無職、貯金なしでも一人暮らしがしたい!入居審査が通りやすくなる方法は?
無職、貯金なしで一人暮らしをする際の壁、入居審査

就職や進学などで、一人暮らしをしているという人は非常に多い。しかしながら、思い立ってすぐには難しいのが引越しだ。特に入居審査では、職歴や貯金がない方には精神的にもかなりのハードルになるだろう。
今回はそんな気持ちを少しでも軽くすべく、無職でも貯金ゼロでも入居審査を通りやすくする方法を解説する。また一人暮らしに必要なお金も合わせて紹介していく。
この記事でわかること
入居審査で必要なのは「身分証」「本人・保証人の収入証明」「在職証明書(会社員の場合)」
無職でも一人暮らしをしたい場合「定職に就いている親族を連帯保証人にする」「預貯金審査に申し込む」などを試そう
一人暮らしの最中に無職になったら「住居確保給付金」や「市区町村の家賃補助」を活用できる
このページの目次
そもそも入居審査とは?

まずは、入居審査の基本情報を押さえておこう。
なぜ入居審査をするのか
不動産は、決して安いものではない。大切な資産を誰彼構わず貸し出すことができないのは想像に難くないだろう。物件や土地に不利益なことが起こればその資産価値は下がってしまうし、滞納があれば収入がその分減ってしまう。そのため、物件の持ち主は貸し出す前に安心して貸せる相手なのかを知る必要があるのだ。
そのチェック項目を形式化したのが、入居審査と考えるとわかりやすい。大家さんと不動産会社が、提出された書類だけでなく来店時や内覧中の言動なども材料にしながら、条件に見合うかどうかを判断していく。
入居審査に必要な書類
入居審査で必要になるのは、基本的に以下の4種類だ。
- 身分証(運転免許証、パスポートなど)
- 本人の収入証明(源泉徴収票、確定申告書、納税証明書など)
- 保証人の収入証明
- 在職証明書(会社員の場合)
必要書類を期限内に不備なく提出するのも、入居審査で好印象を与える要素なので気を付けよう。
入居審査の判断基準

次は、詳しく入居審査時に何が重要視されるか見ていこう。入居審査で重要視される条件は、主に以下の通り。
- 反社会的な人間ではないか
- 家賃を滞納せず払えるか
- 近隣住民とトラブルを起こさないか
そしてこの条件を確認するためのチェック項目が以下の5つということになる。
入居審査のチェック項目1:職業
入居審査で特に重要と言われているのが「職業」である。収入額はもちろん、安定して家賃を払えるかどうかが重要視される。したがって、医師や公務員、あるいは上場企業勤務といった職業は審査に通る可能性が高いのだ。
入居審査のチェック項目2:収入
一般的な収入の審査基準は、家賃が契約者の月収の1/3に収まっているかどうかだと言われている。厳しい不動産会社の場合、家賃が月収の3割に留まっているかを見られる事もある。
ただし、同じ無職でも学生の場合は親が連帯保証人になることが多いため、親の職業や収入がしっかりしていれば問題なく入居できるケースが多い。
入居審査のチェック項目その3:連帯保証人
万が一入居者が家賃を支払えなくなった場合に、大家さんが入居者に代わって家賃を請求できるのが連帯保証人である。連帯保証人は親族に頼むのが一般的だが、どうしても見つからない場合は賃貸保証会社を利用したり、連帯保証人が不要の物件を探したりすることも可能だ。
入居審査のチェック項目4:人柄
不動産会社に出向いた時の態度や言動、身なりなども評価基準に入れられている。近隣住民とのトラブルは空室を招いてしまう大きな問題となるため、人間性は思いの外重要視されていると覚えておこう。
入居審査のチェック項目5:滞納などの経歴
クレジットカードの支払いを滞納した場合にいわゆる「ブラックリスト」に載ることがあるが、これは賃貸物件の契約においても同様だ。以前に家賃滞納などのトラブルを起こしていると、要注意人物として扱われることがある。この場合、収入や連帯保証人などの調査がより厳しくなる可能性が高くなる。
一人暮らしに必要なお金は?無職、貯金なしでも大丈夫?

一人暮らしには家賃のほかに光熱費、食費、通信費といったさまざまな支出が発生する。この項目では、代表的な支出を4つに分類し、平均的な相場料金を解説していく。なお、光熱費などの平均費用については、総務省統計局の「1世帯あたり1ヶ月間の収入と支出(単身世帯)」の中にある2021年1月~3月期のデータを参考にした。
一人暮らしに必要なお金:家賃
家賃は地域や間取りによって相場が大きく異なる。東京都や大阪府に代表される大都市の場合、ワンルームでも平均すると40,000円~50,000円が相場になるだろう。また、オートロックなどの設備がある場合はこれ以上の家賃になり、家計を圧迫してしまうことになってしまう。
一方、都市部から離れると、30,000円前後で同条件の物件を見つけることができることも。郊外は比較的に緑豊かで、おだやかな環境の中で暮らすこともできる。家賃を抑えるために、郊外の街に住んでみるのも良いだろう。
一人暮らしに必要なお金:水道光熱費
単身世帯における光熱費の平均は13,854円である。内訳は電気代が6,641円、ガス代が3,562円、上下水道代が2,263円、その他の光熱費が1,387円となっている。
光熱費は季節に応じて変動しやすく、特にエアコンを稼働させる冬季や夏季は高額になりやすい。しかし、エアコンを使わない生活を続けてしまうと、やがて体調を崩してしまうことになる。過度な節約はせずに、体調第一で過ごすようにしたい。
一人暮らしに必要なお金:通信費
単身世帯における通信費の平均は7,634円である。自宅で使うインターネット回線費用や携帯電話料金、固定電話料金などが通信費に該当する。固定電話を持たない、割安なインターネット回線を使用するなど、通信費を節約する方法は多岐にわたるため、自分に合ったものを選ぶと良いだろう。
一人暮らしに必要なお金:そのほかの費用
そのほかの費用として第一に考えるべきなのは食費で、総務省統計局によると単身世帯では毎月平均35,732円となっている。雑貨や衣料品の購入費、趣味に充てるお金や交際費、医療費などを含めると70,000円~80,000円ほどになる。さらに予想外の出費のことも考えて、少し多めに見積もっておくと良いだろう。
無職・貯金なしでも一人暮らししたい。入居審査に通るのか
無職・貯金がないという状況では部屋を借りるのは難しく感じるが、可能性はゼロではない。無職や貯金のない方が物件を借りるための対策を見てみよう。
定職のある親族を連帯保証人にする
不動産会社や大家さんとしては、家賃の未払いが一番の不安だ。定職を持つ二親等以内の親族が連帯保証人であれば滞納の心配も少ないと見なされ、審査に通りやすい。
契約者名を親や親族にする
入居者が定職に就いていない場合に有効な手段だと言えるこの方法。仲介業者からも勧められるほどメジャーなテクニックだ。近々で職に就く算段が立たない場合は検討してみよう。
預貯金審査に申し込む
もし貯金があるなら、「預貯金審査」に申し込むこともできる。家賃の2年分以上、一般には最低家賃25ヶ月分の預貯金があれば担保になると言われている。家賃5万円としても実に125万円となかなかの金額になるが、貯金がある場合には試してみる価値はある。
一人暮らし中に無職、貯金なしになったら
最後に、一人暮らし中に無職になってしまったときの主な対策を見ていこう。
住居確保給付金を活用する
離職などによって家賃の支払いが困難になってしまった場合、住居確保給付金を利用しよう。就職活動の定期報告などの要件はあるが、3ヶ月間は上限までの家賃相当額が支給されるので、まずは役所で相談してみよう。
市区町村の家賃補助を利用する
市区町村単位で家賃補助制度を行っている場合もある。地域によって要件や金額に差があるので、まずは役所で確認をしてみるのがいいだろう。
無職になったとしても焦らず、当面の資金を確保しながら、次の職を探すのが最良の方法だ。
まとまった貯金がなくても、対策をすれば一人暮らしはできる!

入居審査をおろそかにすることはできないが、まずは住みたい物件や住める物件を探さなければならない。CHINTAIネットでは、保証人不要物件や一人暮らし向けの物件、家賃の安い物件などをテーマ別に検索することが可能なのでぜひ活用してほしい。
文=坂根迅(株式会社YOSCA)
2021年6月加筆=CHINTAI情報局編集部