賃貸の設備故障!壊れたときの連絡先や修理費用の負担はどうなる?

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賃貸物件の初期設備とは?故障した場合の修繕費用はどうなる?

設備 故障1

賃貸物件の初期設備とは、あらかじめ部屋に備え付けられている給湯器や洗面台、冷暖房器具などのことである。このようなものが故障してしまった際、どのように対処してよいのかわからないという人も多いだろう。

そこで今回は、賃貸物件の設備について、故障や不具合が起きた場合どのように対処したらよいのか説明する。修理費用の負担についても解説していくので参考にしてほしい。

賃貸物件の設備が故障したときの対処法・連絡先は?

賃貸物件の設備が故障してしまった場合の対処法を見ていこう。

まずは故障したものが「設備」か「残置物」かを確認

賃貸物件に入居する際、最初にチェックしておいてほしいポイントがある。それは、故障したものが物件備え付けの「設備」なのか、それとも「残置物」なのかということである。設備とは入居する部屋に元々ついている初期設備のことで、残置物は前の入居者が引越しの際に置いていったもののことである。

よくある残置物の例が、照明器具やエアコンなどだ。前の入居者が次の引越し先で必要ないエアコンなどを大家さんと相談の上で置いておくことがある。

初期設備の故障であれば、基本的には大家さんや管理会社が修理の手配をすることになる。一方、残置物の場合は大家さんや管理会社に修理の義務がないため、自分で修理することになるだろう。

設備か残置物かを見分けるには、賃貸借契約書をチェックしてみよう。また、契約の際にも不動産会社の担当者から説明されるので、しっかりと確認しておこう。

設備故障したときは「管理会社・大家さん」に連絡を

設備の故障ということがわかった場合、まずは大家さんや管理会社に連絡しよう。大抵の故障は大家さんの負担で修理することができる。残置物が故障した場合は、その残置物を修理して使う、あるいは新たに購入して使うことになるだろう。

入居時に加入した設備サポートサービスで対応してくれることも

設備の修理は基本的にすべて大家さんの負担となるが、場合によっては入居者も修理費用を負担しなくてはならないケースもある。入居時に設備サポートのような保険に加入していれば対応できるものもあるので、念のため確認しておくとよいだろう。

賃貸物件の設備の修理費用は誰が負担?

設備 故障2

前述の通り、基本的に初期設備の故障であれば大家さんが負担するという契約がほとんどだ。しかし、故意による故障などは入居者の負担になってしまう。そして残置物の故障も入居者の負担となるので、契約時の重要事項説明書などを確認しながら残置物の有無をチェックしておこう。

修理費用が入居者負担になるケース

自分で勝手に修理を依頼しまった場合

大家さんに連絡せず、勝手に判断をして修理をした場合、後から請求しても認められない場合がある。そのような場合、修理費用は入居者が負担することになってしまうので、まずは大家さんに相談することおすすめする。

設備の故障を放置してさらに悪化させた場合

故障していることがわかっているのにもかかわらず、大家さんや管理会社に連絡せずに放置し悪化させてしまった場合は、入居者の負担で修理をしなければならない。

たとえば雨漏りを放置した場合、その影響で室内にカビが発生したり、床が傷んだりした場合にはその修繕費用も含めて入居者負担となる場合があるので注意が必要だ。

特に危険なのはガス周りだ。給湯器の故障などでお湯が出ない場合、放置しているとガス管の腐食が進行してしまう。場合によってはガスが漏れて一酸化炭素中毒などの事故にもつながる。

物件や設備の故障をみつけたら、すみやかに大家さんや管理会社に連絡するようにしよう。

入居者の故意・過失で設備が壊れた場合

入居者の故意・過失による故障、簡単に言えば「わざと・うっかり」壊してしまったという場合は入居者の負担となってしまう。

寒い地方によく見られるのが、水道の元栓を閉めずに長期間家を空けてしまい、水道管が破裂してしまったというケース。入居のときに説明を受けるので、しっかりと聞くようにしよう。海外旅行や出張など、何日も家を空ける場合は注意が必要だ。

賃貸物件の設備が故障して使えない間はどうすればよい?

大家さんの負担で修理してくれることになった後も、修理の期間中は設備が使えなくなってしまう。その場合にどうすればよいのかを見ていこう。

設備の修繕が終わるまでの間、家賃を減額してくれる?

2020年4月の民法改正で、設備が故障したり使えなくなった場合の賃料減額について大きな変更があった。

民法第611条(賃借物の一部滅失による賃料の減額等)
賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される

改正前は「賃料の減額が請求できる」という文言だったのが、改正後は当然に「賃料は減額される」と、よりシビアになったのだ。この法改正は入居者側が有利になるものだ。

エアコンや給湯器、トイレやお風呂などの設備の故障は、大家さんが修理する義務がある。しかし、何らかの事情によって対応が遅くなってしまうことも考えられる。

例えば、「給湯器の故障の修理が遅れてお風呂に入ることができないので、数日の間銭湯に行ってお金がかかってしまった。」というケース。このような場合は不便を強いられている状況といえる。

民法改正前であれば入居者が請求しなければ対応してくれないケースも多く、泣き寝入りをする方も少なくはなかった。法改正により、このような場合にも家賃の減額請求が認められる可能性が高くなった。

ただし設備の故障による家賃減額を適用されるためには、条件もいくつかある。例えば、故障を発見したら速やかに連絡しなければ対象外になってしまうこともある。普段の生活にも不便が生じてしまうので、なるべく早めに大家さんへ連絡してみよう。

大家さんが設備の修理対応をしてくれない場合

前述の通り、入居者に過失がない場合は大家さんに連絡して修理をしてもらうことになる。しかし、連絡が取れない、何度連絡しても対応してくれないという場合は、どのように対応すればよいのだろうか。

多くの大家さんは対応してくれるものだが、万が一拒否されるような場合でも心配する必要はない。2020年4月1日の改正により、入居者が修理の手配をして事後に大家さんへ請求することができるようになったからだ。

民法第607条の2(賃借人による修繕)
賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。
一 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
二 急迫の事情があるとき。

上記は連絡をしているにもかかわらず対応してくれない場合や、緊急を要する故障などの場合に有効である。しかし法改正で修理ができるようになったといっても、連絡せずに勝手に修理を行ってしまうと、修理代の請求ができなくなる恐れがあるので注意が必要だ。

設備の故障は迅速に対応することで、トラブルにならないように注意しよう!

賃貸物件の設備が故障や不具合が起きた場合、まずは大家さんに連絡を入れ、指示を仰ぐようにしよう。賃貸物件の設備には初期設備と残置物があり、それぞれ対応の仕方が違うので、事前に把握するようにしたい。

また、法改正で設備の故障に関して入居者にとっては安心な条件が追加された。しかし、勝手に修理をしてしまうと入居者の負担となってしまうので、冷静な判断が求められる。賃貸住宅の設備が故障した場合は、必ず管理会社や大家さんに連絡をして、トラブルを避けるようにしよう!

CHINTAI編集部
CHINTAI編集部

1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
不動産店舗での業務経験者、宅建試験合格者などお部屋探し分野のプロも活躍する編集部が、新生活に役立つ情報をお届けします。

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