファッションモデルなので、中に入る人は誰でもOK。バレエダンサーに着てもらってパフォーマンスをすることもあれば、「人形になりたい普通の人」が変身することもある。サイズさえ合えば男性でも着用可能だ。
言葉を発しない橋本ルルのほか、YouTuberとして活躍するDOLL GAL MILLNAもいて、現在millnaさんの元で人形として活動しているのはこの2人。
ファッションデザイナーを軸にするmillnaさんの数あるプロジェクトの一端を担っている。
大きく渦を巻くような「デコラティブな部屋」へようこそ

さて、話を部屋に戻そう。
一人暮らし2軒目になるこの部屋は、1LDKの1部屋を制作&作業部屋に充て、リビングをデコラティブに装飾してプライベートな空間に造りこんだ。もう空前絶後の空気感・世界観なのである。本人は「まだまだ」と謙遜するが、入った瞬間にこの世界に根こそぎ持っていかれる磁力がある。
「とりあえずはドールハウスをテーマに仕上げていますが、いずれは“ジュエルや宝石のような部屋”を目指して、さらに完成度を上げていく予定」と意気込む。
部屋は可愛いもの・美しいものに溢れ、フリフリ・ふわふわしているが、気をつけているのは、「ただのお姫様部屋にしないこと」。アンティークっぽさ、落ち着いた色使いには細心の注意を払っている。
市販品に満足しなければ、手作りもする。例えば、ひときわ目を引く枕元の天蓋も…「市販品を探しましたが、布をケチっている感じで可愛くなかった。なので通販で購入した日傘に、生地の卸で有名な日暮里で大量購入した白い布をたっぷりギャザーを寄せて満足のいく天蓋を作りました」と微笑む。

部屋の印象をガラリと変える必須アイテムのシャンデリアも、「古い喫茶店の雰囲気とキラキラ感を同時に出したくて」と代官山のシャンデリア専門ショップで購入。傘の部分は個人輸入をして取り付けたという凝りようだ。

家具類は、納得するまで根気強く探して決して妥協しない。お気に入りのライティングデスクに合うチェアも、「机に合うデザイン・回転する・高さが変えられる」という条件で探し続け、渋谷で見つけた時には瞬時に購入した。



美意識の結晶であり、「好きなものに囲まれていたい」というこだわりの発露でもあるmillnaさんの部屋。
今後着手するのは、天井だという。
「天井の装飾は部屋のクオリティを大きく左右するので、絶対に作り込みたい。ただ今度の部屋は釘や鋲が勝手に打てないので、工夫どころでもあるんです」と頭を捻る。
「映え文化」の総本山、中国の映えグッズを上手に利用
意外に思うかもしれないが、この部屋のグッズの多くが中国から上陸したもの。何を隠そう中国は、「映え文化」が非常に発達していて、日本ではなかなかお目にかかれないガーリー&キュートなものに溢れているという。
部屋の隅々まで行き渡るmillna風味のインテリアを真似したい人は必見!数々の映えグッズをご紹介していこう。
まずはフリフリレースのベッドスカート。日常感が出てしまいがちなベッド下は、ベッドスカートで隠すべき場所No. 1。このあたりを疎かにしないことが、部屋の完成度を左右する。

ちなみにシャンデリアの中央に下げられたハート型のチャームとフリンジも中国製。シャンデリアに頭をぶつける人が多いので目印にしているという。
このゴージャスなエアコン・カバーも中国製。無機質で味気ないエアコンも、これなら使用しない期間も肩身の狭い思いをさせずにいられる。

デスクを飾るサーモンピンクのダチョウの羽も中国で購入したもの。憂のある表情の人形を引き立てる完璧な役回り。

最近、自ら手作りしていたアクセサリーブランドの商品制作が追いつかなくなってきたというmillnaさん。
ようやく海外の工場との生産取引が始まって中国にも出向くことが多くなり、これらの「映えグッズ」の調達も容易になってきたのだという。
今後の活動について尋ねると、「私個人のハンドメイドではできなかったものが作りたい。海外工場と企画・制作することで今の頻繁な完売も減らせますし、みなさんにもっと気軽に手に取って頂けるよう取扱店舗もまた増やしていく予定。きちんと企業ブランドとしてやっていきたい」と抱負を語った。

美意識・センス・技術・モチベーションを兼ね備えたクリエイターだけが進める道を、軽やかに邁進するmillnaさん。
「好きなものを突き詰めていたら、いつの間にかこうなった」とサラリと語るが、心に浮かぶ“好きなもの”を具現化できる人が一体どれくらいいるだろう。
ただのゴスロリ好き、可愛いもの好き女子のデコラティブな部屋で片付けられないmillnaさんのお部屋。こちらがたじろぐほどの美の哲学が、ビッシリと詰まっていた。
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文=元井朋子
写真=編集部