海外赴任先からの引越し準備が超重要!? 帰国後の学校・幼稚園選びについて

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海外赴任先からの準備が超重要!? 帰国後の学校・幼稚園選びについて
海外赴任先からの引越しや手続きって国内と異なるの?

世界各国に120万人以上もいると言われている海外赴任中の日本人。出国時は会社側からの手厚いサポートがあるケースも多いが、かたや帰国する時は……。

国内での引越し&手続きとは事情が全く異なるのだ。海外赴任からの帰国ガイド・シリーズ、第三回目の今回は「海外赴任先からの準備が超重要!? 帰国後の学校・幼稚園選びについて」をお届けする。

帰国が決まったら、すぐに準備を開始!

海外赴任を終え、日本への帰国が決定。大人だけなら少々、不測の事態が起きようと柔軟に対応できるかもしれないが、子供のいる家庭、とりわけ小さな子供がいる場合はアバウトにはできない。

行政手続きは煩雑で、しかも段取り如何が教育環境、子供特有の繊細なメンタルに及ぼす影響が小さくないからだ。複雑な行政手続きを段取り良くこなし、メンタル面のケアもしてあげよう。

まずは赴任先での手続きから。帰国が決まったらすぐに、子供が現在通っている園や学校に連絡する。学校側の転校手続き、在校証明書の発行など様々な手続きをスムーズに行うためや、クラスメイトにいつ知らせるか? といったことを話し合うためだ。

子供が小中学生で日本人学校に通っている場合には、帰国後の編入手続きで必要になる在学証明書、教科書給与証明書(日本の公立小中学校に入る場合のみ)を発行してもらう。日本人学校で帰国に伴う転校は日常茶飯事。先生方も慣れていることだろう。

子供のいる家庭は帰国後の学校・園探しが一大ミッション!
子供のいる家庭は帰国後の学校・園探しが一大ミッション!

日本で通う園・学校を海外から探す

日本に帰ってから、子供をどの園、学校に通わせるかは親にとって大問題。赴任先にいる段階からできるだけ多く日本の情報を収集、手続きの準備をしておく。インターネットが普及している現代なら、それをフル活用して情報を入手するのが賢いやり方だろう。

帰国後に子供が通園・通学する先をまず決め、そこから住むエリアを選定する……という家庭は少なくない。住む場所が自由に選べるなら、それもひとつの方法だ。

未就学児の場合は幼稚園・保育園・認定こども園に受け入れ枠があるかが最初のカギ。希望の園があっても、定員いっぱいで途中入園が難しいところも多いからだ。特に保育園は地域によって待機児童が多く、「帰国直後、母親がまだ職場復帰していない」状態だと受け入れ先探しに難航する場合も。

その場合はエリアを広げ、選択肢を拡げることがポイント。役所の担当窓口に状況を伝えて相談にのってもらうのがいいだろう。いずれにしても帰国前からの準備が大切だ。幼稚園・保育園などの一覧は、各役所のホームページで確認することができる。

すぐに入園したいなら、事前に幼稚園の願書などを取り寄せたり、帰国に合わせた面接の日時などを確定しておくとスムーズ。有料で書類の取り寄せ代行、海外発送を行ってくれるサービスもあるようだ。

子供が日本での小中学生にあたる場合には帰国後、義務教育となる。その場合も事前に学校の教育方針や評判などをチェックし、公立の場合は学区も確認しておこう。近年は帰国子女を積極的に受け入れている学校も徐々に増えてきた。JOES(海外子女教育振興支援財団)のホームページなどを参考にすると良いだろう。

また欧米諸国との大きな違いは、日本の小中学校にはスクールバスがなく、自家用車での送迎も一般的でないこと。つまり徒歩で通うことになるので、通学路の安全性、周辺環境の治安に十分配慮して、住む場所を選びたい。

日本での学校探しはインターネットをフル活用しよう
日本での学校探しはインターネットをフル活用しよう

帰国後、万全の体制で入園入学の手続き

幼稚園の場合は、まず園に願書を提出し、帰国後に面接。無事に合格したら、入園の時期などを相談する。保育園の場合は行政機関に入園の申請をすることになる。どちらにしても入園前に親子そろって施設を見学させてもらい、挨拶するのが常識的だ。慣らし保育などもあるので、スケジュールには余裕をもって臨もう。

子供が就学児の場合には学校側への届け出に加え、行政への手続きが必要。公立の小中学校に入るなら、帰国後、転入届を出した後、在学証明書(現地校の場合は成績表など)や教科書給与証明書、住民票などの書類を所轄役場の担当窓口や教育委員会に提出して、就学通知書(転入学通知書)をもらう。これに必要事項を記入し、学校で転入手続きを行う……というのが大まかな流れだ。

ちなみに私立や国立付属校の場合には学校ごとに編入学の手続きすることになるが、別途、役所にも届け出る必要がある。役所に何度も足を運ぶ手間を避けるために、転入届を出す際には在学証明書などの書類を忘れずに持参しよう。

児童手当や小児(乳幼児)医療費助成の申請、乳幼児検診や予防接種の接種券交付などの手続きも、同時に行えると効率的。家族全員分のパスポート、健康保険証、海外での予防接種接種状況などを記録したもの、日本で出産した方は母子手帳も忘れずに持っていくこと。いざ役所に出向く際には、長丁場になることを覚悟すべし!

入園・入学手続きで必要となる書類は学校や園によっても異なる。事前の確認を忘れずに
入園・入学手続きで必要となる書類は学校や園によっても異なる。事前の確認を忘れずに

メンタル面のケアも忘れずに

子供にとって教育環境が変わることは、とても大きな変化。海外と日本では言語以外にも文化や風習、教育方針、同世代の子供たちの行動パターンなど、あらゆるものが変わってしまう。

たとえば食事を摂る前に「いただきます」を必ず言う、給食はできるだけ残さない、体操の列を乱さない、学校のトイレを長い時間使うと友達にからかわれる……といった日本の学校独特の風習に、最初は戸惑ってしまうこともあるだろう。

特に現地校に通い、外国語環境で育ってきた幼児の場合は、慣れるのに時間がかかるようだ。大人にとって小さな違いにしか思えないことが、子供にとって大きな心理的負担になってしまうことも少なくない。

郷に入れば郷に従え、とよく言うが、いきなり慣れることは難しい。海外で学んだことや身に付けた習慣を忘れる必要はなく、個性として残していって良いこと、他人と違うことが恥ずかしいことではないことを、じっくり時間をかけて伝えていきたい。

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CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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