悩ましい近隣トラブル。賃貸マンションで迷惑行為に遭ったときはどうすればいいのか?
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近隣トラブルは誰にでも起こり得る?

賃貸物件の多くを占めるのが、アパート・マンションなどの集合住宅。多くの人が1つの建物内に居住する集合住宅では、入居者同士でのトラブルが起きやすくなってしまう。
今回は、近隣トラブルの種類から対策までをご紹介。近隣トラブルで悩んでいる人はもちろん、これから一人暮らしを始める人や引越しを控えている人も、近隣トラブルに関する対策方法について知っておこう。
この記事では、一般的な近隣トラブルを紹介していくが、トラブルの深刻度によっては管理会社・大家さんはもちろん、都道府県警が設置している相談窓口の利用も検討してほしい。
警視庁相談ホットライン紹介ページ:https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/sodan/madoguchi/sogo.html
賃貸マンションで遭遇する迷惑行為とは?近隣トラブルの事例を紹介
近隣トラブルと一口に言ってもさまざまな種類がある。まずは、どのような事象が近隣トラブルの原因となるのか、知っておくことが大切だ。
賃貸物件の賃貸トラブル事例①騒音・生活音

最も代表的な近隣トラブルが騒音だ。特に、多くの人が寝静まった夜中に下記のような行為をすると、トラブルの原因になりやすい。
・夜中に大声で電話をする
・友人を招いて騒ぐ
・大音量で音楽を聴く
・楽器演奏をする
・洗濯機の機械音
・ペットの鳴き声
なかには、迷惑になるのをわかったうえで騒音を出している悪質な事例も少なくない。そのような相手とは深刻なトラブルになる可能性もあるだろう。
また、防音性能が低いアパートの場合は、歩いている音や入浴中の音が響いてしまい、騒音と捉えられるリスクもある。室内で走ったり、ドスドスと音を立てて歩いたりすることは避け、スリッパを使うなどの対策を取ろう。入浴に関しては、仕事などの関係で難しい場合もあるが、できる限り深夜・早朝の入浴は避けることをおすすめする。
賃貸物件の近隣トラブル事例②臭い
他の部屋からの異臭が発生するというトラブルがある。片づけができないことによりゴミ屋敷化しているケースや、ペットの世話を怠ったことによる臭いなどが要因であると考えられる。近年はゴミ屋敷が社会問題となり、ワイドショーなどでもたびたび取り上げられている。決して他人事とは言えないだろう。
古い洋服や使い終わったトレーなど、第三者からすればどう見てもゴミにしか思えないものでも、住民が所有権を主張すればゴミとして扱うことはできない。たとえ大家さんであっても勝手に処分することができず、行政が動きにくいこともトラブルを複雑化させる原因になっている。
腐敗臭が自宅に流れ込んできてしまうと、まともな生活を送ることは難しくなってしまう。窓を開けることもできないし、ゴミを放置している部屋の前を通るだけでも嫌な思いをするだろう。部屋探しの際は内見時にベランダに出るなどして、異臭がないかどうかを確認しておくべきである。
もちろん、自分自身でもそういったことのないよう、部屋や周辺をきれいに保つよう注意したい。
賃貸物件の近隣トラブル事例③ゴミ出しのルール違反

ゴミ出しのマナーが悪く、ルール違反をする住民がいるというトラブルも多い。特に以下のような迷惑行為は頻繁に確認されており、しばしば住民を困らせる問題となっている。
・可燃ごみ、不燃ごみなどゴミの種類の決まりを守らない
・ゴミ出しの時間を守らない
・粗大ゴミを放置する
ゴミ出しのルールを破られてしまうと、生ゴミのような臭いを発するゴミが長期間にわたってゴミ置き場に放置されるため、鼻を刺すような刺激臭の原因になる。これが原因で害虫がたかる場合もあり、不衛生な状態に陥りやすいことも問題だ。また、粗大ゴミが放置されていると、貴重な共同スペースが埋まってしまう可能性もある。
賃貸物件の近隣トラブル事例④喫煙

室内における喫煙は原則として住民の自由だが、室内で喫煙できない事情を持つ住民が共用部分などで喫煙するケースもあり、これがトラブルに発展することも珍しくない。階段など捨てるべきでない場所に吸い殻を捨てられてしまうと、最悪の場合は火事が起こる場合もあるだろう。
また、ベランダ・バルコニーでの喫煙は規約で禁じられることが普通だが、これを守らない住人も多い。せめて灰や吸い殻を管理してくれれば良いのだが、外に捨てられてしまうと大問題だ。
賃貸物件の近隣トラブル事例⑤共用部分の使い方
エントランスや廊下、階段やエレベーター、ラウンジといった箇所が代表的な共用部分にあたる。私物やゴミを放置したりすれば、事故が起きないとも限らない。
また、アパート・マンションのベランダ・バルコニーも共用部分の1つだ。ベランダ・バルコニーは自分だけのスペースだと思ってしまいがちだが、火災が発生したときなどは、非常用の脱出ルートとしてバルコニーを使う場合がある。バルコニーに大きなロッカーや物置を設置している物件があると、いざというときに避難口が塞がれてしまう場合がある。
近年ベランダやバルコニーにテントやテーブルを出す楽しみ方が注目されているが、規約違反にあたらないか、避難経路の邪魔になっていないかなど、改めて注意しよう。
賃貸物件の近隣トラブル事例⑥迷惑駐車

車やバイク、自転車などの駐車もまた、迷惑になりやすい。住民だけでなく、たまたま自宅の前を通りがかった部外者からの被害を受ける可能性もある。特に繁華街や観光地にある物件の場合、駐車場代わりに自宅の駐車スペースを使われてしまうこともある。ほかにも、以下のようなトラブルには特に注意したい。
・各居住者に割り当てられた駐車場に車を停めない
・共同の出入り口に駐車をして道を塞ぐ
・通路をふさぐ、斜めに置くなど自転車の停め方が悪い
一方、迷惑駐車はそれが故意によるものかどうかわかりづらく、注意が難しい場合もある。内覧をする際、周辺の駐車スペースはどういったルールになっているかを確認して、住みやすい環境なのかチェックしよう。
次のページでは、近隣トラブルに巻き込まれた時の対処法について解説する。