新耐震基準法とは?安心して住める賃貸物件の見つけ方

公開日:2021年2月10日

新耐震基準法とは?

新耐震基準1

日本で安心して住むために知っておきたい新耐震基準法

地震が多い日本では、大きな地震がきても倒壊しない強い物件が求められる。物件の安全性を定める指針の一つが、新耐震基準法だ。

震度6強を超える大地震が起こったときに、壊れない物件ということが定められている。よって、新耐震基準を満たしている物件は、この強さの地震がきても倒壊する可能性が低く安心して住むことができるということだ。

注意したいのが、新耐震基準法はあくまでも人の命を守るための基準であるということ。物件自体のダメージに関しては考量されていないため、新耐震基準を満たしていても損傷を受けることには変わりがない。

耐震基準法は大きな地震が起こる度に見直されており、今の新耐震基準法は1981年に改正されている。1981年前に制定された耐震基準法を「旧耐震基準法」と呼ぶ。

旧耐震基準との違い

1981年に改正された耐震基準法。それまでの旧耐震基準法とは主に2点の変更点がある。まずは震度設定の変更だ。

新耐震基準法 旧耐震基準法
震度5 ほとんど損傷を受けない すぐに倒壊しない
震度6〜7 倒壊しない
新耐震基準法 旧耐震基準法
震度5 ほとんど損傷を受けない すぐに倒壊しない
震度6〜7 倒壊しない

旧耐震基準法は震度およそ5以上の地震により、すぐに物件が倒壊しないことが定められていた。これは、1948年に起きた福井地震が切っ掛けとなっている。しかし1978年に起きた大きな地震の被害が大きかったことから、震度設定が改正された。

さらに新耐震基準法では、二次設計と呼ばれるものを導入した。地震の後に物件の形が復元せず変形したままだと、将来的に倒壊の恐れがあるからだ。

これら2点の変更により、新耐震基準法が定められた物件は古いものより安全に住むことができる。

2000年基準とは

1981年に耐震基準法が改定されてからも、日本では大型の地震による物件の倒壊が何度も起こっている。特に1995年に起こった阪神・淡路大震災では物件が倒壊したことで亡くなった人数は6,000人を超えるといわれている。

新耐震基準が満たされた物件はこの大地震でも大きな被害は見受けられなかったが、この震災の被害をもとに木造物件に対し「2000年基準」と呼ばれる新たな改正の見直しが行われた。

2000年基準の主な改正内容は以下の3点である。

・基礎づくりの前に地盤を調査する
・結合する箇所に金具を取り付ける
・耐性の強い壁を四方に配置する

それぞれ見ていこう。

基礎づくりの前に地盤を調査する

地盤の強さと基礎が合っていないとヒビなどの損害や最悪の場合物件が沈む場合もある。地盤の強さによって基礎の形や素材を変えるよう地盤の調査がマストになった。

結合する箇所に金具を取り付ける

地震の揺れによって柱と梁がバラバラになって倒壊してしまう可能性をなくすことが重要だ。そのため、物件の土台や柱、梁などが結合する箇所に金属を固定するというルールが加えられた。

耐性の強い壁を四方に配置する

窓が多い方角の壁は耐性が弱くなり、物件の耐性バランスが悪くなる。それをなくすよう、耐性の偏りを数値化することが決められた。

物件の耐震基準が新旧どちらかの確認方法

1981年に制定された新耐震基準法。しかし、すべての物件が新耐震基準法に沿って建てられているとは限らない。

今住んでいる物件や新たに住もうとしている物件の耐震基準はどうやって見分けたらよいのだろうか。ポイントは、「建築確認」が認められた日だ。

物件を含めたあらゆる建物は、建築確認という検査が行われる。1981年6月以降に検査が行われている場合は耐震基準が新しく、それより前の場合は耐震基準が古いということになる。

さらに木造物件の場合確認の日程が2000年の6月以降なら、その物件は2000年基準が満たされている。建築確認の書類は物件のオーナーや不動産会社に確認してみるよといだろう。

物件が建つ流れは、一般的に建築確認が行われてから建築工事が始まることが多い。物件が完成するまで3ヶ月〜1年半ほどかかるので、建築された日で耐震基準を判断してしまうとタイムラグが生じるため正確な判断ができない。

耐震基準を調べたい場合は、必ず建築確認が認められた日をチェックするとよいだろう。

安心して住める物件を探すコツ

新耐震基準2

安心して住める物件を見つけよう

地震が多い日本だからこそ、大きい地震が来ても倒壊の恐れがない安心して暮らせる物件を見つけたい。どんな物件を選べば安心して住むことができるかを2点に絞って解説する。

耐震面から考えると新耐震基準の物件が安心

震度6強を超える地震も想定している新しい耐震基準法。これが満たされている物件は、震度5までをルールとして定められている旧式の耐震基準法の物件に比べるとかなり安心できるものだといえる。

震度6を超える地震は滅多に起こらないといわれているが、過去20年で20回以上起きている。

2000年7月 新島・神津島近海地震 震度6弱
2000年7月 三宅島近海地震 震度6弱
2000年8月 新島・神津島近海地震 震度6弱
2000年10月 鳥取県西部地震 震度6強
2001年3月 芸予地震 震度6弱
2003年5月 宮城県沖地震 震度6弱
2003年7月 宮城県中部地震 震度6強
2003年9月 十勝沖地震 震度6弱
2004年10月 新潟県中越地震 震度7
2005年3月 福岡県西方沖地震 震度6弱
2005年8月 宮城県沖地震 震度6弱
2007年3月 能登半島地震 震度6強
2007年7月 新潟県中越沖地震 震度6強
2008年6月 岩手・宮城内陸地震 震度6強
2008年7月 岩手県沿岸北部地震 震度6弱
2009年8月 駿河湾地震 震度6弱
2011年3月 東日本大震災 震度7
2016年4月 熊本地震 震度7
2016年6月 内浦湾地震 震度6弱
2016年10月 鳥取県中部地震 震度6弱
2016年12月 茨城県北部地震 震度6弱
2018年6月 大阪府北部地震 震度6弱
2019年1月 熊本地震 震度6弱
2019年2月 北海道胆振東部地震 震度6弱
2019年6月 山形県沖地震 震度6強
2000年7月 新島・神津島近海地震 震度6弱
2000年7月 三宅島近海地震 震度6弱
2000年8月 新島・神津島近海地震 震度6弱
2000年10月 鳥取県西部地震 震度6強
2001年3月 芸予地震 震度6弱
2003年5月 宮城県沖地震 震度6弱
2003年7月 宮城県中部地震 震度6強
2003年9月 十勝沖地震 震度6弱
2004年10月 新潟県中越地震 震度7
2005年3月 福岡県西方沖地震 震度6弱
2005年8月 宮城県沖地震 震度6弱
2007年3月 能登半島地震 震度6強
2007年7月 新潟県中越沖地震 震度6強
2008年6月 岩手・宮城内陸地震 震度6強
2008年7月 岩手県沿岸北部地震 震度6弱
2009年8月 駿河湾地震 震度6弱
2011年3月 東日本大震災 震度7
2016年4月 熊本地震 震度7
2016年6月 内浦湾地震 震度6弱
2016年10月 鳥取県中部地震 震度6弱
2016年12月 茨城県北部地震 震度6弱
2018年6月 大阪府北部地震 震度6弱
2019年1月 熊本地震 震度6弱
2019年2月 北海道胆振東部地震 震度6弱
2019年6月 山形県沖地震 震度6強

このように大きな地震が頻発している。安心して暮らすなら、やはり1981年6月以降に建築確認が認められた新耐震基準法が満たされている物件を選ぶことが必要だ。

アパートやマンションなどの賃貸物件では築年数はそれほど重要ではない

古い賃貸物件だと安心して住めないという人もいる。しかし、賃貸物件が古くてもリフォームやメンテナンスがしっかり行われている場合、十分な耐震性がある物件だといえる。新たに住む賃貸物件を選ぶ場合は、築年数よりリフォームやメンテナンスがどれぐらい行われているかをチェックすることが重要だ。

さらに1981年より古く建てられた物件でも、新しい耐震基準をクリアしている物件もある。耐震基準は遵守すべき基準値の最低ラインに過ぎないからだ。特に物件の形が四角形のシンプルは地震に強く、新しい耐震基準を満たしている可能性が高い。

地盤の強さも耐震には大きく関係するため、基礎工事が適切に行われているかを確認してみよう。地盤が弱くても、補強が施されていれば安心できる。

不安なことはプロに相談しよう

基本的には震度6強を超える地震でも物件が倒壊しないと定められている新耐震基準法。元々は震度5までの地震が想定されていたが、地震が頻繁に起きる日本の現状を考慮して、1981年に改定された。さらに木造物件においては2000年にも改定されている。

自分が住んでいる物件や新しく選ぶ物件が、新しい耐震基準法を満たしているかを知るためには「建築確認」が認められた日を調べてみよう。

築年数が古い物件でも耐震基準法は新しい物件もあるので、不安なことがあれば不動産会社などのプロに相談するのをおすすめする。

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CHINTAI編集部
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1992年創業、お部屋探しや生活の情報を発信してきた株式会社CHINTAIが運営するWebメディア。引越しに関する情報はもちろん、家事や家計、季節の楽しみなど日々を豊かにする知識を調査・ご紹介。
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