一人暮らしの生活費が足りない? 家計の見直し&節約方法を解説
一人暮らしの生活費ってどのくらい必要?節約のポイントとは?

「今月もまだ始まったばかりなのに、もうお金がほとんどない……」という経験をしたことがある人は多いはず。一人暮らしの場合、自分の生活費だけを確保できれば生きていけるため、つい無計画にお金を使ってしまうこともあるかもしれない。
今回は一人暮らしにおける生活費の節約方法、見直し方法について紹介する。ついついお金を使いすぎて生活費が足りなくなっている人は要チェック!
この記事でわかること
一人暮らしの支出月平均は約16万円!都心に住むならそれ以上かかる
まずは家賃や光熱費などの固定費を見直して、身の丈に合っているか確認
困ったら使える節約技「プリマアプリやリサイクルショップに出す」「使っていない家電のコンセントを抜く」
このページの目次
一人暮らしの生活費は予想以上にかかる!まずは家計の見直しを

一人暮らしであれば養うべき家族もいないし、自分の生活費さえ確保できれば何とか暮らしていける。給与のほとんどを可処分所得に充てることも可能だろう。
もちろん、一人暮らししている人の中には、しっかりとお金を管理して、堅実に貯蓄を築く人もいる。しかし、実際はそこまで無駄遣いをしていないはずなのに、なぜか生活が苦しいという人もいるはずだ。
そのような人はまず、自分の生活のどの部分に、いくらお金がかかっているか現状把握を始めることがスタートとなる。ここでは参考として、政府による単身世帯の家計調査結果を挙げる。
項目 | 消費支出 |
---|---|
1ヶ月間の 消費支出合計 | \163,781 |
食費 | \40,331 |
外食費 | \11,060 |
住居費 | \20,847 |
光熱・水道費 | \11,652 |
通信費 | \6,793 |
保健医療 | \7,666 |
交通費 | \5,270 |
その他日用品 ・娯楽費等 | \60,162 |
このように、一人暮らしの1ヶ月の支出は16万円以上にも及ぶ。ただし、この調査は全国平均で、対象者の持ち家率は約60%だ。そのため、住居費が非常に安くなっている点に注意したい。都市部の賃貸物件における一人暮らしの生活費は、上記金額を大きく超えることになるだろう。
一人暮らしの生活費|「固定費」を見直して家計の体質改善を

生活費の収支を改善するためには、毎月必ず支払うことになる「固定費」を見直すことがスタートだ。
家賃や水道光熱費、通信費といった固定費を見直して減らすことができれば、単月では小さな額でも年間でみると大きな金額を節約することが可能だ。
①家賃

自分の収入からみて、あなたが暮らす物件の家賃は適切な金額に抑えられているだろうか。
家賃の適正額は「手取り月収の3分の1」と言われているが、それ以上である場合は、そもそも身の丈に合った物件を選んでいないということになるだろう。
これ以外にも年収から実際の生活費と貯蓄額を差し引いて、その余剰額を割り付けて適正家賃を算出する方法がある。例えば年収350万円の人であれば年間の生活費を200万円(家賃抜き)、貯蓄額を50万円とすると100万円が残る。
残った100万円を家賃に充てるのであれば、1ヵ月あたり8万円の物件に居住することができる。
以下の地区ごとの平均家賃を参考に、自身の支払っている家賃と収入を比較してみてほしい。
都道府県 | 総平均賃料 |
---|---|
北海道 | \49,240 |
宮城 | \50,604 |
東京 | \71,998 |
神奈川 | \63,113 |
愛知 | \52,772 |
京都 | \56,807 |
大阪 | \56,910 |
兵庫 | \57,481 |
広島 | \52,793 |
福岡 | \53,134 |
②水道光熱費

水道料金やガス、電気などの光熱費はどの程度かかっているだろうか。一人暮らしで平日は働いている人であれば、家にいる時間が短いため、そこまで出費はないだろう。
下記が単身世帯における、各ライフラインにかかる目安の価格だ。
項目 | 目安価格 |
---|---|
上下水道料 | 3,000~4,000円 |
電気 | 3,000~7,000円 |
ガス | 3,000~5,000円 |
参考:総務省統計調査
もし上記よりも多くかかっている項目があれば、原因を考えるべきだろう。
ただし、季節によって各ライフラインにかかる費用も変わるため、年間の平均で算出すると良いだろう。
③通信費

スマートフォンの利用料やWi-fi回線の利用料など、通信費を見直す方法もある。
スマートフォンは、大手キャリアから格安キャリアなどに移行することで、大幅に節約できるだろう。
また、スマートフォンとWi-fiのセット契約などのプランを提供している事業者もある。利用状況に合うプランを調べてみると良いだろう。
固定費以外にも削れる生活費はある!
固定費以外にも、食費、交際費、趣味へのお金はついつい使い過ぎている人が多いのではないだろうか。
まずは、各項目の金額を洗い出してどこにお金がかかっているか、お金の見える化を行うのが先決だ。
食費

外食が多い人は、その分食費が高くなってしまう。忙しくてもお米だけは自宅で炊いて、スーパーのお惣菜を活用するなど、なるべく自炊をするように心がけるだけで大幅に生活費を抑えることができる。
医療費

病気になってしまったときの医療費は、我慢して節約するべきものではない。
ただ、そもそも日頃から健康を心がければ、医療機関にかかることもない。お酒の飲み過ぎや夜更かしのしすぎなど、生活習慣が乱れている人はこれを機会に改めてみよう。普段の健康への心がけがそのまま節約につながるのだ。
飲み会・趣味

趣味や人付き合いでの出費が大きいと、どうしてもお金の減りが早くなり、生活が苦しくなるだろう。
日々のストレスを発散するために、衝動的に趣味や飲み会にお金を使ってしまう人もいるが、予算を決めて取り組むようにするべきだ。
一人暮らしの生活費が足りない人必見!節約して良い費用と悪い費用

一人暮らしの生活費には、節約すべき項目と節約すべきでない項目がある。生活費の節約を目指すには、節約すべき項目に目を向けることが大切だ。
節約して良い費用
- 外食費
- 趣味・交際費
外食は、自炊に比べると割高だ。一食外食にすると、千円前後はかかるだろう。自炊の場合、工夫次第では一食数百円で抑えることが可能だ。そのため、一人暮らしの生活費が足りない場合は、外食費をなるべく節約することが好ましい。
また、趣味・交際費もお金がかかりやすい分野だが、生活にとって必須ではないため、節約は可能だろう。とはいえ、外食や趣味、友人との交際を完全にやめろというわけではない。適度な息抜きは必要だ。外食費と趣味・交際費については、無理のない予算を決め、その範囲内で賄うようにすると良いだろう。
節約しない方が良い費用
- 基本的な食費
- 医療費
外食を減らして自炊をするのは節約に有効だが、食費自体を節約し過ぎるのは好ましくない。極端な食費の節約は、食事の栄養バランスを低下させ、不調を招く恐れがある。食費を気にして、「パンだけ」「もやしだけ」というような食生活は避けるべきだ。食費は適切な金額を確保し、毎食バランスの取れた食事を心がけよう。
また、医療費も節約してはいけない。たしかに医療費は安くはないが、必要なときに必要な医療を受けなければ、取り返しのつかないことになる可能性がある。そうなれば、当然医療費もふくれあがるだろう。医療費に関しては節約を気にせず、何か不調がある場合は我慢せず医療機関にかかることが大切だ。
一人暮らしの生活費に困ったら使える裏技

一人暮らしをしていれば、節約を心がけていても生活費に困ることがあるだろう。そんなときは、裏技として、以下のような方法を試してみてほしい。
フリマアプリで販売する
すっかり定番のツールとなったフリマアプリなら、自宅にいながらスマホひとつで持ち物の売買ができる。着なくなった服や小物、書籍などをフリマアプリに出し、買い手があらわれれば、売上金を生活費に充てられるだろう。
ただしフリマアプリで持ち物を販売するには、価格の相場を把握したり、品物を魅力的に撮ったり、丁寧な説明文をのせたりとコツを押さえることが大切だ。うまく品物をアピールできれば、中古品であっても高値で売れる可能性もある。なお、品物の売上金が手元に入るタイミングや手数料はフリマアプリによって異なるので、注意しよう。
リサイクルショップに売り出す
すぐに現金が欲しいなら、リサイクルショップへ不用品を売りにいくのがおすすめだ。リサイクルショップの不用品買取金額は相場程度で、あまり高くないことが多い。しかし、その場で現金を受け取れるため、いざというときに役立つ。また、持ち込みさえできれば家具などの大型商品も買い取ってもらえるうえ、フリマアプリのような配送の手間も不要だ。
昨今では、配送による買取を行っているショップも多い。必要に応じて利用すると良いだろう。
使わない家電のコンセントを抜く
日々の節約術としては、使わない家電のコンセントをこまめに抜くことをおすすめしたい。コンセントを挿したままの家電は、使っていなくても、微量の電力を使っている。これは待機電力と呼ばれ、電気代全体の5%にも及ぶという。家電によって待機電力の量は異なるが、とくにガス温水器やテレビの待機電力は大きい。
生活費を節約するにあたって、光熱費はなるべく安く抑えたいところだろう。使わない家電のコンセントは抜くようにして、待機電力を抑えるよう意識しよう。
一人暮らしの生活費の使い方は必ず改善できる

これまで説明してきたように、一人暮らしの生活費を見直すためには、まずは自分が何にお金を使っているのかを洗い出すようにしよう。そのうえで、無駄なお金がかかっている項目については、その原因を考察して、対策を考えると良いだろう。
交際費が多ければ人付き合いなどを見直し、買い物が多ければ、お金の見える化をすることで管理を徹底しよう。自分にとっていいお金のサイクルができる環境づくりを心がけるべきだ。
2021年4月加筆=CHINTAI情報局編集部